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戦争する国なんて、まっぴらごめん
八法亭みややっこの憲法噺
新婦人富山県本部主催
「戦争する国なんて、まっぴらごめん」と21日、新婦人富山県本部主催で弁護士の飯田美弥子さんの講演会がありました。学生時代落語をしていた飯田先生は、落語を話すように憲法の話を「八法亭みややっこの憲法噺」と題して話されました。
椅子席も出るほど会場いっぱいの人で、小矢部からも参加者がありました。
憲法とはなにか、いまそれが憲法でなくされようとしている現状をわかりやすく話してくださいました。
憲法とは
国民が国を監視=自由や民主主義を保障
フランス・アメリカ・ドイツなどの市民革命によって、三権分立により権力を分立させ、国民が国を監視して自由や民主主義を保障するものが憲法という立憲主義の考え方がつくられた。その下にある法律とは考え方が全く違う。
日本は日本国憲法で初めてこの立憲主義を確立した。
13条「すべて国民は、個人として尊重される」「・・幸福追求に対する国民の権利については・・・国政の上で、最大限尊重される」と個人の尊厳原理を謳い、その上に、太平洋戦争の反省に立ち平和主義を採用した世界に先駆的な憲法である。
明治憲法下では男女の平等も教育の自由も信教の自由も言論の自由も普通選挙権もなく、無謀な戦争に国民が歯止めをかけることができなかった。
自民党改憲草案
国のために国民がある=人権の剥奪に
先進国では当たり前の立憲主義を、自民党改憲草案はこれを否定している。
国のために国民があり、現憲法の99条の「天皇・摂政・公務員の憲法尊重義務」を自民党案102条では「すべて国民はこの憲法を尊重しなければならない」といっている。
「公益及び公の秩序」という言葉がいくつもでてくるがこれをだれが決めるのか示さず、人権の剥奪に利用されかねない。
軍事裁判所も
秘密保護法で現実に
「国防軍の機密に関する罪」「国防軍に審判所を置く」「緊急事態が発せられた場合には、何人も・・・国その他公の機関の指示に従わなくてはならない」といい、秘密保護法で実際になりつつある。国会前で戦争反対・原発反対と自己表現している大勢の市民をテロといい(石破さん)、ナチスの手口を学んだらどうか(麻生さん)という感覚が今の政権中枢だ。
戦争はしないと世界に発して信頼を得てきたことをやめ、「安全保障」「自衛権の発動」として 平和主義を放棄することを積極的平和主義という。
改憲阻止へ
「私が国の主人公との
自覚を持とう」
国家による最大の人権侵害である戦争を許すわけにはいかない。
権力は強いように見えるかもしれないが、市民運動が勝っていたからこそ手を変え品を変えて、改憲しようとしているにすぎない。
96条「改正」論議は、あまりにもひどいやり方のため、改憲論者の慶応大学教授小林節先生でさえ許せないと反対の立場をとられた。小林先生から「人は変わるものと」メールをいただいたという。改憲が実際に進まないから解釈改憲に突っ走っている。
改憲を阻止するためには@裁判所を動かす運動が不可欠A教育制度を監視することが大切。なにより「私が国の主人公だという自覚を持とう」と訴えられた。
参加者の感想
▼ 「憲法とは」、「立憲主義」、「平和主義」など、「難しいことをやさしく、面白く」伺いました。 「日本国憲法の核心は13条にある」との説もそれなりに納得しました。「靖国神社に坂本竜馬(倒幕派)は祀ってあるが西郷隆盛(明治政府に反抗)は祀ってない」という事実もこの神社の特質表すものとしてとして興味深く聞きました。みややっこさんの「落語家」としてのますますの進化に期待します。(T)
▼ 固い話を面白く、威勢よく、歯切れよく話すので最後まで引き寄せられ、「憲法がこんなに身近に暮らしに生きているんだ」ということが、実感できました。今、日本国憲法に「男女平等」を書いた、ベアテ・シロタ・ゴードンさんの本「1945年のクリスマス」を読んでいたので、それと関連することもあり、もっと憲法をよく知りたい、戦前に後戻りするような改憲を許してはならないと、今、憲法にはまっています。 (O)
▼ 話を聞きながら伊藤千尋(元朝日新聞記者)さんがコスタリカで体験したという話を思い出した。コスタリカはでは憲法が国民の権利を保障するものであると学校でしっかり教える。小学生が校庭でサッカーを楽しんでいたところ、グランドの横を流れる小川にボールが落ち流れていった。この時、小学生は校庭でサッカーを楽しむことは権利であり、憲法違反と訴えたという。もちろんすぐにボールが流されないようフェンスがついたそうだ。すべての人の日々の生活に憲法が生きている。コスタリカには軍隊が無い。貧しくても豊かな国だ。 (E)
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