バナー2012年9月2日号本文へジャンプ
砂田喜昭 2012年9月1日更新  
美術館問題に関する民生文教常任委員会報告

 美術館建設について議論してきた市議会民生文教常任委員会(砂田喜昭委員長)は8月27日、全員協議会でその討議結果を報告しました。その全文は次の通りです。


【議論の経過】

 本年2月に小矢部市美術館等施設建設調査検討委員会から、「美術館等施設のあり方に関する検討結果としての最終報告書」が提出されております。このことを所管する民生文教常任委員会として、今回の寄付申出者と懇談会を7月19日に開催し、その後7月24日には参考人制度に則り、小矢部市美術館等施設建設調査検討委員会の委員長はじめ3名を参考人としてお招きし「美術館建設の必要性・運営に関して」を調査事項とした所管事務調査を行ないました。これをふまえて、委員会として8月9日にとりまとめた討議結果を報告します。

【とりまとめの前提】

 この討議をとりまとめるにあたって、前提としたことは次の二つのことです。
 @委員会として美術館建設の是非についての結論を出すものではないこと、
 A市長が最終的にその判断をされるに際して、次の諸点について十分な検討をされることを要望するものとしました。

【検討すべき諸点】

 それは次の4点です。
 1 美術館を、市の施策の中でどのように位置づけるのか、近隣の類似施設には無い特色を明確にして、それにふさわしい運営ができるのかが問われる。美術を通じて子どもたちの創造性、個性を生かした自己表現力などを育てることができるか、また、高齢者が臨床美術などを通じて五感を発達させることができるかが問われる。それらにふさわしい運営をするためには、美術についての指導ができ且つ、企画力のある職員の配置が不可欠である。そのために必要な財源的な対応を必要とする。
 2 美術館活動を学校教育の中に、どの程度取り入れることが可能なのかについて、検討する必要がある。
 3 ダ・ビンチテクノミュージアム、ふるさと歴史館、ふるさと博物館などの既存施設があまり活用されていないことの総括とそれを受けた対策が必要である。
 4 タウンミーティングで寄せられた市民の声を踏まえた判断が必要であり、市民の理解を得られるよう努力する必要がある。

市職員による検討チーム
「建設を是」と中間報告


 市職員による「アートハウス的施設調査検討チーム」が8月20日に市長に提出した「中間報告」も市議会全員協議会で発表されました。アートハウスとは英語で、美術館のこと、国内には例えば「資生堂アートハウス」などがあります。市は従来型の美術館ではなく「市民に開かれたローコストな美術館」をイメージさせるためにこんな表記にしたと説明しています。
 検討チームではクロスランドおやべと一体ものとしての建設を是とし、施設運営の要となる職員の配置は不可欠としています。

砂田委員長にインタビュー

 編集部 砂田さんは3月議会で「既存の、クロスランドおやべや道の駅など市施設と近隣の美術館の活用ということを真剣に考えてもよいのではないか」と述べていましたが、こんどの委員会報告では若干ニュアンスが違うように思いますが、いかがでしょうか。
 
砂田委員長 議会として美術館建設の最終判断は市長の提案を受けてからになりますが、その前に十分検討すべきだと考える点を、今回は提起しました。
 委員会での議論を通じて、私自身、認識を新たにしたことが二つあります。
 @ 美術はたんに趣味の世界ではなく、人の成長にとって創造性と批判的精神を養う上で大切だということです。スポーツが体を鍛えるとともにスポーツマンシップを身につけ、人の成長に資することに通じます。市内にスポーツ施設がいくつもありますが、美術館も同じように考えてもよいのではないかということです。
 A 学校教育で美術の時間が削られています。美術館がある砺波市や金沢市では一つの学年が全員、美術館へ出かけ鑑賞活動をしていますが、小矢部市では蟹谷中学が福光美術館へ出かけているだけで、他の学校ではできていません。
 そこで委員会報告ではこれらのことが実際に可能となるような運営、職員の配置ができるのかなど4点の検討課題を提起したわけです。なお検討チームの中間報告では小学2年生全員がアートハウス施設体験(鑑賞、創作)をできるようにしたいとしています。

 トップへ戻る
砂田喜昭(Yoshiaki Sunata)のホームページへ戻る