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砂田喜昭 2013年4月21日更新  
「市民の声を行政に」
 沖縄での努力に学びたい

   議会運営委員会視察報告 砂田喜昭

 市議会運営委員会は4月10日から12日まで沖縄県糸満市(人口5万9千人)、読谷村(4万5百人)の議会運営につい 読谷村役場に「オスプレイ配備反対」の看板て、特に市民の声、意見をどのように反映させるかを中心に視察しました。私もその一員で参加しましたので、「週刊明るい小矢部」読者の皆さんに報告します。


 
 
ほとんどの議員が毎回質問

 議員が市民の声を
     よく把握している


 一般質問には両議会とも毎回ほとんどの議員が立ち、これだけで4、5日かけています。「議会だより」でそれぞれの議員の質問を写真付きで糸満市は8ページ(1人1項目要約掲載)、読谷村は12ページにわたって掲載しています。
 これを読むと市民生活の各分野に触れた質問が続いており、議員が市民の声を毎議会ごとによく把握をして取り組んでいる様子がよくわかります。小矢部市議会では毎回半数程度の議員しか質問しておらず、一般質問に2日間を予定していますが、たいがい1日で終わっています。議長を除く全議員が毎回質問するのが当たり前にしなければと思いました。

答弁書を事前に全議員に

 読谷村で感心したことは、質問に対する村当局の答弁書を質問日の二日前に、全議員に配布していることです。このため議員の質問項目の通告は1週間前までに提出します。これは議会改革の一環で最近実施したとのことですが、議員の側がその答弁を踏まえて質問を準備できるし、同じ質問項目を通告している議員にも別の角度からの質問ができて、たいへん実のある議論ができるとのことでした。
 

 
委員会に陳情者を招く
   年5、6件も


 委員会に陳情請願者などを参考人として招き意見を聞くことについては、糸満市議会では年に5、6件は行っているそうです。意見を聞くことによって実りある議論ができるとのことでしたが、昨年小矢部市議会民生文教常任委員会でも発達障害の問題や美術館問題で参考人に出席していただき議論を深めることができたことはたいへん良かったと思いました。今後も参考人質疑を大いに取り入れていく必要があると痛感しました。

 米軍普天間基地にオスプレイ。住宅商店街が基地の周りにへばりつく。議会報告会での要望
 
 議会としての政策提言や
  一般質問で取り上げる


 読谷村議会では毎年議会報告会を5、6か所で開催しています。全議員が3班に分かれて回ります。そこで出された意見・要望、提言を集約し報告書にまとめて住民に返しています。また、議会としてはその内容を検討して、議会として行政に提言するもの、あるいは一般質問で取り上げるものなどに整理しています。議会としての政策提起については昨年12月に5項目を提言したのが最初だそうです。

議長の任期4年間が普通

  議会改革で力


 両議会とも、議長の任期は4年間で、議員の任期中は変わらないとのことでした。各議員の委員会所属も4年間が通例で、部分的に会派の中で交代することはあるそうです。沖縄県内の多くの議会ではこれが当たり前だそうで、読谷村の議長は「1年交代の議長では本当に議会改革ができるのだろうか」と疑問を述べていました。選挙後初議会では議長に立候補したい議員が議員協議会でも本会議でも議会改革の提案と抱負を述べて選挙で選んでいるそうです。

反戦平和を基調に村づくり

 糸満市はひめゆりの塔や平和祈念公園がある戦跡の地で修学旅行生が訪れるところです。読谷村は34%が軍用地で反戦平和を基調とした村づくりをしていると議長は語っていました。村役場のある地域は旧読谷飛行場跡で広い土地にサトウキビなどが作付されていました。村役場には「日米地位協定の見直し」「オスプレイの配備反対」の看板が掲げられ、議会だよりの表紙と裏表紙には「米兵による住居不法侵入事件村民大会」の写真が大きく掲載されていました。
 米軍普天間基地は平野部の広い場所を占拠し、住宅、商店街は鉄条網の外側にびっしりとへばりつくように存在していました。基地にはオスプレイの姿もありました。基地の無条件返還が地域の発展につながるとの思いを強くしました。

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