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利賀ダムによる治水効果はほとんどない
9月議会一般質問より その1
共産党
国土問題研究会に調査依頼
砂田市議 日本共産党富山県議員団は2009年に国土問題研究会(理事長・奥西一夫京都大学名誉教授、昭和37年設立)に利賀ダム計画の調査と庄川水系の治水対策について検討を依頼し、このほど中間報告がだされた。
この結論として@利賀ダムの洪水調節効果が限定され、大きな治水効果が期待できないこと、A利賀ダムによる洪水調節を中心とする治水対策の事業費が割高であること、B利賀ダムが地滑り被害を拡大させる可能性が高いこと、と三つの問題点を指摘し、国交省が計画している利賀ダムを中心とする庄川の治水対策は、庄川の特性にかなっていないと述べていた。
3百年前からの
治水対策が有効 国土研
そして約300年前から行われてきた「松川よけ」や霞堤の整備などは、急流扇状地河川の特性にかなった治水対策として、現在も立派に機能している優れたものであり、これらを継承する庄川本川の河道改修を中心とする治水対策をすすめることが重要であると提言している。
国交省の利賀ダムによる洪水調節を中心とする治水対策では、戦後最大の洪水とされた2004年の台風23号を基準に、雄神地点(庄川扇状地の扇央付近)で毎秒4200トンの河川流量を4000トンに、利賀ダムと既設の洪水調節ダムで200トンを調節しようという整備計画をたてた。これによる治水効果は「もし利賀ダムがあっても、高岡万葉線橋梁付近では水位を下げる効果は8センチ」と国土交通省が明らかにしているが、このことを確認できるか。
利賀ダムの治水効果
「雄神橋地点で10センチ
程度の水位低下」
市産業建設部次長も確認
産業建設部次長 利賀ダムの治水効果等について現在、国において検証の最中である。市としては引き続きこの検証作業を注視していきたい。
30年間で整備する庄川整備計画では利賀ダムによる治水効果は、雄神橋地点では水位を下げる効果は約10センチ、和田川合流点約11センチ、高岡万葉線橋梁付近で8センチと、国土交通省から聞いている。
砂田市議 7メートルを超える洪水時にわずか10センチ程度の水位を下げる効果しかない利賀ダムはほんとうに必要か。
現状や今後を考えると、利賀ダムに1000億円を超える財源を使うより、庄川本川の河道改修の方がより効果的ではないか。
庄川上流の既存ダムの
有効活用を 砂田市議
砂田市議 庄川上流にある利水ダムを含む既存ダムの有効利用が効果的である。2004年の台風23号の際に、雄神地点でみると、御母衣ダム、大白川ダム、境川ダム、利賀川ダムという既存施設で1441トンの調節効果があった。洪水時におけるこれらのダムの有効利用を検討すべきではないか。
砺波平野への出口にあたる合口用水ダム、小牧ダムの洪水調節機能も大きい。
市の水害対策
効果を上げている
砂田市議 河川改修などによって水害対策では、小矢部市はすでにいくつかの効果を上げているではないか。
産業建設部次長 これまでの水害対策は次の通り。
@ 共栄団地の浸水被害がほぼ解決。薮波川、渋江川の合流点の改良
富山県が昭和54年度から事業着手し今年度完成。これにより過去何度も見舞われた浸水被害が解消される効果が現れる。
A 泉町の浸水被害。今石動ポンプ場の稼働
ポンプ場は平成7年から稼働している。小矢部川の水位が上昇したときに泉町周辺に浸水被害があったが、現在はほとんどなくなっている。
B 石動西部地区、西町の浸水対策
後谷雨水幹線は平成21年に整備を完了し、市街地を経由して流下していた石動西部地区の雨水を直接砂川に排水できるようになったことから、豪雨時に見られた西町付近の浸水被害はほとんどなくなった。
今後の水害対策
横江宮川など
砂田市議 今後の水害対策として、小神地区で床下浸水した横江宮川の改修や 庄川左岸総合農地防災事業などについて、どのように取り組んでいくのか。治水効果のほとんどない利賀ダムに1千億円を超えるお金を使うくらいなら、これらの河川改修に予算を回せと、小矢部市として主張できないか。
産業建設部次長 横江宮川について、従来から国、県に改修の要望をしてきた。国は小矢部川との合流点の処理の検討、県においては横江宮川の河川改修の検討を始めたと聞いている。
砺波平野を中心とする庄川左岸地域で都市化の進展やゲリラ豪雨により農地、農業用排水施設に甚大な被害が発生している。これらの防止を目的として国営総合農地防災事業を平成21年度から29年の9カ年にわたり総事業費270億円で、現在平成23年度末には22・7%の進捗である。併せて行う附帯県営事業では平成22年度から35年まで14年間にわたり総事業費230億円の計画で、8・6%の進捗です。引き続きこれらの事業の進捗を要望したい。
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