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「種子法廃止とこれからの日本農業」学習会in富山
TPP協定に沿って
国内法改悪する日本政府
「種子法廃止とこれからの日本農業について」と題する学習会が11月5日、山田正彦氏(元農林水産大臣・弁護士)を講師に招いて富山市で開かれました。主催は国民の食糧と健康を守る運動富山県連絡会(略称:富山県食健連)です。
学習会で明らかにされたのは、日本がTPP協定を批准したことに伴って国内法を次々と改悪していることです。主要作物種子法を廃止しました。今後水道法を改悪し上水道事業を民間へ売り渡すことや、市場法の廃止などが予定されています。TPP協定に伴う日米交換文書では「日本政府は米国投資家の要望を聞いて、・・・その提言に従う」とあり、この実行が迫られています。米国大企業の利益のために、農家の経営も、そして消費者にも食の安全や健康が犠牲にされます。
山田正彦氏は日本の種子(たね)をまもる会を作り、主要農産物種子法に代わる公共品種(都道府県が開発・育成する品種)を守る新しい法律を作ることを呼びかけています。
種子法廃止でどんな影響が?
農家にとって
巨大化学企業が種子を独占する
主要穀物の種子が民間(米国の巨大な化学企業、三井化学、住友化学など)に開放されると種籾の価格が5〜10倍になると言われています。インドでは種子の価格暴騰で経営が行き詰まり、200万人が自殺したとのことです。
農家は自家採種できず、毎年種籾を購入しなければなりません。しかも契約によって肥料・農薬とセットでの購入や、収穫したコメを他に出荷することはできません(つくばSDという住友化学がつくった品種の種で栽培契約した農家の例)。生産者が契約栽培して、目標数量を達成できない場合に賠償金を求められる例もあります。天候不順等の場合、生産者がそのことで減収したことを証明する責任が問われます。
かつて野菜の種子は国産100%だったが、今では90%が海外生産です。10年ほど前まではタキイなどの種子会社が作っていたが、今ではモンサントなどの海外の巨大化学企業が8割近くを抑えています。
日本のコメ農家がモンサントに
特許料支払いを求められる
農業競争力強化支援法第8条4項で、これまで日本が蓄積してきた種籾の研究・生産の知見を、この8月から民間へ提供することになっています。農水省はこの民間企業にモンサントも含まれていることを否定しなかったとのことです。
すでにメキシコの農家はトウモロコシ、フィリピンではコメの特許料をモンサントに払っています。
遺伝子組み換え米を作付けへ
日本でも既に住友化学がモンサントと共同開発して、遺伝子組み換えコメ品種「WARKY45」など70種が開発され、茨城県の隔離農場で栽培されています。法改訂で遺伝子組み換え作物の作付けが可能になる手はずが整っているのです。
消費者にとって
遺伝子組み換え食品の 表示義務がなくされる
現在は表示義務が課せられていますが、それは法律ではなく内閣府令であり、安倍政権の一存で撤廃できるものです。TPP協定では(第2章27条8項)「遺伝子組み換え農産物の貿易の中断を回避し、新規承認を促進すること」と定めており、証拠をあげて科学的に人の体や健康を害すると証明できなければ、輸入を禁止できない仕組みです。
国産表示、産地表示もできなくなる
牛肉、豚肉の国産表示や、野菜、果物などの産地表示ができなくなる可能性があります。
世界では自由貿易協定によって、これらの表示が貿易障壁だと訴えられ、損害賠償が求められています。韓国では学校給食の地産地消ができなくなりました。日本でも他人事ではありません。
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