バナー2012年12月2日号本文へジャンプ
砂田喜昭 2012年12月2日更新  
アウトレットパーク視察
市議会まちづくり特別委員会
小矢部市が用地確保、誘致の動き

 市議会まちづくり特別委員会は11月19、20日、三重県伊賀市、桑名市の行政視察に出かけました。視察目的の一つに、アウトレットパークがあり、砂田市議も参加しました。すでに報道されているように、小矢部市にこれを誘致しようという動きがあるからです(北日本新聞2012年8月27日付)。
 アウトレットパークの進出が決まれば、小矢部市が用地を買い上げ、造成してアウトレットパークの運営会社に貸し付けることになり、市には大きな財政負担が生じます。

三井アウトレットパーク滋賀竜王

金沢の飲食店も出店
北陸も商圏


 最初に訪れたのは「三井アウトレットパーク滋賀竜王」です(写真は南入口方面)。三井アウトレットパークは全国12カ所あり、そのひとつです。
   三井アウトレットパーク滋賀竜王名神高速道路の竜王インターを降りて500メートルほどのところにありました。建物は2階建てで、広大な駐車場がありました。周辺は林で、市街地は見当たらず、自家用車、オートバイ、バス、タクシーが交通手段です。
 店の案内図によると、1階には61店舗とグルメ・フード店が9店舗、2階には67店舗とグルメ・フード店が14店舗ありました。この中には「金沢海鮮丼 もり家」や金沢の回転寿司「もりもり寿し」の名前も見え、北陸方面も商圏として位置づけていることがうかがえました。訪れたのは月曜日の午前であまり人出は多く見られませんでしたが、この隣で増築工事が行われていました。日曜、祝日にはかなりの人出になるようです。

三井アウトレットパーク ジャズドリーム長島

氷見きときと亭も出店

 翌日は、長島温泉に隣接している「三井アウトレットパーク ジャズドリーム長島」です。もともとは長島町でしたが合併していまでは桑名市になっています。ここでは国内最多240店舗が出店しており、「回転寿し 氷見 きときと亭」もありました。

地元商店街とは
客層が違う


 桑名市役所でこのアウトレットパークが地元商店街に与える影響について伺いましたが、客層が違うのでほとんど影響がないとのことでした。それ以前から地元商店街は大店法の規制緩和により大型ショッピングセンターの進出ですでに多くが閉店に追い込まれており、アウトレットパーク以前の問題とのことでした。
 またアウトレットパークの客を地元商店街へ誘導することについては、これからの課題ですが、ほとんどのお客さんは長島温泉の敷地内で移動が完結しているそうです。

10年、15年で
撤退が当初計画


 ジャズドリーム長島の開業は2002年3月28日で、当時町役場で開業にかかわったことのある方の話によれば、「当初、アウトレットパークは10年で撤退する計画と聞いていたが、今のところ15年で撤退という話を聞いている」とのことでした。この間に利益を確保してしまう勘定なのでしょうか。それでも売り上げが年々伸びているので(2003年度約121億円、2007年度約312億円、2012年度想定で約400億円)、今後も営業が続くかもしれません。

誘致に
自治体は関与せず


 この二つのアウトレットパークについては、三井不動産と民間同士の取引で建設開業したもので、自治体が用地を提供、準備したことはありません。

競争激化で撤退する
アウトレットモールも


 しかし一方で閉店、撤退するアウトレットモールも生まれています。2000年3月に岐阜県本巣市にオープンした「リバーサイドモール」は2010年9月に営業を終了しています。近隣に大型商業施設の開店が相次ぎ、競争の激化で客足が遠のいたことが影響したものとみられます。

解説 
 アウトレットパークとは


 アウトレットモールとは、1980年代にアメリカ合衆国で誕生した新しい流通業(小売業)の形態で、主にいわゆる「メーカー品」(通常、メーカーのブランド名を表示したもの)や、「高級ブランド品」を低価格で販売する複数のアウトレット店舗を一箇所に集めたショッピングセンターのこと(インターネット・Wikipediaより)。三井不動産が運営するアウトレットモールを、「三井アウトレットパーク+地名」と統一して名付けている。


 トップへ戻る
砂田喜昭(Yoshiaki Sunata)のホームページへ戻る