バナー2014年2月2日号本文へジャンプ
砂田喜昭 2014年2月2日更新  
原子力防災計画の見直し
志賀原発事故を想定

市民意見募集 2月中

 小矢部市は地域防災計画の原子力災害編の見直しをしています。この改定案を1月24日、市議会全員協議会に報告しました。今後市民のみなさんからこの案に対する意見を募集し、仕上げる予定です。市民意見募集期間は2月7日から2月いっぱいです。


放射性物質が
プルームに乗って小矢部市へ


 小矢部市は志賀原発から35キロから55キロ範囲内に入ります。志賀原発で事故が発生し、放射性物質が環境中に放出された場合、被害が及ぶ恐れがあります。放射性物質が気体状や粒子として空気の一団(プルームという)に乗って飛んでくる可能性があります。雨や雪で地表に落ち沈着して長く放射線を出し続ける危険があります。国の原子力災害対策指針ではこのようなプルーム通過時の被爆を避けるための防護措置を実施する地域をPPAとしていますが、その範囲をまだ定めていません。しかし、小矢部市はこの対策について検討することにしました。

チェルノブイリ原発事故
    3百キロも飛散

福島第一原発事故
    60キロ地点も高汚染


 チェルノブイリ原発事故では放射性物質が広く拡散し、原発から3百キロ離れた地域でも高汚染地帯とされ、事故から四半世紀以上経った現在でも半径30キロは立ち入り禁止区域です。福島第一原発事故でも60キロ離れた地域で高汚染地帯が確認されています。この経験をふまえれば、小矢部市でも放射性物質がプルームとなって汚染される恐れがあることはあきらかで、そのための対策をとることは当然のことといえます。

 
 災害の予防対策
 
訓練による検証・改善を

 砂田市議は全員協議会で、市が原子力防災で放射性物質のプルームが飛んでくることに対して対策を検討するとしていることを評価して、「いつ原発事故が起きるかわからないのだから、普段からの事前の備え、つまり予防対策に真剣に取り組むことは重要だ」と強調しました。予防対策としては「行動計画を策定・周知するとともに、訓練等で検証・評価し、改善する」(地域防災計画改定案P2)ことが重要です。砂田市議は、原子力災害に対応した訓練の実施を求めました。訓練に際しては、原子力防護の専門家にも立ち会ってもらい、訓練内容の評価・検証することも大切でしょう。

避難所にスクリーニングの場所確保

 避難訓練の際に、避難場所へ到着したら、放射性物質が付着している可能性があるので着衣、靴、帽子などを避難場所へ入る前に取り替えるスクリーニング(放射性物質の除染)の場所を確保しなければなりません。ある県の訓練では、避難してきた着衣のまま避難場所へ入り、避難場所に放射性物質を持ち込んでしまうという事例がありました。

 コンクリート製の
屋内避難場所はどこか


 避難場所についても、放射線から防護する効果が高いコンクリート製の建物であるかどうかを事前に調べておく必要があります。外壁が窓ガラスであるような公民館では放射線を十分防ぎきれない恐れがあります。いざというときにどの施設が使えるのか、明らかにしなければなりません。

 
安定ヨウ素剤
保管場所の周知、
服用に医師の協力


 甲状腺被爆を防ぐために、放射性物質(放射性ヨウ素)が飛来する前に、安定ヨウ素剤を服用する必要があります。そのために保管場所を周知することや、配布、服用の現場に医師に立ち会ってもらうことがこの改定案P34に記されていますが、医師の協力を取り付けることも事前の準備として重要です。

放射性物質拡散
予想図の把握


 この改定案には触れられていませんが、スピーディ(SPEEDI)による季節や風向、風速に応じた放射性物質の拡散予想図を、事前に把握しておくことも重要です。砂田市議は「小矢部市としても、県にこの拡散予想図を作成することを求めるよう働きかけること」と要望し、市はそうすることを確認しました。

 トップへ戻る
砂田喜昭(Yoshiaki Sunata)のホームページへ戻る