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砂田喜昭 2013年6月23日更新  
アウトレットパーク そのT
30年も、営業してくれるのか
6月議会一般質問より

 砂田市議が6月議会で取り上げたアウトレットパークについての質疑の概要を2回に分けてお知らせします。

 砂田市議 アウトレットパークについて私のところへ毎日のように苦情の電話がかかっている。市長は提案理由説明で「新たに魅力創出の起爆剤となる」と述べたが、地域経済の活性化、定住人口、交流人口の増加、雇用の増加の具体的な目標は何か、それをどう実現するのか。
 
企画室次長 第6次総合計画の「おやべ夢構想」に位置づけた計画の目標を目指すもので、定住人口は3万3千人、雇用確保では新規就業者数100人、交流人口は平成29年目標150万人を目指している。地域経済の活性化では市内年間消費販売額を、平成19年には521億円だったが、平成30年度にはこの現状維持を考えている。
 この目標達成の根拠として、国も景気回復傾向にあると期待しており、市としてもアウトレットが本市の魅力創出の起爆剤となると確信しているので目標達成ができると考えている。


三井不動産 「10年でペイできる」

 砂田市議 従前の計画の数字を並べただけでないか。
 アウトレットパークは品物を売る施設で、買ってくれる人がいないと商売にならない。北海道でアウトレットパークを視察した議員の報告を町づくり特別委員会で聞いたが、事業者はまったくビジネスで考えている。10年でペイするといっていた。10年はもつかもしれないが、ほんとうに30年ももつのか。
 
企画室次長 開発事業者は市場調査や事業の採算性を考えて事業展開を決定したものと思う。北陸商圏の中心という地理的優位性、高速道路の結節点などの交通インフラを高く評価したと聞いている。このことから中途撤退のリスクは極めて少ない。
 砂田市議 アベノミクスで私たちの暮らしは物価高に見舞われ、消費税増税となれば深刻な不景気が襲うことが、経験上予想される。安倍内閣はさらに成長戦略などと銘打って、雇用の規制緩和で解雇自由の限定正社員化、労働時間規制を外し残業代ゼロ、過労死促進のホワイトカラー・エグゼンプション制度の導入、非正規雇用の一層の拡大を狙っている。私たちの収入がますます下げられようとしている。アベノミスクで一時株価が高騰したが、これが外国投資家の投機マネーゲームによる一時的なもので、株価の乱高下、円相場の乱高下など、その先行きは全く不透明になっている。一部の富裕層は儲けたかもしれないが、庶民の暮らしは大変厳しい。
 このようなもとで、物を買ってもらう施設が果たして30年もつのか。

契約上も30年継続の保証を詰めるべきだ

 砂田市議 三井不動産は多額の投資をしても10年でペイできるとしている。
三井不動産が30年間借地料を支払い続ける保証は、合意書にはどこにもない。中途撤退可能を認めた取り決め(契約前に他社アウトレット進出見込みの場合、10年後からは12か月分の賃料支払、20年後からは違約金なし)は見直さないと、30年間の保証はない。経済状況で商品が売れなくて撤退となったら困るわけで、契約書の中で詰めておく必要があるのではないか。
 
企画室次長 いかに事業継続について確約をとるかということだが、最終的には三井不動産という会社を信用してほしいということだった。民間の事業であり、極端に経済情勢が変わることもあるので、この中途撤退条件を契約書に盛り込まなければならないという社内の方針だと聞いている。
 事業継続していただけるように市民の皆さんと一緒になって支援をしていくことを考えていくことも必要だ。お互いに地域活性化に取り組んでいく、その中で30年間継続していただけるように要望していきたい。
 砂田市議 ちかごろの企業は、資本自身に外国資本が入っているし、日本人同士のような温かいものが廃れてきている。リコーの創業者が起こした創業63年になる工場でさえ、リコーグループの生産拠点の整理で企業閉鎖という話もある。ビジネスで簡単に撤退となる。
             (次号へ続く)

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