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砂田喜昭 2015年10月11日更新  
TPPからの撤退を
請願に賛成討論

 9月議会最終日25日、砂田市議はTPPに関する請願に次のように述べて賛成討論をしました。自民党、保守系議員らの反対で請願は不採択となりました。請願が付託されていた議会運営委員会を傍聴した方の感想も紹介します。

 環太平洋連携協定(TPP)交渉をめぐり、9月30日─10月1日にアメリカ・アトランタで閣僚会合を開催するとアメリカ政府が発表した。漂流する可能性がいわれているTPP交渉だが、オバマ政権は執念深く、アメリカの政治的圧力でいくつかの国が譲歩すれば、TPP交渉は危険な方向で動く可能性をはらんでいる。日本の安倍政権も国会決議を無視してアメリカに追随しており、決して軽視できない。
 小矢部市議会としてTPP交渉からの撤退を求める意見書を採択することは、いまこそきわめて重要だ。

自動車の関税ゼロは先送り

 アメリカが日本の自動車部品にかけている2・5%の関税廃止は事実上先送りし、撤廃は20年〜30年後か?といわれている。自動車の関税ゼロは日本にとってほとんど唯一と言っていいくらいのメリットだが、ここに来て日本車がTPP域内の部品でつくられているかどうかが、大問題となった。メキシコなどはTPP加盟国域内での部品調達率を北米自由貿易協定、NAFTAと同じ62・5%と主張した。日本はタイなどアジアから多く部品を調達しているので、域内調達率は4割ちょっとだ。
 この基準によっては、日本車は日本産と主張できなくなり、TPP関税の適用が受けられなくなる恐れがある。そうなれば、TPPの利益は4500億円から2100億円へと半減以上の激減となると鈴木宣弘東大教授は指摘している。

TPPの本性 多国籍巨大企業の利益のため
  各国で反対運動が広がる


 TPPは秘密で交渉されており、国益を大きく損なうものだ。この請願が指摘しているように、これらの内容について国会と国民に情報を開示させることが重要だ。
 TPPの本性は、アメリカや日本などの多国籍巨大企業が最大限の利益を得るために、各国の主権や食の安全、環境保全、地域産業などを犠牲にしようとするものだ。TPP交渉が漂流しそうになっているのは、多くの人々がこの危険性に気付き、各国で反対運動が広がっているからに他ならない。
 TPP参加各国は、自国の主権、国民の暮らしと権利、国益をまもる立場に立っているのに、安倍政権は国会決議も、国民の暮らしも、主権も譲ってどんどん譲歩に譲歩を重ねている。こうしたことを絶対に許すわけにはいかない。

議会運営委員会 傍聴記
多くの市民に関係するTPPに関して「問答無用」と却下


 TPP交渉に関する請願が議院運営委員会(議運)に付託されたと聞いて、9月25日、初めて議運を傍聴した。農民連がTPP関係の請願を出すのはもう5回前後になると思うが、ずっと産業建設常任委員会(産建)に付託されており、議運に付託されるのは初めてであるので、どんな話が聞けるのだろうかと興味があった。
 2つ目の議題が我々の提出した「TPP交渉に関する請願」で、我々としては、7月末のハワイでの閣僚交渉が決裂に近い終わり方をした情勢を受けて、TPP交渉から直ちに撤退するよう、国に意見書を挙げていただきたかった。

一言の発言もなく「不採択」

 ところが、議運の審議では、一言の発言もなく、採決により5人の委員が一致して、「不採択」に手を挙げ、瞬く間に次の事案に移って行った。従来の産建での審議では、請願趣旨を読み上げたり、聞き取りにくい声ではあっても委員の見解が表明されて後の「不採択」であった。議運というのは裏で協議が行われて、表では表決だけが行われる習慣になっているのかと思った。
 しかし次の議題に移ると、そうではないことが分かった。小矢部市議会の会議規則に、議員の出産による欠席届けの条項を加える改正案であったが、これについて、いつから施行するのか、との質疑があった。自分たち、議員16人にかかわることについては、細部にわたって審議されることが分かった。
 しかし、その何百倍もの市民に関係するTPPに関しては文字通り「問答無用」で却下されたということである。
議院運営委員会に属する議員諸氏はどなたから給与を受けておられるのであろうか。(k)

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