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新図書館の整備検討
「知る自由を守る」図書館の役割を踏まえよ
3月議会予算特別委員会 砂田市議
小矢部市は現在の市民図書館がスペース不足のため、新しい図書館の建設をめざし、新図書館整備検討委員会を設置します。砂田市議は予算特別委員会で、「建設準備のためには、単に施設づくり、ハード面の準備に矮小化しないこと、図書館の役割は何かをしっかりと踏まえて新図書館の整備基本方針をつくるべきではないか」と質しました。
図書館の役割
@ 図書館は人類の生存に必要な情報の倉庫
砂田市議 図書館には二つの重要な役割があると思う。
図書館業務の中心は貸出で、これは国民の知る権利を保障するものである。
アメリカの天文学者カールセーガンはおおよそ次のようなことを『コスモス・下 P219(朝日新聞社1984年)』で述べている。
「人類は生きるのに必要な膨大な情報を、遺伝子や、脳に蓄えられなくなった時、体の外に、社会的な記憶を蓄える方法を発明した。このような記憶の倉庫が図書館と呼ばれている。人類は遺伝子から脳へ、そして図書館の発明へと、人が生きるのに欠くことのできない情報を駆使して現代にまで生き延びてきた。」(『現代の公共図書館・半世紀の歩み P10(日本図書館協会1995年)』)
A 言論・表現の自由を守り
民主主義の発展に寄与する
「はだしのゲン」の閲覧禁止問題や、アンネの日記が破られた事件が起きているが、あらためて日本図書館協議会が出している「図書館の自由に関する宣言」に立ち返る必要がある。
「図書館の自由に関する宣言」より
「国民主権の原理を維持し発展させるためには、国民ひとりひとりが思想・意見を自由に発表し交換すること、すなわち表現の自由の保障が不可欠である。(中略)それは、憲法が示すように、国民の不断の努力によって保持されなければならない。」
過去に「知る自由」を妨げた反省の上に
「わが国においては、図書館が国民の知る自由を保障するのではなく、国民に対する「思想善導」の機関として、国民の知る自由を妨げる役割さえ果たした歴史的事実があることを忘れてはならない。図書館は、この反省の上に、国民の知る自由を守り、ひろげていく責任を果たすことが必要である。」
権力の介入に左右されず
「図書館は、権力の介入または社会的圧力に左右されることなく、自らの責任にもとづき、図書館間の相互協力をふくむ図書館の総力をあげて、収集した資料と整備された施設を国民の利用に供するものである。」
この立場を図書館にかかわるもの、そして新図書館整備検討委員会の場でもしっかり確認して進めるべきではないか。
「新図書館整備検討委員会でもその土壌に立って検討する」
生涯学習文化課長
生涯学習文化課長 非常にそれは大切なことだ。小矢部市の図書館としては過去の貸出履歴を持たないのもそういう観点でやっている。新図書館整備検討委員会でもその土壌に立って検討していきたい。
図書館の役割を理解している人の配置を
砂田市議 小矢部市民図書館は年間貸出冊数、貸出登録人員などは1995年度に比べて大変前進している(表参照)。この教訓も新図書館整備検討委員会へ反映させるべきである。
準備にあたっては、図書館の役割を理解している人を確保、配置することがたいせつであり、司書の配置は図書館充実のカナメである。
生涯学習文化課長 新図書館を建設し、運営にあたっては適正な人材がたいせつであり、資格だけでなく人生経験なども含め、適正な人材を当てていく。
郷土資料の保存、
活用、成果公表を
砂田市議 おとぎの館、市民図書館、図書コーナー(砺中支所)の三館体制の維持、学校図書室との連携を図ること。また、郷土資料の保存、保管、活用、発掘、調査研究とその成果の公表する取り組みを求めたい。
国会図書館のデジタルデータの活用もぜひ進めてほしい。
国会図書館のデジタルデータの活用
「新図書館では当然やりたい」
生涯学習文化課長
生涯学習文化課長 国会図書館のデジタルデータの活用については、本年1月から資料の配信が始まった。県内では、県立図書館が申請中で、本年度内に可能にしたいとのことである。市の今の図書館ではネットワークの環境、機器などで難しいが、新しい図書館においては当然やっていきたい。
郷土資料についてはいろいろ研究しているが、公表にはプライベートの情報もあり公表できるものからということで、今年度から越中国四郡絵図をデジタルデータで公開した。
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