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砂田喜昭 2016年10月15日更新  
介護保険の改悪を許すな
9月議会砂田市議の一般質問(3)
  安倍晋三政権
要介護1・2から介護サービスの取り上げを狙う


 砂田市議
 安倍晋三政権は参院選が終わった途端、介護保険の改悪に着手した。要介護1・2の訪問介護における生活援助(調理・掃除・洗濯)や福祉用具(車いすや介護用ベッド)貸与の打ち切り、デイサービスを自治体の地域支援事業へ移管などだ。
 高い保険料を強制的に徴収されているのに、保険給付を取り上げるのは、「国による詐欺」でないか。この該当者の割合はどれだけか。

「もしかすると全額自己負担かも」 民生部長

 民生部長
 厚生労働省は2018年の制度改正に向けて見直す方針を明らかにしている。それによれば、もしかすると全額自己負担となる可能性も示唆されている。平成28年8月現在、小矢部市で給付を受けておられる方のうち、要介護1・2で訪問サービス、住宅改修や福祉用具のレンタルを受けている方は約10%であり、少なからず影響がある。

「要介護度で一律に判断しないよう国に要望する」民生部長

 砂田市議
 厚生労働省がこのような生活援助切り捨ての論拠にしたのが、三菱UFJリサーチ&コンサルティングに委託した「介護人材の類型化・機能分化に関する調査研究事業報告書」(3月)だ。
 このアンケートによると、生活援助の掃除や調理、洗濯などについて「介護に関する知識技術をそれほど有しないものでもできる」などの回答が8割を超えたことから、保険給付から外して家事代行会社やボランティアに委ねようとしている。
 しかし、この調査では一方で、こうした生活援助を通じて高齢者の状態を把握し、よりよい介護ケアの提案や介護計画の作成、家族への報告と相談などは8割が専門家でないとできないと回答している。
 日本ホームヘルパー協会も、生活援助について、「専門性の高いサービスこそ生活の再生、状態の維持・改善、悪化の防止につながる」として給付削減に反対している。
 小矢部市としても、このような給付切り捨てを許さないとの意見表明を求めたい。

 
民生部長 要介護1・2の認定者には認知症の方も多く、身体的介護の必要性は低く、一方で訪問介護・生活援助サービスのニーズは大きい。年金のみで暮らしている高齢者は利用を控えたり、生活の質が下がり症状の悪化にもつながる。住み慣れた自宅で暮らせなくなる人も出てくる。国が検討している内容は、良くない。
 要介護度で一律に判断するのではなく、それぞれの事情に応じた対応が必要だ。機会を捉えて要介護度で一律に判断することのないよう国に要望していきたい。


要介護1,2の生活援助を
 市が肩代わりできるのか


 砂田市議
 かつて介護保険が導入されたとき、小矢部市はそれまで実施していたホームヘルパーの無料制度や介護人手当を独自に存続させたことがあった。介護保険料を納めるのにサービス低下では、市民の理解をえられないからと、市独自で存続させた経緯がある。
 要介護1・2のサービスを介護保険から外された場合、それを小矢部市が肩代わりできるのか。利用者には1割負担のままで、利用サービス回数も事業所も同じ条件で、独自にサービスを提供するには、どれだけの財源が必要となるか。

 
民生部長 要介護1・2の訪問サービス給付額は6月分で370万円余、住宅改修・福祉用具のレンタルで265万円余、あわせて1ヵ月で約640万円である。これが1年間になると相当な額になる。

 
砂田市議 介護保険給付費には国、介護保健組合、市からのお金が入っている。これを全額市で負担するのはたいへんだ。だから、介護度によって差別をして給付水準が下がるのは良くない。良くないことはさせない取り組みがますます重要だ。

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