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砂田喜昭 2013年7月4日更新  
請願 TPPから即時撤退を
後で「しまった、失敗した」と後悔しないためにも
即時撤退を政府に求めるべき

投票日の2日後に交渉開始
  砂田市議の賛成討論
 富山県農民運動連合会砺波支部小矢部班(班長・辻慶輝氏)が提出した「TPP交渉からの即時撤退を求める請願」が6月市議会最終日の21日に採決に付され、日本共産党の砂田市議が賛成討論をしましたが、自民党所属議員らの反対で不採択となりました。砂田市議の賛成討論を紹介します。

公約違反には「総理にしがみついても、
即時撤廃」が政治家の責任


 桜井市長は、3月議会での「拙速な交渉参加には反対」との答弁を、今議会でも確認された。ただ、一言気になったのは、「これは総理大臣の専権事項だ」との言葉。今は明治時代でも江戸時代でもない。主権在民の日本国憲法の下であり、時の政権も主権者である国民の信託に基づかねばならない。
 昨年の総選挙で、自民党も「TPP交渉参加断固反対」を掲げて支持を集めた。この選択に沿って総理が権限を行使することは許されるが、民主主義国家で公約を踏みにじって権限を行使することは許されない。安倍総理の交渉参加表明は公約違反であり、「安倍総理にしがみついてでも即時撤廃」を迫るのが、総選挙で公約した自民党やその所属議員の責任だ。

 与党内で食と農を守るなどと
 主張をどんどんと後退させては守れない


 それをせずに、「与党の中で食と農を守らせる」などと、これまでの主張をどんどん後退させていては、アメリカの多国籍大企業の好き勝手から、日本の国益を守ることはできない。

 安倍内閣に交渉力なし
 アメリカの自動車関税丸呑み


 安倍総理は日本のTPP参加をアメリカに認めてもらうために、もうすでに大変な譲歩をした。その一つに自動車の関税がある。アメリカが日本車にかけている関税を、米韓FTAで認められたよりもずっと長い期間、かけ続けても結構だと、合意してしまった。加えて、アメリカから日本で米国車が売れないのは日本の軽自動車のせいだといわれていたのだが、この問題でも日本の税制の在り方などをTPP交渉妥結までに日米で協議、合意することを約束してしまった。

 農産物の関税撤廃
 従来のFTAよりはるかに高い自由化を約束


 それでは農業分野はどうか、何一つアメリカから譲歩を引き出せていない。それどころか、農産物の関税撤廃は、従来のFTA(自由貿易協定)よりはるかに高い自由化を約束させられた。「撤廃・削減の対象にしない除外」は認められないし、「将来の交渉に先送りする再協議」も認められない恐れがあると日本政府自身も認めている(日本経済新聞5月24日)。

 政府に国益守る意思も能力もない

 政府の交渉力はこの程度で、どう考えても国益を守る意思も能力もないと言わざるを得ない。投票が終わった2日後にTPP交渉が始まる。後で「しまった、失敗した」と後悔しないためにも、TPP交渉からの即時撤退を政府に求めるべきだ。

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