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砂田喜昭 2014年5月6日更新  
市が原子力防災対策を改定
9月の防災訓練に取り入れられないか検討

 小矢部市は地域防災計画(原子力・その他事故災害編)を改定し、4月24日の市議会全員協議会に報告しました。
 市は、県とも協議しながら9月の防災訓練に原子力災害対策の訓練を取り入れられないか検討したいと述べました。

防災訓練
原発再稼働容認のためではない

危険な使用済み核燃料が原発敷地内に


 原子力防災計画は北陸電力志賀原子力発電所で重大事故が発生したことを想定したものです。
 原発は現在稼働していませんが、敷地内には使用済み核燃料がプール内に保管されています。使用済み核燃料は強力な放射線を出し続けており、プールで冷却できなくなると重大事故につながるたいへん危険なものです。
 これまで原発は何重にも防護されているから絶対重大な事故を起こさないとの「安全神話」によって、原子力防災訓練はほとんど無視されてきました。それどころか、放射能漏れを起こす危険があるということを住民に知られることを恐れて防災訓練をしてこなかったといってもよいでしょう。
 東京電力福島第一原子力発電所の事故によって、「安全神話」が崩れ去り、たいへん危険で取り返しがつかないものだとわかった以上、原発の廃炉を求めるとともに、その途上で事故が起きた時に備える防災訓練はたいへん重要です。決して原発再稼働を容認するためのものではありません。

今重要なのは準備段階の対応
訓練で検証・評価、改善を


 市の防災計画で緊急事態の段階に応じた(1)準備段階、(2)初期対応段階、(3)中期対応段階、(4)復旧段階と4段階の対応を定めています。
 いま急いで対応する必要があるのは「準備段階」です。「北陸電力、国、県、市等がそれぞれの行動計画を策定して関係者に周知するとともに、訓練等で検証・評価し、改善する」としています。

分析整理できる人材の育成・確保

 また「第2節 原子力対策事前対策」として情報の収集・連絡体制等の整備を挙げ、「市は収集した情報を的確に分析整理するための人材の育成・確保に努める」としています。

防災に必要な資料の整備
  コンクリート建物や気象状況、地区ごとの避難方法


 防災対策に必要とされる資料を整備することとしています。その中には屋内退避に適するコンクリート建物に関する資料や、放射性物質が及ぼす影響を予測するための気象資料、安定ヨウ素剤の備蓄・配備状況、地区ごとの避難方法説明資料などが含まれます。
 せっかく改定した防災計画ですから、これが生きるように具体化し活用すべきです。

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