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砂田喜昭 2013年7月18日更新  
生活保護
必要な人が利用しやすい窓口対応を

6月議会質問より


 安倍自公政権は、選挙後に社会保障改革と称して、介護保険では要支援を介護サービスから外し、年金支給開始年齢を引き上げ、高齢者の医療費負担を1割から2割になどと社会保障給付の削減、国民負担増を狙っています。その手始めとして生活保護基準の引き下げが行われました。さらに生活保護申請を抑制する改悪も狙っています。
 本来生活保護は憲法25条が定めるように、「健康で文化的な最低限の生活」を国が保障する責任があるものです。生活保護は国民の権利であり、生活に困った時に利用するものです。6月議会で砂田市議はその立場から利用しやすい窓口対応を求めました。

諸外国に比べて少ない
生活保護受給割合


砂田市議
 小矢部市での生活保護の相談件数と受理件数は
民生部次長 次の表の通り。(表1)
生活保護の相談・受理件数、小矢部市
砂田市議 日本の生活保護を受ける割合が諸外国に比べて少ない。ドイツでは生活保護利用者が人口に占める割合は9・7%、イギリス9・27%、フランス5・7%に対して、日本は1・6%にすぎない(2010年)。富山県は0・3%、小矢部市は砺波市や南砺市の0・1%よりは多いものの、それでも0・2%にすぎない。

日本の貧困層2千万人
  人口比16%


 日本に貧困があることを認めたのは民主党政権になってからで、それまでの自民党政権は公式には貧困層の存在を認めてこなかった。2009年10月に初めて貧困率を公表し、それは16%だった。OECDが決めているルールは、その国の所得の中央値(所得ゼロから超高額所得者まで1億2千万人の日本人をズラッと並べて、ちょうど真ん中の位置にいる人の所得、一人暮らしで224万円)の50%未満の所得の人を貧困層としている。貧困層に該当するのは月額9万3千円、4人家族で18万6千円未満のレベルで生活している人で、日本には約2000万人、人口の16%にも及んでいる(2009年)。憲法25条があるのに、その1割しか生活保護、社会保障で救われていないのが日本の現実だ。

生活保護抑制を狙う
 政府・自民党


これを改善することこそ重要であるにもかかわらず、自民党・公明党政権などは生活保護をより抑制しようとしている。生活保護の申請に来た人を「門前払い」にして餓死に追い込んだ例が全国で見られるが、これを合法化しようという異常な制度改悪である。
 生活保護基準の引き下げは、生活保護世帯だけの問題ではない。これは最低賃金の切り下げ、就学援助や社会保障基準の切り下げなどにつながり、日本人の所得格差がますます広がり、多くの国民の最低生活レベルをどんどん引き下げていくことになる。

国連も日本政府に勧告

「恥辱のために生活保護の
  申請が抑制されている」
「申請の簡素化を」


 国連も日本政府の対応を懸念して、今年5月に「恥辱(生活保護が恥ずかしいこと、不名誉なことと思うこと)のために生活保護の申請が抑制されている」ので、「申請を簡素化すること」を勧告している。
 市はこの勧告と憲法の精神を生かし、生活保護を受ける権利を奪うようなことのない窓口対応を求める。。

丁寧な相談対応など
 に努めたい


民生部次長
 生活保護は、国の制度ではあるが、今後とも丁寧な相談対応、迅速な適正受給の処理、不正受給防止に努めていきたい。

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