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砂田喜昭 2013年10月20日更新  
ストップTPPin富山
守るべきは国民の命、健康、財産


 シンポジウム「ストップTPP in富山」(講演とシンポジウム)が10月14日、富山駅前CICビルで開かれ、約160名の参加でした。
 これを呼びかけた方々は、JA富山中央会会長 穴田甚朗さん、COOP富山理事長 稲垣よし子さん、富山県食健連代表 大橋国昭さん、富山大学教授 酒井富夫さん、富山県農業会議会長 田口清信さん、富山県保険医協会会長 矢野博明さんでした。
 小矢部市在住で約100haの専業農家、宇川純矢さんもパネリストとして発言しました。それを聞きたいと小矢部市内からも参加しました。(各氏の発言について文責は編集部)

発言者一覧
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講演 杉島弁護士

シンポジウム
宇川純矢さん(青年農業者)
与島明美さん(協立病院院長)
広瀬妙子さん(新婦人県本部会長)
酒井富夫さん(富山大学教授)


シンポジウム

一番良い農産物は
 家族や地域のみんなに 食べてもらいたい 

       
青年農業者 宇川純矢さん

 シンポジウムで最初に発言した宇川さん(JA富山県青壮年組織協議会会長)は参加者の共感を呼びました。
参加者の一人、赤星ゆかり富山市議から次の感想が寄せられました。

赤星富山市議の感想

 とくに印象に強く残ったのは、若い農業者の宇川さんの次のような発言です。私は、とても感動して、拍手を送りました。
 これをフェイスブックで紹介したら、北海道の酪農家も共感して、自分の知り合いに広めさせてほしいといってきました。

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発言する宇川純矢さん

 「自民党は『攻めの農業』と言うが、ほんとうにいいもの(農産物)は、『金になるから海外に持って行けばよい』という考え方が大嫌い。いちばんいいものは、家族に、地域のみんなに、日本の人に食べてもらいたい。」

 「いいものを作りたい、おいしいものを作りたい、安心なものを作りたいと日々思ってがんばっているが、コストを下げろということは、思いと違うものをつくることになる。」

 「守るべき『国益』は、国民の命であり、健康であり、財産です。」

 「TPPに入るということは、福島の人たちに農業あきらめなさいということ。日本人って、そんなサイテーな人間になったのか。自分さえ良ければそんなに他人の人生狂わすようなことを平気で…そんな残念な国になったのか!」

 「アベノミクスで、貧困層をたくさんつくって、一部の大金持ちをつくって、自分たちが汗水たらして作った農産物は、金持ちしか買えないのか? 貧乏人には安い輸入農産物買えというのか。そんな人たちには、オレが作ったもの買ってほしくない! 適正価格でみなさんに買っていただけるようにがんばる。これからもTPP反対運動がんばっていきます。」

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富山協立病院院長 与島明美さん

 日本の医療を外国の営利企業にも開放させろと、アメリカから要求されている。先端医療が公的保険の適用外とされ、高額の医療費を払える富裕層しか受けられなくなる。
 今の日本の制度では、先端医療も効果が認められれば公的保険適用となって少ない負担で国民が利用できる。例えば白内障の治療で眼内レンズが15万円もかかったものが10数年前に保険適用になった。ピロリ菌の除菌も昨年保険適用になった。


 
新日本婦人の会  広瀬妙子さん

 自分の子どもにアレルギーがあったことから、食べ物に強い関心を持つようになった。
 遺伝子組み換え食品には、イギリスやフランスの動物実験で、がんなどのリスクがあると指摘されている。子や孫には安全なものを食べさせ、育てたい。そのためにもTPPに反対していきたい。


 
富山大学教授   酒井富夫さん

 農家の中には半分あきらめて「次の対策を」という方もあるが、戦前日本で国民世論が戦争へ向かっていった状況に似ていると思う。
 TPPを止めるには4つのことを述べたい。
 @ 秘密交渉なので完全に知ることは無理でも、推測できることはある。それを隣近所に話していこう。
 A 年内大枠合意といわれているが、結構長い闘いになるだろう。韓国の友人は米韓FTAに対して、いまから第三段階の闘いだと述べている。
 B 日本のマスコミだけ見ていると本当のことがわからない。海外の目から見ることが大切で、インターネット活用は有益だ。
 C あとは祈るしかない。

 
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杉島弁護士の講演

TPPは国民主権を侵す 
  多国籍企業によって、
   環境、人権、食の安全が踏みにじられる


 TPPに反対する弁護士ネットワーク」の杉島幸生さんは「TPPは民主主義・国民主権を危険にさらす」と題して記念講演をしました。

 杉島さんは、TPPが日本の国内法より優先され、TPPに反する法律、判例が変えさせられる恐れがあると指摘しました。

 そのかなめをなすのが、投資家が加盟国政府を訴えるISD条項です。外務省は「日本も貿易協定にISD条項を持っているが、これまで訴えられたことはないから大丈夫」といっていますが、これはごまかしです。日本はこれまでアメリカやオーストラリア、カナダなどの先進国との間でISD条項を結んだことはありません。しかし、この条項を結んでいるアメリカとカナダの間では訴訟合戦が続いており、このようなことが今後日本とアメリカの間で起きる危険性が高いのです。そうなれば、多国籍企業によって私たち国民の生活、環境、人権、労働条件、食の安全が踏みにじられます。

 杉島さんは、秘密にされているこの危険な内容を広く国民に知らせること、各国で広がっているTPP反対の市民運動と連携することで、阻止しようと呼びかけました。

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