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砂田喜昭 2014年5月21日更新  
産業建設常任委員会の行政視察報告(1)
栃木県佐野市
プレミアムアウトレットと市内商工業振興

 地域整備振興公団(現在、都市再生機構)が区画整理事業と組み合わせて2003年から10年計画で、佐野藤岡インター周辺で150haの佐野新都心の開発をし、そこへ三菱地所・サイモン株式会社がプレミアムアウトレット(敷地面積約17ha)を進出させました。2003年3月開業で、11年目です。駐車場用地はアウトレットが買収し、店舗の敷地は20年契約の借地だそうです。そのほか、イオンモールも進出しました。
 佐野市は佐野ラーメンが有名なのですが、アウトレットには佐野ラーメンなど地元店舗の進出はせず、市内へお客を誘導することとしました。そしてアウトレットのフードコート内に佐野コミュニケーションセンターを設置し、地場産品、市内観光案内、特産品の紹介のみ(販売はせず)をしています。しかしこの利用状況は、2010年度の来場者10万5千人をピークに減り始めています。

地元商店影響調査結果
売上高、客数とも減少が5割超


 市内への観光客入れ込み数は、アウトレット出店前は250万人超だったが、出店後は大幅に増加し2013年度は850万人になったそうです。
 佐野商工会議所がアウトレット進出に伴い、地元商店に対して影響調査を2004年(出店1年後)に実施しました。その結果、売上高、客数とも減少した商店の割合が5割を超えました。一方、売上高が増えた商店も14%あり、客数が増えたのも12%ありました。アウトレット出店で、影響に明暗があります。担当者の説明ではガソリンスタンドが伸びているとのことでした。
 結局、入れ込み客の大半はアウトレットで完結しているようです。

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