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砂田喜昭 2019年3月6日更新  
新年度予算概要
大型公共事業が目白押し

 2019年度小矢部市予算案の概要がこのほど、市議会に説明されました。
 一般会計は159億5010万円で、前年比で1・2%、1億9720万円減となっています。国民健康保険や上下水道などの特別会計は80億121万円で、前年比2・2%、1億7062万円の増です。19年度も大型事業が続きます。事業費の大半は市の借金でまかなうこととなります。一般会計では新たな借金が31億9810万円で、前年度より1億2770万円増えます


☆ (仮称)石動コミュニティプラザに8億4千万円


 (仮称)石動コミュニティプラザ整備事業に8億4128万円を計上しています。これは総合会館の駐車場に19年度に新築します。青少年ホーム、石動コミュニティセンター、市民活動サポートセンターを廃止し、総合会館に統合するものです。併設されている市民体育館はそのまま使います。廃止した石動幼稚園の敷地は駐車場にします。市が買収した隣接民有地では駐車場整備の工事が進められています。

  
計画を1年早める

 (仮称)石動コミュニティプラザはもともと2019年度に新図書館が完成してから、2020年度に建築工事にかかる予定でした。これを1年早めることにより、市の財政に大きな負担となります。

 
まちなかトイレを解体?!

 まちなかトイレ(総合会館駐車場に隣接)を解体することが検討されています。このトイレは2010年度に1866万7千円で整備しました。24時間使用でき、石動中学校グランドでスポーツをしている人々や、朝早く散歩している人々にも活用されています。市民の税金でつくったものを、わずか10年たらずで解体することは税金の無駄づかいではないでしょうか。

☆ 新図書館建設に11億円

 新図書館は2018、19年度と継続して10億9400万円で、石動駅に併設して整備します。建設費は18年度予算に計上し、19年度は図書購入費1900万円です。
 
  エッ、おとぎの館図書室を廃止・解体?

 重大な問題は新図書館の完成に合わせておとぎの館図書室(1997年3月竣工、総事業費1億9300万円)の廃止・解体が検討されていることです。法定耐用年数38年のところ(税法で規定される耐用年数で、実際の耐用年数はもっと長い)、まだ18年残っています。おとぎの館図書室はブックスタート事業として子どもたちが小さいうちから絵本に親しむ活動を行っています。大型絵本の読み聞かせや、親子による絵本づくりもできます。映像の世界にも親しめます。広々としたスペースにたくさんの児童図書を展示しており、これらの機能を新石動図書館に押し込むことは不可能です。

☆ 学校統廃合でアンケート調査

 小中学校統廃合に関して、学校・保護者・地域からの意見聴取のためのアンケートを実施します。予算額は53万7千円です。

  
シンポジウムで市民を交えた議論が必要

 しかしアンケートだけでは、市民が学校統廃合による影響を十分に理解して判断する上では不十分です。学校統廃合で子どもたちの成長にどのような影響があるのか、地域コミュニティの活性化にどのような影響があるのか、人口減少に拍車がかからないか、学校耐震化が完成し普通教室にエアコンも設置したのに統廃合は必要なのかなど、市民の皆さんを前に多方面から賛否両論の意見をかわすシンポジウムのようなものを開き、市民がしっかり考える場をつくることが必要ではないでしょうか。

☆ 放課後児童クラブの運営を民間委託

 放課後児童クラブの運営を4512万円で民間企業に委託します。委託の条件として市は、放課後児童クラブ指導員の雇用を維持し、今後さらに雇用条件の向上を求めています。

☆ 大谷・蟹谷両校区の統合こども園に15億円

 大谷校区・蟹谷校区の両統合こども園は18、19年度の継続事業で建設中です。総事業費は28億円で、19年度予算では15億7232万円を計上しています。このあと既存7保育所(荒川、正得、若林、松沢、東蟹谷、北蟹谷、薮波)を廃止します。その後、どのように活用するか、検討が求められます。

☆ 新石動駅周辺整備に1億4千万円

 新石動駅周辺整備に1億4210万8千円を計上します。駅前広場や消雪設備、雨よけのシェルター、照明などです。
 南北自由通路やトイレ、駐車場の管理に2280万6千円を予定しています。

☆ インフルエンザ予防接種に助成

 インフルエンザ予防接種は満1歳から中学生まで550万円、65歳以上1804万1千円を予算化しました。
子育て世代に喜ばれている子どもたちへのインフルエンザ予防接種助成は2017年度から実施されています。接種率は2017年度が58・91%、18年度が58・71%でした。
 今年は市内小中学校での学級閉鎖、学年閉鎖は2校のみでした(全県では169施設。2月25日現在、富山県のホームページによる)。17年度は学級閉鎖、学年閉鎖が相次いだことから、インフルエンザ予防接種の効果とともに、各学校での手洗いやうがいなどの励行も徹底されたのではないかと思われます。

☆ 個人住宅の耐震化に100万円

 木造住宅耐震化支援事業補助金を60万円から100万円に増額します。個人住宅の耐震化を促進するためで、耐震設計から工事までが対象です。
 危険なブロック塀除去にも補助金を出します。塀1平方メートルあたり4千円で10万円を限度とします。

☆ イノシシ対策に1千万円

 有害鳥獣捕獲対策費に1056万8千円を計上しました。イノシシの捕獲を500頭(成獣150頭、幼獣350頭)見込んでいます。恒久柵材料費補助金は4地区(末友、五郎丸、松尾、小森谷)に162万9千円を予定します。

☆ 議会にタブレット端末導入

 議会にタブレット端末を導入します。議員と市職員が文書ではなく、タブレットで議案や予算書、決算書、各種報告などをやりとりすることにします。議会用に320万8千円、市職員用に373万5千円を予算化しました。

☆ 市のコンピュータシステム
   個人情報を含む基幹情報を
   外部の民間会社に移管

 小矢部市のコンピュータシステムを2020年度に、クラウドシステムに切り替える準備をします。3千万円を予算化しました。小矢部市民の個人情報を含む重要な情報は、現在は市役所内で厳重に管理されていますが、この情報が外部のサーバーに保管されることになります。情報の漏洩が起きないのか、維持管理費用が適正なものとできるのか、懸念される問題が多くあります。

☆ 学校教育を支える人員体制の拡充

 学校教育を支える多人数学級支援講師や英語専科講師、スタディメイト(1名増員し19名に)、子どもと親の相談員(一日3・5時間に)、部活指導員(各校2名に)などの増員、時間延長に取り組みます。

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