|
震災がれき焼却灰受け入れ問題
3月議会報告
震災がれきを広域処理するという国の方針に基づき、岩手県山田町の分を高岡市が焼却します。小矢部市の可燃ごみも高岡市の焼却場で処理しており、この焼却灰を南谷地区にある不燃物処分場に埋め立てています。高岡市で昨年12月に震災がれきを試験焼却した灰に1キログラム当たり30ベクレルの放射性セシウムが含まれていました。
このため市民グループから@震災後2年が経過し、がれきが大幅に減っており、広域処理がいまでも本当に必要なのか調査してほしい、A焼却灰受け入れにあたっての住民への説明と風評被害も含めた対策を求める請願と陳情が3月議会に出されました。砂田市議は賛成しましたが、市議会では不採択になりました。
予算特別委員会でこの問題を取り上げた砂田市議の質疑を紹介します。
受け入れには市民の合意と納得が前提
砂田市議 放射能は、低レベルでも人体や子どもへの健康被害が心配される。だから、余計な放射能を浴びないようにしたいというのは当然のことだ。
震災がれき焼却灰受け入れには、住民にしっかりと説明会を開いて、市民の合意と納得を得て、受け入れるか受け入れないかを決めるという方針には、変わりないか。
生活環境課長 市民全体を対象にした説明会につきましては、現在、地元住民の方々に説明を行っている途中であり、そのあと段階を追って、最終的には市民の方々にも説明をする機会も必要かと考えている。
「納得が得られるまでは
高岡市で処理する」
生活環境課長
砂田市議 住民の納得が得られていない今の段階で、小矢部市可燃ごみの焼却灰はどうするのか。
生活環境課長 今、高岡と協議しているのは、まず、小矢部市として地元の理解をいただいた後、かつ、不燃物の受け入れの態勢を整えることが終了した段階で受け入れたいということで、その間は、小矢部市の焼却灰も高岡で処理してもらう。
南谷の不燃物処理場
遮水シート設置などの対策費1千万円
砂田市議 処理場の対策にはどれだけの費用がかかるのか。
生活環境課長 場所を限定して、焼却灰を入れる。その場所に遮水シートを設ける。1千万円を超すくらいの予算が必要と試算している。
遮水シートで大丈夫か
放射性物質が素通りというデータも
砂田市議 放射能というのは目に見えないから、非常にやっかいだ。土壌に放射性セシウムがくっつくから漏れないというが、そう簡単ではない。群馬県伊勢崎市の不燃物最終処分場の滲出水と、それを処理した放流水の放射能の量を平成23年9月12日に調べたデータがある。滲出水からは放射性セシウム134と137が1キログラム当たり223ベクレル出ていた。ところがそれを処理し、きれいにしたはずの放流水は149ベクレルで、放射性物質の多くが素通りしている。遮水シートだけで本当に大丈夫なのか。
砂田市議の提案
震災がれき焼却期間中(12月まで)の
灰は高岡で処理を
砂田市議 一つ提案だが、1千万円もかけるのなら、高岡市が震災がれきを焼却している間(予定では12月頃まで)、小矢部市の灰を高岡市で埋め立て処理してもらう。そのあとで、この間の分も含めた灰を受け入れることにできないか。
民生部長 当市も、震災地への復興の支援のために焼却灰を受け入れるという方針で進めている。また、高岡市に長い間、市の可燃ごみ焼却処理をしてもらっており、今回の問題でも、高岡市にも協力していきたいので、現在としては、そのような方針で進めていきたい。
砂田市議 しかし、その前提はあくまでも市民の理解と納得を得るということが前提だから、市民がだめだと言ったらできない。ぜひ検討してもらいたい。
エネルギーに関する教育
原発安全神話をふりまかないか
砂田市議 新年度予算に出ているエネルギーに関する教育について、安全神話をふりまかないか心配している。北陸電力職員が金沢大学の附属高校で原発安全授業をした。1学年3クラスを講堂に集めて、12月18日午後、「原発は安全だ」、「自然界から受ける放射線のほうがよっぽど高い」と影響を低く見せ、「放射線について心配し過ぎるので、健康被害が起きた」、「老人は福島におればよかった。避難したから体が壊れた」と暴言も吐いた。
教育次長 いま言われたような、原子力についての偏った講義というか、教育の内容にはならない。
砂田市議 以前、国や県から放射線についてのパンフレットが学習教材として送られてきたが、市の教育委員会としては、非常に偏った内容で、それを採用しないという判断をしたことがあったので、今の発言をしっかりと受けとめておきたい。
低レベル放射能にも危険性
砂田市議 自然エネルギーで世界の動き、核のゴミを処理する技術は未確立なことをきちんと教えることが大事だ。
また、低レベル放射能による免疫機能低下の危険性に対処する方針として予防原則が基本だ。いまでは公共の場所ではタバコを吸えない。タバコを吸った人が必ずしも肺がんになるとは限らないが、周りの人に与える影響も危惧して、予防原則として、一切だめだとなっている。放射能についてでも、そういう原則が非常に大事だ。
教育次長 今言われた原子力についても、広い範囲で子どもたちに教えていきたい。
|
|
|