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砂田喜昭 2013年6月16日更新  
震災がれき焼却灰
小矢部市は受け入れない

住民合意を大切にした小矢部市の対応


 小矢部市は岩手県山田町で発生した震災がれきの焼却灰を受け入れないことになりました。6月議会初日の7日に市は全員協議会で報告しました。
市は受け入れない判断をした理由として、震災がれきの富山県への広域処理依頼量が大幅に減少したことをあげました。
 環境省が5月31日に発表した広域処理依頼量は10、800トンから3900トンへと減少しました。市は不燃物処理場に焼却灰を受け入れるための対策工事に約1千万円をかけ、完成まで約4か月が必要であると見込んでいました。ところが広域処理量が大幅に減少したため受け入れ期間が1か月もなく、十分な役割を果たせないと判断しました。。

小矢部市の対応

 
広域処理に協力する
     立場で検討


 国、県の震災がれき広域処理の方針を受けて、高岡市は岩手県山田町の震災がれきを引き受け4月26日から一日約7トンを焼却し、焼却灰を高岡市の不燃物処理場に埋め立てています。
 小矢部市は昨年来、この焼却灰の一部を南谷地区にある市の不燃物処理場で受け入れることを検討してきました。
 小矢部市の燃えるゴミは高岡市の焼却場で焼却し、それに見合う焼却灰を市の不燃物処理場で埋め立てており、市も震災がれき広域処理に協力する立場から受け入れを検討してきたものです。

 
原発事故による
放射能の拡散が心配

検討の条件
 住民の安全と合意


 しかし、東京電力福島第一原子力発電所の炉心溶融(メルトダウン)という過酷事故に伴う放射性物質の広範な拡散が発生しており、広域処理により更なる拡散が心配されました。
 小矢部市は受け入れにあたって、安全性の確認とともに、住民の合意と納得が得られることを条件に検討してきたものです。

お母さんたちが
 学習会、行政への働きかけ


 市内では焼却灰を受け入れる南谷地区住民や、小さい子供さんを持つお母さんたちから不安の声が広がっていました。お母さんたちは自主的に学習会を開いたり、行政に働きかけたりしてきました。

市議会も
「住民の安全確保と合意が最優先」


 3月議会にはそのお母さんたちから@震災後2年が経過し、がれきが大幅に減っており、広域処理がいまでも本当に必要なのか調査してほしい、A焼却灰受け入れにあたっての住民への説明と風評被害も含めた対策を求める請願と陳情が提出されました。陳情、請願そのものは不採択とされましたが、この問題を審議した市議会予算特別委員会、民生文教常任委員会は「市民の健康、安全確保と理解が最優先で、住民説明会などで住民の理解を前提にして慎重に対応すること」を市に求めました。

砂田市議、請願の紹介議員に
  解決策を提案


 砂田市議はこの請願の紹介議員となるとともに、予算特別委員会では「受け入れ対策工事に1千万円もかけるのなら、高岡市が震災がれきを焼却している間(予定では12月頃まで)、小矢部市の可燃ごみ焼却灰も高岡市で埋め立て処理してもらう。震災がれき焼却終了後、この間の焼却灰の量を加えて受け入れることにできないか」と提案していました。結果的には砂田市議の提案通りの解決となりました。
 砂田市議の7日の全員協議会での質問に、市の担当課長は「南谷地区住民の皆さんからも合意は得られていなかった」と答えました。これを受けて砂田市議は、「住民合意を大切にした市の対応を高く評価する」と発言しました。

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