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三井アウトレットパーク視察
倉敷市と三井不動産が全国初の地域包括協定
まちづくりを基本に、市が三井不動産とどしどし交渉
市議会東部産業団地等特別委員会の一員として砂田市議は11月7,8日、岡山県倉敷市と三井アウトレットパーク倉敷を視察しました。
閉園したテーマパーク跡地に
市立公園と大型商業施設
JR倉敷駅北にあったテーマパーク・倉敷チボリ公園が2008年に閉園になりました(チボリ公園は県や倉敷市が出資した第三セクターが運営、当初は東京ディズニーランドに次ぐ入園者をほこるテーマパークだった。クラボウ工場跡地を50年計画で借りていたが、わずか11年で閉園した)。その跡地に、倉敷市とイトーヨーカ堂、三井不動産の3者が協力して大型商業施設と市立「倉敷みらい公園」をつくりました。
防災拠点を兼ねた
倉敷みらい公園
「倉敷みらい公園」は倉敷市がつくりました。チボリ公園跡地の真ん中を流れる用水を中心に災害時の避難場所を兼ねた公園として整備しました。市長がチボリ公園閉園決定の二日後に地主であるクラボウと交渉して1万uの土地を買い取り(クラボウはもともと土地を賃貸はするが売らない方針だった)、もとからあった市有地とあわせて1万4千uの公園と用水の両側に緑道をつくりました。
公園には災害時、下水道に直結してトイレに使えるマンホールトイレ、炊き出しに使えるかまどベンチなどを設置しました。環境にも配慮し太陽光パネルと風力発電を利用したハイブリッド照明灯を設置しました。
イトーヨーカ堂はこの公園と倉敷駅の間にアリオ倉敷という大型商業施設を、公園の東側には三井不動産がアウトレットパーク倉敷をつくりました(2011年オープン)。この二つはクラボウからの借地です。
地元と共存共栄を追求
倉敷市とこの2者の間で地域包括協定を結んで、大型商業施設と地元商店街、既存大型店、観光地(美観地区など)がともに共存共栄できるようにしていることが、最大の特徴でした。
三井不動産が地元自治体との間でこのような協定を結んだのは、ここ倉敷が最初だそうです。三井アウトレットパーク倉敷で受けた説明は、内容@地元の観光イベントに年何日か場所を提供、A美観地区へ行けるように自転車を貸し出す、B美観地区の商店との間でスタンプラリーを実施、C倉敷市の観光スポット紹介など情報発信する大型スクリーンを店内の目立つところに設置、D地元牧場直営のグルメ&フード店、E地元商店会・自治会への加入などなどです。市が三井不動産と強力に交渉して実現したものでした。
渋滞対策は三井不動産の負担で
右折レーン設置、交通誘導員など
驚いたことは、渋滞対策です。倉敷市はチボリ公園の渋滞で懲りており、三井不動産に強く要求し、インターチェンジから大型商業施設へつながる公道の交差点に右折レーンを、また、アウトレットパーク倉敷の南エントランス周辺で渋滞が予想されたので、三井不動産が借りた敷地内に右折レーンを、三井不動産の負担で付けさせました。二つの大型商業施設をぐるりと取り囲むように歩道を敷地内に設置させ、市民が散歩できるようにしました。住宅街に面しているところに緑地帯を設けさせました。みらい公園と二つの大型商業施設を一体のものとするために、敷地境にフェンスを設けさせず、自由に行き来できるようにさせました。
オープンに際して、静かに誘客することを求めました。いきなり中国地方、四国地方から大勢のお客を呼び込むのではなく、まず地元へのPRからはじめ、それが一段落してから遠方へのPRをする時間差での誘客を求め、また、かなり広い範囲に交通誘導員(100人前後)を配置し渋滞を防ぐこともさせました。三井不動産の誘導員はなかなか優秀だったとのことです。
小矢部市は駐車場へ進入する市道に
税金で1億円
倉敷市は景観を大事にし、市民が憩える場があり、ここで暮らす人、商売を行う人、観光客などが活発に交流・連携できる賑わいと活気のある町をめざすことを基本的な考え方としているそうです。この立場から三井不動産などに強力に地域包括協定を結ぶことを求めました。
小矢部市が三井不動産の駐車場への進入路になる市道を、市民の税金で1億円をかけて付けるなどとはまったく逆の対応を、倉敷市がしていることに感心しました。
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