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砂田喜昭 2018年2月11日更新  
農業後継者対策のカナメ
戸別所得補償制度復活を
12月議会

 
小矢部市の農業にとって非常に重要な米の戸別所得補償制度が廃止される問題が12月議会で取り上げられました。砂田市議の一般質問とともに、農民連小矢部班からこの復活を求める請願が提出されました。

 米価が生産コストを下回っており、埴生の鳩清水というペットボトルの水より米の値段のほうが安いのです。そこで平成22年度から農業者戸別所得補償制度で、10アール当たり1万5千円の直接支払交付金が創設されました。しかし、安倍内閣は平成25年度からこれを7500円に半減させ、平成30年からゼロにしました。ある集落営農では二百数十万円ほどの収入減になります。地域経済の衰退に拍車をかけ、農業後継者問題が深刻になります。

 
砂田市議 農産物の価格保障と所得補償は不可欠で、欧米ではこれが当たり前になっている。ぜひ、戸別所得補償の復活を求めることを国に要求していただきたい。

 
産業建設部長 本市としては、国に対して、米の直接支払交付金の廃止後の財源を、畑作物や水田活用の直接支払交付金に充てるなど、水田農業の維持に向けた施策に活用されるように要望をしてまいりたい。

安倍内閣のウソとごまかしを批判

請願に対する
 賛成討論
 

 
砂田市議はこの議論をふまえて、農業者戸別所得補償制度の復活を求める請願に賛成討論をしました。

 安倍政権は戸別所得補償を廃止して農業者から714億円を奪ったが、その代わり水田活用直接支払交付金を154億円、農業農村整備事業に328億円、2018年秋から収入保険制度を創設し260億円、あわせて742億円の農業関係予算を増額するので、戸別所得補償を廃止した以上に農業予算を増やすから、心配ないと言い張っている。

 しかし、水田活用直接支払交付金は、生産コストを下回っている主食用の米価を補うためのものではない。麦・大豆・飼料米など主食用米以外に対する交付金で、平成29年度に3150億円だったものを3304億円にするに過ぎない。

 農業農村整備事業で328億円増やすが、これは集落営農や中核農家、個人農家に交付されるのではない。都道府県に設けた農地中間管理機構が借りている農地(個人農地を大規模農家に集中)を大区画にするための事業費や、用水路をパイプラインにするとか、ため池の改修など公共土木事業に充てるものだ。平成29年度の予算3084億円をわずか1割増やすに過ぎない。

 収入保険制度についても、これまで例えば大豆など単作物が不作でも保険金が出たが、今度は農業者の米や大豆、その他の作物全体の収入が基準を下回らねば保険金が入らない仕組みになる。

 農家をごまかして農業者の所得補償をないがしろにする政策では、農業者の後継者対策にも逆行し、食料自給率の向上にも役に立たない。

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