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砂田喜昭 2015年11月15日更新  
新図書館を石動駅に合築
市議会特別委が了承


 市議会駅周辺整備特別委員会は11月9日、新図書館を石動駅に合築することを了承しました。加えて今後の市政運営等について委員会としての要望をとりまとめ、市に申し入れることにしました。
  これを受けて桜井市長は新図書館の実施設計に取りかかることを表明しました。


13年12月 議会
総合計画で 「合築案」を提示


 市は一昨年(2013年)12月議会最終日に、新図書館を石動駅に合築する計画を、概略図面とあわせて提示しました (第6次総合計画後期実施計画=2014年度より5カ年計画) 。
 それによれば、石動駅南北自由通路や駐車場整備などに22億7100万円、新図書館建設に7億7000万円、総合会館統廃合に7億円で合計37億4100万円の計画でした。

14年12月 特別委員会
4条件を付ける


 昨年(2014年)12月19日に開かれた駅周辺整備特別委員会は市が国に交付金を受けるための計画を申請することを認めましたが、その際、4つの条件を付けました。

 委員の中には、さまざまな意見があり、全員一致した結論は出せないが、「計画を申請すること」は認めるものとする。ただし
 今後、財政状況が悪化した場合には、変更すべきこと。
 今後の並行在来線の利用状況によっては、変更もありうること。
 民間活力の活用も含め、石動駅周辺整備の全体像を早急に示すこと。
 事業執行にあたっては、議会との連絡を密にすること。


 ここで言う「委員の中にはさまざまな意見があり」とは、例えば石動駅に手を加えず別の場所に図書館をつくるなどの意見のことです。また「計画を申請することは認める」とは、国の交付金をもらうために5か年で @ 駅南から並行在来線に乗ることができる南北自由通路、A 駅周辺へ図書館を移設、B 石動コミュニティセンター、青少年ホームを廃止し、総合会館へ集約・統合したうえで改築するとの計画を申請することを認めるということです。

15年3月 議会
新図書館の基本設計予算を全会一致議決


 今年(2015年)3月議会では石動駅周辺整備の予算を全会一致で議決しましたが、それには新図書館を石動駅と合築する基本設計に1100万円も含めてありました(注)。

 
(注)新図書館整備基本設計業務委託 1100万円。
 予算審議のための新規事業説明資料に「小矢部市民図書館整備計画検討委員会から提出のあった報告書の内容をふまえ、基本設計を行う。」と明記。なお、この報告書(2014年10月15日)では「石動駅との合築」が最適と報告しました。


15年8月 特別委員会
基本設計案に 議会も注文


 市は8月18日、駅周辺整備特別委員会に対して石動駅と合築する新図書館の基本設計案を示しました。これに対する議会からの注文に応じ、10月22日には再度修正提案がされました。

 議会の注文とは、
@ 南北自由通路を含む駅周辺整備の担当課と新図書館の担当課がバラバラに対応している問題の改善、A 駅前広場が狭くなる問題の改善、B 図書館利用者の駐車場の改善、C 駅と図書館の床の高さが違うことから利用者が行き来できない問題の改善、D 駅部分と図書館部分の外観の統一などです。

15年11月 特別委員会
粘り強い議論を経て 了承


 一方、9月議会には補正予算で新図書館建設実施設計業務委託3900万円が提出され、全会一致で議決されました。これは議会が市長に、新図書館についても石動駅との合築で、基本設計にもとづく実施設計を始めるよう議決したことを意味します。

 しかしその後も駅周辺整備特別委員会では合築ではなく駅周辺に図書館をつくる方が良いとの意見が根強く、市は実施設計の着手を見合わせていました。

 11月9日に開かれた特別委員会では @ 議会が予算を全員の賛成で議決したことをふまえ、A 基本設計に対する議会の意見に市が真剣に受け止める努力がされたことを評価し、B 今後も議会からの要望にこたえるよう申し入れることで、委員会として石動駅との合築を了承することとなりました。

砂田市議の対応

 一、石動駅に図書館を併設し、南北自由通路で駅南とのアクセスを可能とする計画は了承する。その理由は @ 図書館が狭く、蔵書を増やせない現状の解決、A 総合会館の耐震対策の必要性、B 石動駅南からアクセスできるようにとの市民の要望がある。

 一、市の財政に大きな負担となったのはアウトレット誘致に市民の税金を40億円も使うという異常な対応に根本的原因があるが、市財政には国の交付金と合わせれば総合計画実施の見通しがもてる。今後三井不動産がその社会的責任を果たすようしっかりと監視する。

 一、アベノミクスの失政で、金利が大幅に上昇するという異常事態が発生する懸念もあり、そのような事態が生じたら計画の中止、延期も含めて見直すべきである。

 一、石動コミュニティセンター、青少年ホームの総合会館への統廃合・改築は、市民・利用者の意見をふまえるとともに、財政の見通しを見極めて時間をかける場合もありうる。

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