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教員の異常な長時間労働を是正し
学校をよりよい教育の場に
12月議会 砂田市議の一般質問
「学校がブラック職場になっている」ーいま、教職員の長時間労働が社会問題になっています。砂田市議はこの問題を取り上げ、教育条件の改善を求めました。石田議員も「学校教職員の多忙解消」について質問し、小矢部市として喫緊の課題になっていることが浮き彫りとなった12月議会でした。
砂田市議は日本共産党が発表した政策「教職員を増やし、異常な長時間労働の是正を―学校をよりよい教育の場に―」を紹介し、なぜ異常な長時間労働が生じたのかを明らかにしました。
(1)国が、教員の
授業負担を増やした
現状は、国の「教員勤務実態調査」(2016年)によれば、小学校教員は1日6コマ(時限)近い授業(4時間25分、小学校の1コマは45分)をしています。
一日4コマの授業をもとに
教員配置を決めていた
もともと、教員の定数は教員1人あたりの授業負担は長い間「1日4コマ、週24コマ」とされ、それを満たすことを目標に、定数配置が行われてきました。これは1日の勤務時間8時間のうち、4時間(休憩時間を含み)を正規の教科指導にあて、残り4時間を授業の準備や、その他校務一般に充当するという考え方でした。
ところが、国はその基準を投げ捨て、学校週5日制や、「ゆとり教育の見直し」の号令のもとに授業負担を増やしました。
(2)業務の増大ー学校の
かかえる課題の増加、
「教育改革」による負担の増大
格差と貧困の拡大など社会的条件による学校のかかえる課題の増加、「教育改革」全国学力テスト、小学校に英語教育などによる負担の増大があります。
(3)「残業代ゼロ」の法律が、
長時間労働を野放しにした
日本共産党が3つの改善策を提案
提案1 持ち時間数の上限を定め、そのための定数改善計画を行う
日本共産党はまず「教員の持ち時間数の上限を定め、そのための定数改善計画をおこなうこと」を提案しました。
そのため、「日本全体で小中学校の教員定数を10年間で9万人増やす。最終的に数千億円の予算が必要だが、先進国最下位の教育予算のGDP比を0・1ポイント引き上げるだけで可能」です。
現状、一人で5コマ弱の授業
市内小学校 教員12・6人不足
小矢部市の現状は、小学校では教員一人あたり一日4・7コマで、持ち時間数の上限を一日4コマとするには、教員が12・6人不足します。中学校では現状は一日3・2コマですが、部活が負担となっています。
小学校週1792コマ/77名の教員 一人あたり23.3コマ 一日4.7コマ。これを4コマにするには89.6人の教員が必要と計算した。
中学校 年生徒一人(=クラス)1015コマ 中学校には普通クラス25と支援級6で、年間総コマ数31465コマ。教員(授業担任教員57人)一人あたり年552コマ、週15.8コマ、一日3.2コマ。
これまで市内小中学校の全学年を35人学級にするためには、教員4名増が必要との議会答弁がありました。
小規模校の少人数クラスでも教師の多忙化が問題となっており、共産党が提案する定数改善計画の実現をめざすことが必要です。
提案2 学校の業務削減 国と自治体、学校現場の双方から推進すること
@ 行政研修や
各種研究授業の簡素化を
教育長 県と市が重複しないようテーマや時間設定に気を配っている。原則希望研修とする。県教委や小教研、中教研からの研究指定校についても、過度な取り組みとならないよう校長会でお願いしている。
A 作品募集など
いろんなイベントの整理を
教育長 募集件数はそんなに変わっていないが、自由応募にした。クラスや学年全員対象というものはなくした。昨年度から募集は直接学校ではなく、市教委を通すこととした。作品を学校で事前審査し出品点数を絞ることもなくした。
B 教職員の話し合いにもとづき、
不要不急の業務の削減・中止を
砂田市議 「決められたことを全部やって疲れ果てるより、要所をおさえて元気に教壇にたったほうが、子どもたちにはいい」と話し合い、業務削減を行うこと。
教育長 文科省の通知は具体例(参考2面に掲載)を挙げており、インパクトのある内容だ。教育現場にその内容を伝える。
C 教員以外のスタッフの拡充・常勤化を
教育長 スクールカウンセラー、スクールソーシャルワーカー、スタディメイト、多人数学級支援講師、子どもと親の相談員、学校図書館司書を拡充してきた。本年度から部活動指導員を全中学に配置した。今後も必要な専門スタッフの確保を図る。これらスタッフの勤務時間などの拡充について考えたい。
D部活動の負担軽減 学校単位から地域へ
砂田市議 長期休業中、ある程度長期の休養期間(オフシーズン)を。
教育長 部活休養期間の明確な設定をしていないが、学校閉庁(お盆の5日間)の期間は部活を実施していない。
砂田市議 長期的課題としては、従来の学校単位での活動から一定規模の地域単位での活動にすべきだ。「部活動ができないから、学校の統廃合が必要だ」という議論は、文部科学省の目指す方向と違う。
教育長 これからは学校から地域へという流れが生まれつつある。そういうなかで部活動の新しい方向性として地域の連携などがいっそう求められると認識している。市内でも地域クラブで活動されている生徒も少なからず存在している。地域への移行は一部で始まりつつある。どのような形での地域への移行が適切なのか、検討する必要がある。
提案3 教職員の働くルールを確立
残業代をきちんと支払い、残業時間を規制
出退勤時間管理
小矢部市は今年度からコンピューターによる校務支援システムを導入し、教員の出退勤時間管理も行うこととしていましたが、システムの改良に手間取り12月12日からの稼働となり、実際の勤務時間把握はまだできていません。
残業代ゼロで、午前4時出勤 翌朝2時帰宅の実例も
今年4月からは 小学校 中学校
入校最早時間 午前4時39分 午前3時07分
退校最遅時間 翌日の午前2時48分 午前2時19分
こんな勤務でも残業代は払われていない。
教育長 昨年度より入校最早時間が30分ほど早くなり、退校最遅時間が3時間近く遅くなりました。
これは海外遠征や突発的な事情によるひとりの例であり、恒常的に行われているものではないが、行事等の対応でも今後改める必要がある。
参考
文部科学省の通知 2018年2月9日
学校における働き方改革に関する緊急対策の策定並びに学校に
おける業務改善及び勤務時間管理等に係る取組の徹底について
(通知)より
1.学校における業務改善について
(1)業務の役割分担・適正化を着実に実行するために
教育委員会が取り組むべき方策について
@業務改善方針・計画の策定及びフォローアップ
A事務職員の校務運営への参画の推進
B専門スタッフとの役割分担の明確化及び支援
C学校が教育活動に専念するための支援体制の構築
D業務の管理・調整を図る体制の構築
E関係機関との連携・協力体制の構築
F学校・家庭・地域の連携の促進
G統合型校務支援システム等のICTの活用推進
H研修の適正化
I各種研究事業等の適正化
J教育委員会事務局の体制整備
K授業時数の設定等における配慮
L各学校における業務改善の取組の促進
(2) 教育委員会が特に留意して取り組むべき個別
業務の役割分担及び適正化について
【基本的には学校以外が担うべき業務】
@登下校に関する対応
A放課後から夜間などにおける見回り,児童生徒が補導されたと
きの対応
B学校徴収金の徴収・管理
C地域ボランティアとの連絡調整
【学校の業務だが,必ずしも教師が担う必要のない業務】
D調査・統計等への回答等
E児童生徒の休み時間における対応
F校内清掃
G部活動
【教師の業務だが,負担軽減が可能な業務】
H給食時の対応
I授業準備
J学習評価や成績処理
K学校行事等の準備・運営
L進路指導
M支援が必要な児童生徒・家庭への対応
(3)学校が作成する計画等及び学校の
組織運営に関する見直しについて
2.勤務時間管理の徹底及び適正な
勤務時間の設定について
3.教職員全体の働き方に関する意識改革について
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