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砂田喜昭 2012年5月27日更新  
三田市の英語教育
成果は「どれだけ楽しいか」で

民生文教常任委員会行政視察報告 砂田喜昭

 民生文教常任委員会は5月14日から3日間、中国、四国地方へ行政視察に出かけました。兵庫県三田(さんだ)市では幼稚園から始めた英語教育について、
三田市で英語教育について視察する小矢部市議会民生文教常任委員会。 兵庫県南あわじ市では少子化対策、婚活支援について、香川県丸亀市では発達障害、ちょっと気になる子の問題での取り組みについて視察してきました。いずれの市でも感心したのは国、県の方針待ちではなく、自分たちで、手探りで問題解決に取り組んでいる姿勢でした。今週号には三田市の取り組みを報告し、次週以後、順次紹介します。

外国人ともつながりをもち、理解を深めたい

 三田市では「生きる力を育む」を教育目標に掲げ、英語教育については人とのつながりを大切に、国際理解を深める人権教育と位置づけて取り組んでいるそうです。2000年度に総合的な学習の時間が新設されたことをきっかけに、国際理解の一環として数校が独自に始めたことがスタートで、その後校長会からすべての小学校にALT(外国語指導助手(Assistant Language Teacher) - 日本の学校における外国語授業の補助を行う助手)配置を要望され、全校配置としました。国の方でも2003年度から小学校での英語教育の動きが始まったことも一つの背景だったそうです。


人と人のコミュニケーションをとれるように
逆さ地図を示して小矢部市について説明する砂田喜昭委員長
 幼稚園・保育所では、年に2、3回、英語や外国人、外国文化に出会う体験を大切にします。
 小学校では、「話す」「聞く」を中心に人と人のコミュニケーションをとれる体験学習を重視しています。5,6年生は英語教育が必修なので文部科学省から教材などが示されますが、1年生から4年生までは、三田市の関係する教師たちで話し合い、独自に学習計画をつくっています。例えば1年生では、「ALTと仲良くなろう」を目標に、あいさつやじゃんけんゲームなどを取り入れています。

91・6%が楽しい

 英語教育の成果をどこではかるか、三田市では子どもたちが楽しいと感じているのかを基準においています。中学3年生の希望者が、高校入試後、小学校へ出かけて出前授業をしています。英語で自己紹介したり、絵本を読んで聞かせたりします。その写真をスライドで紹介してもらいましたが、中学生も楽しそうでしたし、小学生はいきいきしている中学生を見てあこがれを持つそうです。全国との比較では、1年生から4年生について英語の時間が好きだと答えた児童は、三田市は91・6%に対して、全国では63・5%です。

ALTの確保
業者委託でなく
    市で直接雇用に


 教育委員会として苦労したのははALTの確保でした。はじめは業者委託ALT、業者派遣ALTも雇用しましたが、入札で安い業者を選ぶために、途中で辞めてしまったり、質の悪い先生が送られたりしたため、いまでは教育委員会が直接雇用することに改めたそうです。全国から公募し、教育委員会で面接して資質のある人を選んでいます。何でも「民間委託」が流行るご時世ですが、現実をしっかり見て判断された三田市の選択に感心しました。

外国語教育と日本語教育

 「英語より国語教育が大事では」との質問が出ました。もちろん自分で考え判断し、それを表現する力をつける教育があっての英語教育だと考えます。その力を育てるとともに他言語を使いこなし、世界の人々と自由に交流できる人が育ってほしいと思いました。

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