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砂田喜昭 2016年11月22日更新  
島根県江津市視察
 
中心市街地活性化とホテル誘致 
             市議会議員 砂田喜昭

 市議会駅周辺整備特別委員会は11月7、8日、島根県江津市(ごうつし)で中心市街地活性化基本計画とホテル誘致について視察してきました。
 江津市は人口2万4778人で小矢部市の3万1千人とさほど変わりませんが、面積は268平方qで小矢部市(134平方q)のちょうど2倍の広さの市です。


再生可能エネルギーで
  全世帯の5倍以上の電力をまかなう


 江津市議会議長が歓迎の挨拶をされました。ここは日本海側ですが、気候が比較的温暖で雪もほとんど降らないと聞いて意外でした。
 冒頭の挨拶で再生可能エネルギーに力を入れており、20基の風力発電、水力発電、バイオガス発電等によって全世帯の電力使用量の5倍以上をまかなっていると紹介されました。
 今回の視察目的に入っていなかったのですが、ぜひそうしたところも視察したいと思った次第です。

中心市街地 空洞化対策で駅周辺整備

 全国どこでも中心市街地の空洞化がすすみ、その対策に自治体は巨費を投じていますが、思うように改善できていません。江津市では昭和50年代(1970年代後半)、郊外に大型店ができて、駅前にあった大型ショッピングセンターが閉鎖し、かつての賑わいを失ってきたそうです。中心市街地の人口が平成17年(2005年)の1600人から平成26年(2014年)1340人に減少(▼18・8%)し、中心市街地の年間商品販売額も平成9年(1997年)の93億3千4百万円から平成24年(2012年)の54億9百万円に激減(▼42・1%)しました。

 江津市では中心市街地活性化基本計画で49億円をかけて各種事業に取り組み、中心市街地の居住人口を平成31年度(2019年度)には1498人にする目標を立てていました。このために県営住宅、市営住宅を移設新築する計画です。公共公益複合施設は完成していましたが、そこには社会福祉協議会や市民団体が使う無料の会議室等があり、屋根付きイベント広場なども整備されていました。当初は商業施設の誘致を考えていたそうですが、応じるところはなかったそうです。

 県道あけぼの通りの拡幅整備・電柱の地中化も行われている最中で、道路拡幅は公共公益複合施設に面した側の住宅店舗を買収して拡張していました。しかし、そこにあった店の多くは移転新築ではなく「もう年だから」と閉店してしまったそうです。


「コンパクトシティはなぜ失敗するのか」

 たまたま目にしたヤフーニュース「コンパクトシティはなぜ失敗するのか」に富山市がでていて、読んでみた。庄司里紗氏(明治大学客員研究員)の記事だ。「戦後の人口増加と成長のもと、居住地域はいたるところに広がった。だが、人口が減少する昨今、都市機能や居住地域をコンパクトにまとめる行政効率の良いまちづくり『コンパクトシティ』政策(中心市街地活性化基本計画に国が交付金や税の特例を適用する)が各地で進められている。多くの自治体で巨費を投じられているものの、その効果には賛否両論がつきまとう。なぜ明確な『成功』の声は聞こえてこないのか。(中略)今年7月、総務省が行った『地域活性化に関する行政評価』で、『中心市街地活性化基本計画』は評価対象とした44計画のうち目標を達成できた計画が『ゼロ』と判明した」。

「地域の豊かさを向上させる施策を」

 ここで庄司氏は、地方都市の問題に詳しい日本総合研究所の藤波匠上席主任研究員の次の提言を紹介していたが、なるほどと納得しました。
 「藤波氏は、今後はすでにある社会資本の有効利用によって『住民が付加価値の高い仕事に就ける仕組み作りをするのが最優先』と提言する。(中略)地域に住む1人あたりの経済的な豊かさを実現すれば、たとえ人口が減って行政サービスが行き届かなくなっても、地域でお金を出し合ってコミュニティバスなどインフラを維持することもできる。物理的に街をコンパクトにできない以上、地域の豊かさを向上させる施策にももっと目を向けるべきです」


 
地場産 石州赤瓦の利用に補助

 江津市は石州瓦の産地で、公共複合施設の屋根に赤い瓦が使われていました。石州赤瓦の利用促進事業にも取り組んでいるそうで、駅前地区ゾーンにおいて、屋根の実面積が30u以上となる建築物の新築、増築、大規模修繕(屋根替え)等をされる建築物の所有者に石州瓦の資材費の一部を補助しているそうです。

スーパーホテル誘致
  ビジネス客を見込めるかどうかがカナメ


 江津市は駅前地区に、大阪のスーパーホテルのフランチャイズ方式で運営するホテルを誘致しました。
 土地と建物は江津市内の法人個人が出資した株式会社・江津未来開発のもので、客室は71室、平均稼働率が89・3%でした。市は1・5億円を無利子融資しましたが、出資も補助金も一切出していません。

 ホテルの客はビジネス客が9割で、観光客を当てにしたホテル経営は無理とのことでした。ビジネス客は近くにある日本製紙や道路整備工事関係者の長期滞在が中心です。他に近くの工業団地22社でのプラント建設など200億円の投資がありその作業員や、車で15分のところにある浜田市には中国電力の三隅火力発電所もあり、そのメンテナンスが3年に1回あり3万人の作業員が働くそうです。

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