|
政府交渉
浄化槽と下水道で砂田市議
日本共産党富山県地方議員団は1月12日、井上さとし参院議員、武田良介参院議員、藤野やすふみ衆院議員が同席して、参議院議員会館で市民要求をもって政府交渉をしました。
砂田市議も参加し、浄化槽と下水道の問題で交渉しました。その概要をお知らせします。
既設合併処理浄化槽を下水道への
接続を強制しないこと
要望 下水道整備計画区域内で既に合併処理浄化槽を設置した家庭に、下水道への接続を強制しないこと。浄化槽設置者の意向を尊重し、下水道法第10条但し書き、接続しなくてもよい「特別の事情により、公共下水道管理者の許可を受けた場合」に認定されたい。
国土交通省の回答
浄化槽の取り扱い 地域の実情に応じて適切に
国土交通省 排出される下水が公共下水道の終末処理場からの放流水の基準に適合していること、下水道の排除状態を常時把握することが必要である。合併浄化槽の取り扱いについても各下水道管理者においてこうした下水道法の趣旨をふまえて、地域それぞれの事情に応じて総合的に判断され、適切に対応されているものと考えている。浄化槽が進歩していて水質が一定程度確保できるので、そういった地域の状況も判断していただいた上でこの但し書きを適用していただければと考える。
下水道法第10条但し書きによる許可
一律ではなく、実質的に下水道管理者が判断すればよい
国土交通省 計画の策定当初においては下水道を敷設するのが適当であったという時代があったが、数十年を経た今となっては、社会情勢が変わってきてほんとうに下水道が必要なのかということもあるので、計画の見直しをしている自治体が非常に多い。国も後押しするために平成27年に都道府県構想の見直しをお願いしている。その中で国土交通省、農林水産省、環境省連名で、経済的背景ですとか、社会的情勢にもとづいて見直しをしてください、見直しをしたうえで汚水処理がどういった形が適切なのかを考え直してくださいとお願いしている。
その中で小矢部市さんがやっていらっしゃるように下水道区域を見直して必要なところは公共下水道で、そうでないところは浄化槽でと、線引きを見直せば但し書きの許可を必要とせずに、下水道区域内であった地域でも浄化槽でいくとかそういった切り分けが可能である。
但し書きの許可を一律にするというのではなく、実質的に下水道管理者が判断をすればよろしいかと考えている。
単独浄化槽を合併処理浄化槽に
取り替えるための補助金を使えるように
要望 トイレのみの単独浄化槽を、生活雑排水すべてを処理する合併処理浄化槽に取り替えるための国の補助金を、下水道整備計画区域内でも、当分下水道整備が見込めない地域では使えるようにしてもらいたい。
環境省の回答
下水道区域内でも
条件付きで可
環境省 条件付きで出すことはできる。公費の二重投資を避けるという観点から原則として下水道事業区域には出せないこととなっているが、ただし、下水道事業区域内であっても当分の間、原則7年以上下水道の整備が見込まれない地域において、なおかつ水質汚濁防止法にもとづく生活排水対策重点地域に指定されている市町村であれば、交付の対象としている。
富山県は生活排水対策重点地域を指定していない
環境省 水質汚濁防止法にもとづく生活排水対策重点地域は都道府県知事がとくに必要と認める場合において市町村を指定する、地域を指定するもので、指定を受けた後に市町村が計画をつくる、地域の計画をつくることで指定地域になることができる。
富山県の場合、現状、指定されていない。(指定地域は、平成28年3月末現在、209地域、42都府県333市町村 「水質汚濁防止法等の施行状況」平成29年1月 環境省 水環境課)
火爪県議 富山県が指定されていない理由はわからないか。
環境省 なぜ富山県にないのか、理由がわからない。重点地域の法律ができたときに(平成2年)国の方から都道府県に対して積極的にこれを活用するように通知を出している。今後、重点地域の指定をすることで、この補助金の活用ができる。
解説 下水道と浄化槽
上記でお知らせした下水道と浄化槽に関する政府交渉の記事について、その背景がわからないので、どのような成果と課題があったのか、解説して欲しいとの要望が届けられました。砂田市議に聞きました。
既設合併処理浄化槽の下水道への接続
「地域の実情に応じて市が判断すれば、
つながなくても違法ではない」国交省
砂田市議 これまで小矢部市では下水道整備区域になっていても、実際に下水道が来るのは何十年先になるか不明のため、家の改築などそれぞれの事情で合併処理浄化槽を、市の補助も受けて自己負担して設置し、トイレの水洗化や台所、風呂などの生活雑排水をきれいに処理してきました。
いよいよ下水道が来ることになると、既に合併処理浄化槽を設置していても、市は下水道受益者負担金を納めて下水道に接続するよう求めていました。その根拠として下水道法第10条ですみやかに下水道に接続する義務があると説明していました。
しかし、下水道法第10条但し書きには、接続しなくてもよい場合を例示しています。私がこのことを指摘したら、小矢部市は強制ではなく「接続をお願いする」としました。富山県も昨年末の交渉では「事情の許す限りですが、下水道に接続していただければと思っている」と回答しました。
今回の国交省交渉で、地域の実情に応じて下水道管理者(市)が判断すれば、つながなくても下水道法に違反しないことが確認できたのです。
トイレのみの単独浄化槽を合併処理浄化槽への転換に補助金
「富山県知事が生活排水対策
重点地域に指定すれば可能」環境省
砂田市議 トイレのみの単独浄化槽を設置している家庭にとっては、生活の不便がほとんどないので、わざわざお金を掛けて合併処理浄化槽を設置しようとはなりにくいのです。しかし、それでは台所や風呂、洗濯排水などが河川を汚します。2016年度末現在単独浄化槽2251基(2012年度比380基減)、合併処理浄化槽1281基(同年度比318基増)です。かなり改善されてきましたが、単独浄化槽は浄化槽全体の64%(2012年度73%)を占めています。
そこで、単独浄化槽を撤去する費用として9万円の補助金を出して、少しでも合併処理浄化槽への切り替えを促進しようという国の制度があります。しかし、この補助制度を利用できるのは、小矢部市内では宮島や南谷の一部に限られています。市内のほとんどの地域が下水道整備区域になっていたためです。
この補助対象地域拡大のためには今回の政府交渉で、富山県知事が水質汚濁防止法にもとづく生活排水対策重点地域に指定すれば、可能になることが明らかとされました。
|
|
|