バナー2013年8月25日号本文へジャンプ
砂田喜昭 2013年8月25日更新  
再生可能エネルギー
市民の運動で、地域づくりに

自治体学校 in 新潟に参加して 砂田喜昭


 新潟市で8月3日から5日まで開かれた自治体学校に参加しました。私が特に学んだことを報告します。


 小水力発電で
 自宅消費電力の4割も


 2日目の分科会で「再生可能エネルギーを生かした地域づくり」に参加しました。各地の経験をいろいろと学びましたが、長野県大町市での市民グループの取り組みには感心しました。2002年に発足した市民グループが、自分たちの地域で生かされていない地域資源を発見する活動の中で注目したのが、220キロに及ぶ農業用水でした。グループで水路調査をし、会員の自宅近くで小水力発電に取り組みました。会員自らが設計、自作したらせん水車により0・24Kwの発電実績を上げています(使用水量0・12トン/秒、有効落差45センチ)。電力会社への売電はせず蓄電池と組み合わせて自宅での消費電力の約4割をこの水力発電でまかなっているそうです。
 土地改良区の同意から国土交通省との水利権の問題でも手探りで交渉をかさね、一歩、一歩解決してきました。このような小水力発電所を4か所作りました(1か所は地元の同意を得られず中途で断念)。いずれも自家消費の発電でこれによる収入はありませんが、各地からの見学受け入れによる収入で活動を維持しているそうです。このほか、廃止スキー場を利用した菜の花栽培によるバージンオイルの商品化もしています。地域の資源を見つけ、単に自治体にやるように提案するのではなく、市民自ら行動して実現していることに感心しました。

市民出資で
市民共同発電所も


 このほか、太陽光発電も、農民連や市民団体が市民や企業に出資を呼び掛けて、市民共同発電所をつくっていました。自治体には、公共施設の屋根を貸してほしいという協力を求めているところもありました。条例をつくって自然エネルギー活用を促進している 滋賀県湖南市の報告もありましたが、そこでも市民や企業の出資(一口10万円)を募って太陽光の市民共同発電所をつくっていました。配当は地域商品券で1・2%とか2%ということでした。地域でお金を巡回させるこれらの取り組みは大事だと思いました。
 福島県では農民連が中心になって福島りょうぜん市民共同太陽光発電所(定格出力50・4Kw総事業費2000万円)をつくっていました。一口20万円の出資を募り、配当は1・2%だそうです。

小矢部市でも
県外業者が太陽光発電


 
田川地内 火葬場横で

  小矢部市田川地内にも市営火葬場横で太陽光発電の計画があります。これは県外の民間業者が市有地を借りて、定格出力1400KWの太陽光パネルを設置し、北陸電力へ売電します。
 これにとどまらず、地域の自然エネルギーを活用し、お金を地域で循環させる取り組みもこれからは大切だと思いました。

 トップへ戻る
砂田喜昭(Yoshiaki Sunata)のホームページへ戻る