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砂田喜昭 2017年7月2日更新  
6月議会 砂田市議の一般質問(2)
 中小企業で地域経済の振興を

 中小企業の地域経済に果たす役割は?

 
砂田市議 グローバル化で海外生産に移行しものづくり中小企業数の減少に伴うなかで、生き残った職場では多忙化が集中するとの現実がある。

 3月議会で「
小矢部市中小企業の振興および小規模企業の持続的発展の促進に関する基本条例」を制定したが、この具体化が非常に重要だ。中小企業の小矢部市経済に果たす役割についての認識を伺う。

 
企画政策部長 県内の中小企業従業者数は全従業者数の82%を占めている。市内企業の99%が中小企業であることから、本市における従業者数のほとんどが中小企業の従業者と推察することができる。中小企業は地域経済を推進する原動力であるとともに、市民の雇用を支える重要な役割を果たしている。若者の回帰が少しでも多くなるよう企業誘致をすすめ、また若者たちが勤めたくなるような地元企業の発展を支援していきたい。

  中小企業振興政策の具体化のために三つの提案

1 他産業、他企業との連携を
2  福祉分野 雇用の安定に処遇改善を
3  再生可能エネルギーの活用で


1 他産業、他企業との連携を


 砂田市議
 地域振興を推進する対象産業を、製造業や商業、サービス業に加え、農業や林業、福祉関係、建設業も対象にする必要がある。他産業との連携による新商品の開発や普及をめざし、他産業や企業とのマッチングを図る取り組みが行政に期待される。

 
企画政策部長 企業間のマッチングについて、市内では1536の事業所が立地し、多種多様な企業活動を展開している。近年では異業種交流に取り組む事業の例も見られ、養鶏業と精肉小売業を営む市内企業が国からの農商工連携事業の認定を受けて新商品の開発や販路の開拓に取り組んでいる。小矢部市企業協会では昨年度から小矢部型産業観光事業を立ち上げ、会員企業が連携し各製造現場の見学と市内観光をあわせた取り組みも始まった。行政としてはこのような企業活動を的確に把握し、しっかり支援して参りたい。

2  福祉分野 雇用の安定に処遇改善を
  その財源に所得税累進課税を


 
砂田市議 福祉関係では雇用が増えているが、雇用の安定には処遇改善が求められる。2015年3月現在、介護職場で働く人は常勤換算で834人。保育所関係では約200人で(公立保育所で正職員39人+所長10人、臨時保育士常勤換算66.9人で計115.9人、他に民間保育園で82人、あわせて197.9人)、一千人を超える人が働いている。ここで生きがいをもって働けるようにしていくことが地域経済の振興になることは疑いない。
 社会福祉関係は社会保障制度なので、社会保障関係予算を増やさせる ことが重要だ。財源を社会保険制度に頼ると、保険料は低所得者に負担が重く、高額所得者の負担は一定額に抑制される。所得の多い人ほど負担が累進的に重くなる所得税で社会保障の財源を確保し、福祉職場で働く人たちの処遇を改善することが求められる。

 
民生部長 介護人材の処遇改善について、今年度介護報酬の改定によって、キャリアアップの仕組みを構築し、月額平均一万円相当の処遇改善が実施された。国では平成24年度から介護職員処遇改善加算を段階的に引き上げることにより介護職員の雇用の安定、待遇の改善に努めているところである。

 
砂田市議 介護保険で対応するといっても、現実に処遇改善が進んでいない。保険で対応すると、保険料の値上げにつながる。国で処遇改善交付金として税金で実施したことがあったのだから、これを拡充させるという取り組みが必要ではないか。保育でも学童保育でも必要な保育士や指導員を確保するためにどうするのか、真剣に考えないといけない。福祉の職場で働く1千人を超える人々が生きがいをもって働けるようにすることが大事だ。

 
民生部長 介護職場については大変厳しく、なかなか人が集まらない、求人倍率が非常に高いという現実がある。給料が低いということも一つの要因だ。介護保険制度によって新たに処遇改善加算もある。これを保険でやるのか税でやるのか、また制度を活用する際に手続きが煩雑だという問題もある。制度改正、交付金の財源も含めて、処遇改善をはかるために、国、県、介護保険組合等ともどういう形が良いか、今後検討していきたい。

3 再生可能エネルギーの活用で
    新しい産業、雇用を


 
砂田市議 再生可能エネルギー活用基本条例による新しい産業、雇用の創出の可能性を探究することは地域経済の振興につながる。その立場から再生可能エネルギー活用基本条例制定の準備を進めるとともに、木質ペレット燃料の活用のためにペレットボイラーやストーブの公共施設への導入や民間への普及、地元産材の公共施設への活用と民間への普及することをはかるべきだ。

 先日、全国植樹祭に参加して、テントに鉄の骨組みではなく木材を骨組みとしたもの、圧縮した木をくさびに使って丈夫な骨組みを作る展示も見た。地域で育った国産材を活用することが林業の振興にもなる。こうした技術を公共施設や民間の建物に普及する取り組みも重要なテーマとなる。

 
民生部長 再生可能エネルギーの活用による新しい産業、雇用の創出に関しては、市のみならず、市民、事業者、研究機関などさまざまな方々と連携により推進していく必要がある。全国の先進事例等について情報の収集を行い、産業、雇用の創出の可能性や条例制定の是非を含め、総合的に検討していきたい。

 木質ペレット燃料の公共施設への活用については、今年度小矢部市地球温暖化対策事業計画を策定する予定であり、この計画の中で公共施設への再生可能エネルギー機器の導入について経済性や運用面などを考慮しながら検討したい。

 木質ペレット燃料の民間への普及については、平成28年度に創設したペレットストーブ設置推進事業補助金制度の活用により木質ペレット燃料の普及促進をはかる。

 統合こども園にはできるだけ
     県産材を活用したい


 民生部長 県産材の利用については、統合こども園の整備を推進しているが、統合こども園でできる限り暖かみのある施設として整備するために県産材の利用についてできる限り活用したい。

 
産業建設部長 林業分野での地場産業の育成、活性化という観点から、おやべの木活用推進事業補助金を実施している。平成29年度に、1件あたりの限度額を、これまで30万円だったものを50万円へ引き上げ、さらなる活用促進をはかっていきたい。

 また、公共施設への活用について、平成28年度に施行された富山県県産材利用促進条例において公共建築物等に県産材の利用に努めることが示されている。木造建築に対する整備助成制度の情報を積極的に提供して、利用促進に努めたい。

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