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TPPって何?
学習と交流のつどい 開く
TPP反対小矢部連絡会準備会
「TPPって何?学習と交流のつどい」が3月17日、石動コミュニティセンターで開かれました(写真)。基調報告は松沢厚氏(農政ジャーナリスト、日本農業新聞客員論説委員)です。このつどいは農民連小矢部班(辻慶輝班長)が呼びかけTPP反対小矢部連絡会準備会が主催しました。
松沢さんは、詳細な資料をもとに、TPPが「モノ、ヒト、カネ、サービスを完全に自由化する危険な協定であり、『農業・農村の振興』とは両立しない。日本の輸入関税はEUや韓国に比べても低く、参加6カ国とは既にEPA(経済連携協定)発効済み、まだ結んでいないのはアメリカだ。日本からの輸出よりアメリカからの輸入を増やすことをアメリカは狙っている。輸出主導の経済戦略を内需拡大主導に転換させ、格差社会からの脱却こそ望ましい」と強調しました。
TPP協定に含まれるISD条項(注)について、松沢さんは「日本もアジア各国との貿易協定では結んでいるが、日本は一度も訴えたことがない。しかし、アメリカとの間でこれを結ぶことが大変危険だ。アメリカはすでに50件も訴えて全部勝利している。日本もその標的にされる」と危険性を訴えました。さらに「ラチェット条項」があって、「一度認めたら後戻りできなくなる。例えば牛肉の輸入自由化を認めてしまえば、BSE牛(狂牛病)が発生しても禁輸できない」と述べました。
小矢部の米生産 9割減
JAいなばの藤井さんからは、TPPで米の関税778%がなくされると小矢部市の稲作生産高が、20億6100万円(2010年産)から、2億600万円に激減するかもしれないという厳しい予測が報告されました。
TPP参加国に
国民皆保険がない
保険医協会の岡宗先生は、TPP交渉に参加の9カ国に、日本のような国民皆保険の公的医療制度はない、などの今まであまり知られていなかった事実を報告し、TPP参加で日本の医療制度が大きな影響を受けるとして、反対を訴えました。
コープとやまの阿尾さんから小規模な産直参加の農家との交流が紹介され、「こんな農家にTPPがどう作用するのか、後継者がいなくなり、田畑が荒れ、食糧の安全が壊されるのではないか」との、心配が語られました。
砂田市議は、「山の荒れ具合を見ろ。TPPでは、田んぼもあんな風になる」と指摘した同僚議員の声を紹介し、市議会が「TPP交渉参加に断固抗議」決議をしたと報告しました。TPP問題を考える上で、ここ数十年の貿易自由化路線の悪影響にしっかり目を向けるべきです。
参加者からは「大変わかりやすい話だった」「TPPで得をする人は誰なのか?」「食料自給率が13%になったらどんな日本になるのか、想像もできない」「すでに高齢化、過疎化が進んでいる中山間地農業をどうすればよいのか」との発言が相次ぎました。
準備会は、引き続きTPPの実像についての学習、交流の活動を続けつつ、日本のTPP加入を必ず阻止するために、「オール小矢部」で力を尽くしたいとしています。
(注)ISD条項とは
外国に投資をした多国籍大企業が、環境保全など非関税貿易障壁で参入を阻止され損害を被った場合、相手国政府に損害賠償を求めることができる制度を定めたもの。その訴えが審理される場所は世界銀行(歴代総裁はすべてアメリカ人)傘下の国際投資紛争解決センター(ICSID)で、審理は非公開、不服があっても上訴できない。
その他の写真は次のページに
http://06996341.at.webry.info/201203/article_4.html
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