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砂田喜昭 2013年12月8日更新  
下水道事業 抜本的な見直しが必要
決算審査で議論

 小矢部市議会は10月9日から11日まで、2012年度決算について審査しました。下水道事業を散居村でも町部のように下水管を道路の中に埋める方式で進めると、散居村での普及・完成には30年以上先のことになります。また、建設のための経費が莫大なため、下水道使用料で賄おうとすると、大幅値上げが避けられなくなります。いまこそ抜本的な見直しが必要です。

 下水道会計の赤字
    6億円超を税金で補てん


 現状では、下水道事業と農業集落排水事業において、下水道使用料でどの程度経費が賄えているのかを検査するため、市は砂田市議の求めに応じて「収益的収支及び資本的収支概要書」を提出しました。その概要書は次の表のとおりです。

公共下水道会計の決算概要

 下水道事業の維持管理にかかる経費(収益的支出)は4億6千5百万円もあるのに、下水道使用料収入は2億4千5百万円しかありません。維持管理経費には、このほかに減価償却費を加えなければならないのですが、市としてはまだ把握できていないために、計上してありません。それでも下水道使用料では、かかった経費に対して2億円以上不足しています。
 この穴埋めに一般会計から5億3千3百万円の税金と、借金の利子を払うために1億3千万円の借金(平準化債のうちの利子分)をしています。これでもって、下水道建設のための赤字(資本的収支の赤字4億8千万円)を補てんしています。
 下水道が普及して加入者が増えれば使用料収入は増えますが、それだけでは賄えず、将来的には下水道使用料の大幅アップが避けられなくなります。小矢部市はこれまで値上げをせずに来ましたが、県内の各自治体ではすでに下水道使用料の値上げが繰り返されています。
 すでに建設工事が完了した農業集落排水事業(対象地区=田川、藪波北部、北蟹谷)で見ても、維持管理経費に7千6百万円かかっていますが、使用料収入は3千7百万円で、赤字補てんのために一般会計から1億2千4百万円の税金を投入しています。
農業集落排水事業の決算概要

 決算特別委員会で特に議論になった問題は次の通りです。
 二つの特別会計で、赤字補てんのために市の財政負担が6億5千7百万円に上り、このままでは下水道料金の値上げの恐れがあることです。そのうえ市内全域水洗化が30年以上待たされます。

計画見直し
散居村では合併浄化槽方式に


 このため、散居村では各家庭に合併浄化槽を設置する方式に抜本的に改めることが必要です。散居村などですでに設置されているトイレだけしか浄化しない旧式の単独浄化槽を、生活雑排水も合わせて浄化する合併浄化槽に切り替える補助制度の適用地域の拡大も、この見直しの中で必要になります。

下水道への
  接続促進策を

    

 すでに普及した地域でまだ下水道に接続していない家庭の接続を促進する対策も必要になります。

不明水の減少策も

  下水管に流入する地下水(不明水)を減少させる取り組みも重要です。

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