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砂田喜昭 2017年3月19日更新  
教師の多忙化解消を
毎日平均12時間も働いている

3月議会 砂田市議の一般質問

 砂田市議は教師の多忙化解消を求めて次の6項目の質問をしました。教師の勤務時間を聞いて、議員席から驚きの声が聞こえました。

質問する砂田市議、「フランスはどう少子化を克服したか」を紹介。
 @ 勤務時間の
     実態調査を


 
砂田市議 教師は、小学校では、7教科と外国語活動、道徳について毎日5、6時間分の学習内容の準備と、子どもがしたことへの評価が、基本的な毎日の仕事です。教師の仕事は、子どもの全人格形成に関わることです。
 外国では何もかも教師に請け負わせるような学校の仕組みや考え方はありません。「フランスはどう少子化を克服したか」(新潮新書)によると、教師の他に、給食も含む子どもの生活指導をする人、放課後の学童保育運営員がおり、それぞれが国家資格を持つ専門性を身につけ、チームワークで役割分担して取り組んでいます。そのうえ少人数教育が当たり前です。
 ところが日本では、教師に全てのことが負ぶさってきています。「みんな、いつ倒れてもおかしくない状態。実際順番に倒れています。」
 「どれだけ働いているのかわかって欲しい。毎日夜遅くまで働いているのだから、タイムカードでも作って実際の勤務状況をリアルに把握して欲しい」という悲鳴に近い声が聞こえます。
 各学校の入校最早時間、退校最遅時間はどうなっているか、お答えください。

             小学校        中学校
入校最早時間  午前5時15分    午前3時30分
退校最遅時間  午後11時40分  午前0時30分


 
野澤教育長 多忙化解消は教育委員会としても最重要課題として受けとめています。今年度、小学校では午前5時15分入校(PTAの親子清掃準備のため)、退出午後11時40分(学期末の成績等の事務処理)、中学校では午前3時30分(部活動の県外大会参加のためにバス時刻がその時間になった)、退出午前0時30分(学期末の成績等の事務処理)。これらは特異なケースです。しかし年間を通じて教職員の平均的な出勤時刻は午前7時45分、学校退出時刻は午後7時30分頃。児童数が多い石動小学校では退出時刻がさらに遅い傾向が見られます。
 この実態をふまえ、市教育委員会の重点施策において多忙解消を重点課題として新たな位置づけを行いました。通知表や指導要録の作成等を軽減するために平成30年度の本格稼働をめざして統合型校務支援システムの導入準備に取り組む、校長会とともに中学校における部活動休養日の拡大についてあり方の検討を進めます。
 今後、勤務時間の定期的な実態把握が必要だと考えており、どのような項目について調べていくのか、どのような方法でやるのかについては早急にとりまとめ、できれば29年度から始めていきたいと考えています。

砂田市議 私は「しんぶん赤旗」の早朝配達をしていますが、5時頃学校の近くを通るともう職員室に灯りがついています。なぜかと聞くと、その日の授業の準備をしているのだということです。決して特異な例ではないのです。

A 30人学級の実現を

 
野澤教育長 以前と違って学習内容も変化しており、少人数学級推進は非常に重要です。全国都市教育長会議でも文科省に対して重点要望事項の中に入れて要望しています。現段階ではまず35人学級を全学年で実現することが必要です。

B 出産・育児、病気、内地留学などで
学級担任が欠員になった場合、きちんと補充されているか


 
野澤教育長 事前に調査して県教育委員会に臨任講師の派遣を要請しています。しかし、緊急の病気の発生、適任者がすぐに見つからない場合など講師の確保が難しく配置が遅れるときもあります。市としては学校運営に支障が出ないよう、臨任講師の迅速な派遣を県教育委員会へ要望していきます。

C 市や県が主催するイベント、企画、募集で
学校の担任に負担をかけないこと


 
野澤教育長 いろんなイベントなどの整理も重要な課題です。
 昨年28年度の夏休み期間中の作品募集の状況調査をしたところ小学校では36件、中学校では30件の募集がありました。この件数はかなり多いと考えます。作品募集の精選、依頼ルートの整理ができないか昨年より検討を重ねています。先月には県内各市の実態把握のためのアンケートを依頼しました。現在その返答をとりまとめ中です。その結果をもとに今後校長会との協議を行い、適切なルールづくりをすすめ、教員の負担軽減につなげたいと考えています。

D 研究授業を最小限に

 
砂田市議 学校で、公開の研究授業や研究紀要作成を意欲的に企画されています。研究授業をするには、自習にして授業を見に行くことになります。担任にも子どもにも迷惑な研修は、最小限にすべきです。

 
野澤教育長 研究授業を通じて教員の指導力向上に取り組んでいます。これは教員自身のスキルアップはもとより、子どもたちの学力向上のための授業の改善、あるいは適切な学級運営に直接つながる重要なものと考えています。なお、研修テーマの精選や、状況によっては時間数をもう少し効率的に短縮できないかも含めて検討していきたいと考えます。

  
現場からの声 

 教師にとって,研修は義務であり権利です。教師としての力量を付けたいと思わない教員はいません。しかし、自発的な研修をする環境が乏しく、逆に押し付けの研修に苦しめられています。指導案や研修のまとめも何度も書き直させられ、それを市教委や教育事務所に配っています。論文を書くのを強制したり,賞を付けて優劣を決めたりというのが実態で,まずこれを改めるべきてす。

E 地域対応の窓口を


 砂田市議
 地域との連携は必要ですが、一番大変なのは、保護者対応で、子どもへの指導法、友達とのトラブル、親同士の人間関係など毎日のように苦情が来ます。こうした問題を受け止め対応するシステムをつくる必要があると考えます。

  
野澤教育長 担任がこれらの相談の窓口になるため、負担が多くなっています。担任には一人で抱え込まず、ケースによっては教頭やカウンセラーなどが相談の場に同席し、あるいは解決のための会議を他の教員をまじえて行うことなどによって負担軽減をはかっています。
 また29年度は教育委員会の重点課題の一つとして「親学び」を新たに掲げています。このような取り組みを通じて家庭の教育力の向上、子どもの望ましい生活習慣の定着などをはかりつつ、学校と家庭、地域との良い関係の形成に努め、教員の負担軽減につなげていきたいと考えます。

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