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アウトレットパークに44億円
「ほんとうに30年も営業するのか?」不安の声
8月臨時議会
小矢部市議会は8月23日、臨時議会を開き、アウトレットパーク用地造成工事に13億9600万円、用地取得に9億125万円及び30年間の利子相当額を支出することを議決しました。用地内にある工場の移転補償費は議決対象でないため議案として出てきませんでしたが、8億1861万円も支出します。これらの経費に関連公共事業や畠中排水路の追加工事などを合わせると総額約44億円の支出で、これは市の一般会計の3分の1にもなります。
砂田市議はこれに関して質疑を行うとともに、次の反対討論をしました。議案は保守系議員の賛成多数で可決されました。
前例のない企業誘致
小矢部市はこれまで北陸森紙業や立山アルミ、新日軽などの企業誘致をしてきましたが、市が用地買収し、造成して貸すことはやったことがありません。
私は、三井不動産がこれまでの小矢部市での企業誘致と同様にこれらの費用を全部負担して、アウトレットパークをつくり、商売をして稼ぐ分には、反対はしません。
30年間営業しても
経費の半分にしかならない
しかし、こんどの場合は、この費用はいったん、小矢部市がすべて工面しなければなりません。三井不動産が賃料を30年間にわたって払い続けたとしても、市として見込める収入は22億2500万円で、かけた費用の半分です。もし中途撤退という事態になればもっと市民の負担が増えます。
さらに30年後にはこの用地をどこかの企業に6億3300万円で売却できると見込んでいますが、30年後にどうなるか、このことに責任を持てる人はこの議場にもいないのではないでしょうか。
市民生活を支える仕事に
しわ寄せが心配
小矢部市はこれからもっともっと子育てや福祉、教育に力を入れなければならない時代になります。しかも、人口減少社会ともいわれています。今後の市政の課題としては高い国民健康保険税や上水道料金の問題、市内全域水洗化、道路や橋、公園、消雪装置や公共建築物など公共施設の老朽化対策、個人住宅の耐震化対策など、たくさんの課題を抱えています。TPPで地域経済が破壊されないようにしなければなりませんし、安倍政権が狙う消費税増税となれば景気の底が抜けてしまいます。このような問題でも市民生活を支える仕事がたくさん出てきます。
こういうときに、三井不動産の商売のために、こんな莫大な市民負担をする計画を進めていてよいのでしょうか、私は認めるわけにはいきません。
「だれが責任をとるのか」
市民の中にはこのことで交流人口が増えて市が活性化するのではないかとの期待の声もありますが、これだけの市民負担があることを知ったら、みな一様に驚いております。「果たしてほんとうに30年後まで営業してくれるのか」、「うまくいかなかった場合、だれが責任を取ってくれるのか」、「この後まだまだ変更、変更で事業費が膨らまないか」などと心配する声がたくさん寄せられています。
三井不動産に応分の負担を
市民のこうした不安をしっかりと受け止め、三井不動産に応分の負担を求めるべく合意内容の見直しを強く求めます。
砂田市議の質疑で明らかになったこと
土地開発公社による工事業者選定
小矢部市の入札に準じる
こんどの議案では、用地造成工事の契約を土地開発公社と結びました。土地開発公社は今後工事業者と契約して造成工事を進めます。業者選定の入札方法は市に準じますし(1千万円以上は市内事業者による条件付き一般競争入札)、その結果も市のホームページで公表します。
将来負担比率
10年で撤退なら195%
市財政規模のほぼ2年分の負債
平成23年度の市の将来負担比率(解説参照)は161・1%でした。アウトレットパークに伴い、将来負担比率がどうなるかを試算すると、30年存続の場合でも174%に増えます。10年で撤退なら195%、20年で撤退なら185%と推計されます。これは市財政規模のほぼ2年分の負債を抱えることを意味しています。
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