バナー2013年3月31日号本文へジャンプ
砂田喜昭 2013年3月31日更新  
アウトレットモール誘致に市民の税金投入
子や孫にも負担が・・・

3月議会報告
砂田市議の予算案反対討論から

 砂田市議は3月議会最終日の25日、アウトレットモール誘致のために東部産業団地を造成する事業について、反対討論で次の三点の問題を指摘しました。2012年度一般会計補正予算、2013年度一般会計予算には、このための調査費5千万円近くが含まれています。

   
問題@


 
議会への説明と違う
   市長の言明

 「正式契約前でも
  整備を進める」

 市議会へのこれまでの説明では、この事業に着手するのは開発業者との間で正式な契約を結んでからということでしたが、北日本新聞によると、2月18日の記者会見で「桜井市長は『開発業者と協議を進めており、ぜひ誘致を成就させたい。新年度中に進出が決定しなくても、まず、受け入れる土地の整備を進める』と誘致への強い思いを語った」と報道されました。これは議会への説明とは明らかに違います。正式契約もないまま事業着手となると、市民の税金を無駄に使う恐れがあります。


  
問題A

中途撤退の心配はないのか


 
数十億円の事業費は
   市の借金


 二つ目は、中途撤退の心配です。仮に開発業者との間で正式契約ができたとしても、1月13日付富山新聞の報道によれば、用地購入、団地造成などの事業費は20〜30億円といわれており、これを市土地開発公社が金融機関から借り入れ、テナントからの借地料で返済することになります。私が心配するのは仮に正式に進出が決まったとしても、期待したほど売り上げが得られなかったとして撤退という事態になったら、市には莫大な借金と空き地が残ることになってしまいます。

「景気がよくなれば進出の
  追い風に」市長


 新聞報道によれば、桜井市長は「これまでは厳しい経済環境でテナントが集まらないということだった。景気がよくなってくれれば、進出の追い風になると思う」と語ったということです。

 消費税増税で
   景気の底が抜ける


 
売れなければ
  テナント退去の懸念


 しかし景気の見通しは大変懸念されます。安倍自公政権は「アベノミクス」などと称して金融緩和、円安で、輸出大企業や一部富裕層は少し潤っているかも知れませんが、一方庶民はガソリンや灯油、電気料金、食料品など物価値上げで困っています。そのうえ消費税増税に突き進もうとしています。
 そうなったら景気はどうなるか、私たちはすでに経験済みです。橋本内閣のときに消費税を5%に引き上げたあと、急速に景気は減退しました。消費税を5%に引き上げた1997年は、労働者の平均年収はそれまでの4年間で21万円増えていたのです。しかし、今は平均年収が4年間で21万円も減っており、消費税増税をすれば景気の底が抜けてしまいます。こんなときに、アウトレットモールに大規模な投資をして大丈夫だと言えるのでしょうか。アウトレットモールに入居しているテナントが、ものが売れずに退去していく懸念があります。


 
問題B


土地開発公社に
   安易に頼る危険


金融機関が貸すのは
市民の税金が担保だから


 三つ目は、安易に土地開発公社に頼る問題で、小矢部市にとっては前例のないことです。市の土地開発公社がこの資金繰りに使われようとしています。土地開発公社が団地造成のために借り入れる数十億円の資金の返済について、先の予算特別委員会で企画室長は、開発業者の賃貸料でまかなうと答えました。しかし金融機関が市土地開発公社に数十億円もの貸付をするのは、市議会が債務負担行為の議決をするからで、金融機関への返済が滞ったら、市民の税金で返してもらえるという保証があるからです。


土地開発公社破たんの
  実例が全国に多数


 土地開発公社が破たんした例は全国にいくつもあります。土地開発公社が公共用地を先行取得し、結局塩漬け土地となり、にっちもさっちもいかなくなり、土地開発公社を解散し税金で後始末した事例がたくさんあります。小矢部市がそのようにならないか、大変懸念されます。


 
市が用地を買収・造成
 開発業者は借りるだけ


 開発業者が自分で用地を求め、造成し、商売をして稼ぐのであれば、そのお手伝いを少しすることぐらいは地方自治体としてあってもよいでしょうが、小矢部市が開発業者に代わって用地を買収し、開発業者の希望通りの造成工事をし、そのために必要な資金を市民の税金を担保にして金融機関から借り入れ、開発業者には用地を貸し付けるだけです。中途撤退ということにでもなれば、子や孫の代にまでその負担を強いることになります。企業誘致でここまで尽くしたというのは、小矢部市50年の歴史のなかで聞いたことがありません。


 
福祉や教育に
  しわ寄せの懸念


 このことによって市財政が逼迫して、本来の地方自治体の仕事である子育て支援や高齢者介護など、社会福祉や教育の充実に、将来支障をきたすことが懸念されます 。

 トップへ戻る
砂田喜昭(Yoshiaki Sunata)のホームページへ戻る