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砂田喜昭 2017年3月17日更新  
3月議会提出議案

 3月定例小矢部市議会は3月3日から23日までです。2017年度小矢部市各会計予算の議会への説明が2月27日に行われ、28日にはその他の提出議案について説明されました。今週号ではその主な提出議案について紹介します。

 2016年度一般会計補正予算(第5号)では、サイクリングターミナルや稲葉山山頂休憩所、クロスランドおやべふれあいハウスの改修などを計上し、市民体育館耐震補強工事とともに2017年度へ繰り越して事業を進めることとしました。
 小矢部市の市債残高は2014年度末に比べ増え続けています。14年度末には108億円だったものが、15年度末には141億円に、16年度末には今度の補正予算で151億円になると見込んでいます。

条例の制定
☆ 小矢部市中小企業の振興及び小規模企業の持続的発展の促進に関する基本条例
☆ 小矢部市鳥獣被害対策実施隊設置条例
☆ 小矢部市農業委員会の委員等に関する条例
条例の一部改正
☆ 市職員の勤務時間、休暇等に関する条例の一部改正
☆ 市職員の育児休業等に関する条例の一部改正
☆ 市税条例等の一部改正
(法人市民税、軽自動車税)
☆ 国民健康保険税条例の一部改正(課税限度額引き上げ)
☆ 市営バスの設置及び管理に関する条例の一部改正(75歳以上の無料化)
☆ 小矢部市運動公園体育施設条例の一部改正(使用料の値上げ)

 
3月議会初日の3日に開かれた全員協議会で提出議案に関する質疑が行われました。砂田市議が取り上げた3議案について紹介します。

 
(1)小矢部市中小企業の振興および
 小規模企業の持続的発展の促進に関する基本条例


 平成26年経済センサスによると市内中小企業は約300事業所、小規模企業は約1200あり、全事業所に占める割合は中小企業約20%、小規模企業約79%で、約1万4千人が働いています。地域社会の構成員として市民生活の向上にも大きな役割を担っています。
 この条例は中小企業の振興のために市の責務、中小企業者や関係団体、地域金融機関の役割、大企業者の役割などを定めています。

市内企業の意向調査を

 市は中小企業の振興等に関する指針を定めることになっています。砂田市議は市内事業者の意見、要望を把握するために企業に出かけて聞き取り調査をすべきではないかとただしました。市は「関係団体からすみやかに意見をとりまとめていきたい。第7次総合計画(2019年度〜)をつくるためにアンケートも行うのでその中で各企業の意見も把握したい」と答えました。

 
 大企業との
 取引条件も調査を


 また砂田市議はそのアンケート活動では、大企業などとの間で下請単価や取引条件などで困っていることはないかを、把握することも大事だと強調しました。条例第8条では大企業の役割について、「地域社会の構成員としての社会的役割を自覚し、中小企業者及び小規模企業者との連携及び協力に努める」、「市内中小企業者などが供給する製品及びサービスの活用に努める」と定めています。市がこの条項に基づき大企業との取引の現状を把握し、問題があれば関係機関とも協力して解決策を探る必要があります。

(2)小矢部市鳥獣被害対策実施隊設置条例

 鳥獣による農林業等にかかる被害を防止するために実施隊を設置します。実施隊員は市農政関係職員6名と猟銃免許を持った民間人若干名で構成します。
 砂田市議は捕獲後の処理の地元負担軽減を求めました。イノシシは年間360頭くらい捕獲されるようになりましたが、穴を掘って埋めているのが大半で、その負担がたいへんだとの声が寄せられています。

(3)2016年度一般会計補正予算第5号

a)サイクリング
 ターミナルの改修


 サイクリングターミナルに浴室を移設増築し、これまでの浴室を改修して4つの個室にします。1階正面突き当たりにあるラウンジをカフェに模様替えします。9440万円の予算を計上し、新年度に繰り越して工事をします。

  ボイラーに
再生可能エネルギーは?


 砂田市議は「浴室を移設すると、ボイラーも更新するのではないか。市はこれまでたびたび、ボイラーの更新時にペレットボイ ラーへの切り替えを検討すると答えていたが、どうするのか」とただしました。市は「エコキュート(注)にする」と答えました。

 (注)エコキュートとは 外部から取り込んだ空気を深夜電力によるヒートポンプで圧縮して出る高温の熱でお湯を沸かします。沸かしたお湯を大きな魔法瓶のようなタンクにためます。これによればかなり効率的に熱量に変換できますが、しかし、これに使う電力を北陸電力から購入すればとても再生可能エネルギーとは言えません。
 2015年度の販売電力量のエネルギー源の構成は、石炭火力64%、石油火力7%で73%も占め、太陽光などの新エネルギーはわずか3%で、水力発電は26%です。

b)クロスランドおやべ
     ふれあいハウス、
 稲葉山山頂休憩所に
 カフェ


 クロスランドおやべふれあいハウスを改修し飲食、カフェができるようにします。子どもたちの遊戯スペースも設け、トイレも改修します。4400万円で、これも新年度に繰り越して工事します。
 稲葉山山頂休憩所を増築・改修し、カフェレストランとして使えるようにします。トイレも改修します。3240万円で、これも新年度に工事をします。
 これら3施設の改修財源の約半分は国からの地方創生拠点整備交付金をあて、残りは市の借金などです。

c)道路・消雪・橋梁の
  整備に遅れ


国からの社会資本
整備交付金の削減で


 2016年度予算で予定していた道路新設改良や道路消雪装置の更新、橋梁の耐震補強工事など2億3483万円分ができな くなりました。
 当てにしていた国からの社会資本整備交付金が1億3331万7千円も削減され、当初予定の3分の2になったからです。消雪装置については3分の1に減らされました。昨年度(2015年度)でも同じような事態が起きていました。

「軍事費を削って暮らし支える財源確保を国に働きかけよ」

 砂田市議は「国からの社会資本整備交付金の削減が大きすぎる。国に改善を求めるべきだ。安倍自公政権は、アメリカのトランプ大統領のご機嫌取りで海外侵略のための武器をアメリカの言い値で購入し、軍事費を増やし続けている。こんなことをやめて市民の暮らしの安全を守る予算を確保すべきだ」と主張しました。
 市は「富山県全体でも同様に削減されているので、県や各市町村 と共同して国に申し入れていく」と答えました。

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