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砂田喜昭 2015年4月19日更新  
TPPからの撤退を
 3月議会に
農民連が請願

 TPP(環太平洋経済連携協定)と小矢部市農業の行く末が3月議会で議論になりました。
 農民運動富山県連合会(農民連)小矢部班(代表・辻慶輝氏)が「TPPからの撤退」「安倍政権による農協つぶし反対」「米価暴落対策」を求める請願を提出し、砂田市議も予算特別委員会で取り上げました。

小矢部市農業に深刻な打撃

 小矢部市のコメと鶏卵、畜産物の生産高は61億円にのぼります(図参照)。

 TPPで関税が撤廃され海外から安い農産物が輸入されれば、小矢部市の基幹産業である農業は深刻な打撃を受けることは明らかです。
 「農業は過保護」どころか、日本はアメリカやヨーロッパに比べてもコメなど主要5品目以外の関税をほとんどなくして農産物輸入自由化を推し進め、価格保障や所得保障もなおざりにしてきた歴代自民党政権が農業破壊の元凶です。

・・・食の安全と消費者の健康が危険に・・・
    
成長ホルモン入り牛肉
 関税を下げ、米国産やオーストラリア産牛肉の輸入が増えると、発がん性が指摘されている成長ホルモン入り牛肉の輸入がさらに増える恐れがあります。ヨーロッパ(EU)は成長ホルモン入り牛肉の輸入を拒否しています。
 牛や豚の飼料に混ぜると家畜の体重や赤身肉割合が増える成長促進剤・動物用医薬品ラクトパミンがアメリカ・カナダ・メキシコ・オーストラリアなどで使われています。
 上海でラクトパミンを摂取した豚肉を食べた300人余りに中毒症状が出た事例があります(2011年)。EU、中国、ロシアでは使用禁止、輸入に厳しい規制を課しています。
 日本では国内での使用こそ認めていませんが、輸入肉については残留基準を設定しているだけです。

   
遺伝子組み換え食品
 遺伝子組み換え食品ではフランスでラットに与えたら、3週間では異変は起きなかったが、ラットの一生にあたる2年間では痛々しいがんの発生が確認されました。
 人間は遺伝子組み換え食品を食べたのは10数年であり、80年という一生食べ続けたらどうなるかはまだ実験段階です。
 中国とロシアは遺伝子組み換え作物の栽培・輸入を禁止しました。ところが日本はTPPで遺伝子組み換え食品の表示が禁止されようとしています。

国会決議に反するTPP交渉

 TPPについての国会決議には次の項目が含まれています。
 「米、麦、牛肉・豚肉、乳製品、甘味資源作物などの農林水産物の重要品目について、引き続き再生産可能となるよう除外又は再協議の対象とすること。十年を超える期間をかけた段階的な関税撤廃も含め認めないこと。」
 「農林水産分野の重要五品目などの聖域の確保を最優先し、それが確保できないと判断した場合は、脱退も辞さないものとすること。」
安倍政権は次々とアメリカに譲歩を重ねています。国会決議に照らせば、TPP交渉からの脱退しかありません。

安倍政権による農協つぶしの狙い

 TPP反対運動の中心を担ってきた全国農業協同組合中央会(全中)に対する安倍政権の攻撃も理不尽です。最大のねらいは、信用事業で90兆円、共済事業297兆円にも及ぶ資産にアメリカと日本の大銀行や保険会社が参入することにあります。これは小泉内閣が強行した「郵政民営化」と同様です。
 また全国農業協同組合連合会(全農)の株式会社化を狙っています。鈴木宜弘東大教授によれば、全農がアメリカのニューオーリンズに、全農グレインという世界最大の穀物船積施設を持っており、そこで遺伝子組み換え作物の分別管理をしています。
 遺伝子組み換え食品を売り込みたい米国にとって邪魔になるので全農の丸ごとを買収しようというシナリオがあるとのことです(雑誌「前衛」5月号、P88。週刊朝日3月20日号)。

請願に賛成
砂田市議のみ


 市議会では「TPPからの撤退」「安倍政権による農協つぶし反対」「米価暴落対策」の請願に賛成したのは砂田市議だけでした。他の議員はなぜ反対したのでしょうか。
 これ以上農業破壊を許してよいのでしょうか。食の安全と消費者の健康をだれが守るのでしょうか。選挙で選ばれた議員であるからには市民に対する責任が問われます。

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