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砂田喜昭 2012年12月29日更新  
アウトレットモール、市が誘致して大丈夫?
12月議会 砂田市議の一般質問(2)

 砂田市議 小矢部市はアウトレットモールを誘致しようとしている。
 進出が決まれば、小矢部市が用地を買い上げ、造成して、アウトレットモールの運営会社に貸し付けることになり、市には大きな財政負担が生じる。現状は?
 企画室長 これまで数社の開発事業者を訪問し、誘致活動を積極的に展開している。個人消費動向の低迷など商業を取り巻く環境は厳しいが、今後も開発事業者への訪問を重ね、事業計画の提案もしながら誘致の実現に取り組んでいきたい。

先行例
自治体関与はほとんどなし

 砂田市議 全国的にはその誘致に自治体が余り関与していない。小矢部市はどの程度かかわるつもりなのか。市の財政的な負担は?
 企画室長 市民から大型商業施設の誘致を望む声がある。市外、県外から集客を期待でき、市の賑わい創出にもなり、大型商業施設の受け皿となる東部産業団地の造成を行う必要がある。財政面は開発事業者との話し合いの中で議論するが、いまは具体的に申し上げる段階ではない。

アウトレットモールから
市内商店街へ回遊は
ほとんど期待できず

 砂田市議 アウトレットモールを視察してきた。アウトレットモールと地元商店街との関係では、客層が違い、あまりデメリットはなかったが、同時にそこから地元への誘客もほとんど期待できなかった。小矢部市は誘客に自信を持てるのか。
 企画室長 地元への誘客は、市内の商工関係者からは本市の活性化に期待できるという賛同の意見を多く頂いている。どのように市内への回遊性を高めるかについて、新たな戦略を検討立案する必要がある。

10年、15年で撤退 ?
残るのは「市の借金と空き
地」とならないか

 砂田市議 市内商店街への誘客の見通しはまだないということではないか。視察によると、アウトレットモールは当初10年で撤退という契約だったそうだが、売り上げ次第では契約の延長もあるようだった。このことは反面、売り上げが期待できないと途中での撤退もあるのではないか。市が多額の財政負担をして東部産業団地を造っても撤退されたら、市の借金と空き地だけが残るのではないか。
 企画室長 開発業者は多額の投資を行うし、進出して採算がとれるかどうかをしっかり見きわめているものと思う。十分に検討された上での正式合意となるので、途中での撤退というリスクは低いと思う。(契約は10年とか5年延長とか期限を区切るのではないかとの質問に答えて)交渉ごとですので契約年数は発表できる段階ではない。


東部産業団地
測量、不動産鑑定、基本設計を発注済み


まちづくり特別委員会で答弁


 まちづくり特別委員会が12月18日に開かれ、砂田市議はアウトレットモールを含む大型商業施設の受け皿に予定の東部産業団地について質しました。
 市は開発業者との交渉準備のために、@対象用地の丈量測量、基本設計、用地交渉のための不動産鑑定を2500万円で発注したこと、A用地を実測したら12・5ヘクタールとなったこと、B産業団地の基本設計を発注した金額はこのうち600万円で、国道との取り付け位置や市としての開発業者への提案のための資料にするためであること、Cこれらの予算については3月議会に提出する予定であることなどを明らかにしました。

用地購入費だけでも
数億円の市財政負担


市民の間で真剣な議論必要

 市が実際に用地を購入するのは、アウトレットモール開発業者の進出が決定し市との契約を交わしてからとなりますが、用地購入費だけでも数億円にのぼるとみられます。これに敷地造成費も加わり、市の財政負担がどこまで膨らむか心配されます。地方自治体がアウトレットモールの誘致にここまでかかわる必要があるのか、市民の間での真剣な議論が望まれます。



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