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砂田喜昭 2011年12月25日更新  
総合計画見直し
市債残高を増やさない財政規律を
これから人口減少社会、ハコモノ建設は効果を見通せるものに限る
12月議会一般質問より

 小矢部市は近い将来のこととして石動駅周辺を整備し、美術館建設の是非を検討しています。砂田市議は12月議会で、これらの事業を進めるかどうかについて、目標とする効果が得られるのか、また市の財政規律を維持できるのか、しっかり見きわめて対処することを求めました。

 砂田市議 これから人口減少社会に向かう時代をしっかりと見据えて、これからは主にハコモノをつくる事業を見直し、必要性の高いもの、効果を見通せるものに限らないと、市の財政がもたないと考えるが、どうか。

学校耐震化こそ優先に

 学校の耐震化などは最優先にやるべき課題だが、石動駅周辺開発では石動駅利用者をどれだけ増やすことを目的にしているのか、駅前商店街の賑わい創出の目標はどこに置いているのか。
 美術館をつくるとすればどれだけの入館者、利用者を目標とするのか。市民の多面的な活動を支える施設は必要だが、既存の施設をフルに活用する方策を考えるべきではないか。

石動駅周辺整備、美術館
効果、利用目標の検討はまだ


 
企画室長 人口減少社会を見据え、しっかりした財政見通しの上で市の事業を進めていくことが重要だ。
 石動駅周辺整備は平成26年からスタートする後期実施計画で検討することになるので、その効果や目標はその時点で検討することになる。
 美術館は篤志家の意向にも答えるために美術館建設検討委員会から具体的な案が提示される。現時点での入館者、利用者を想定することは難しい。
 これらの事業を進める上で、財源確保や地方債残高を見通し、財政計画をつくり、既存施設の活用も十分に考慮した上で、健全財政維持に配慮していく。

市債残高を増やさない財政規律を

 
 砂田市議 市債残高を増やさないように抑制するという財政規律が大事だ。
 市債残高が2011年度末で126億円と見込んでいる。2010年度末残高119億円に比べて7億円増えている。石動小学校耐震化が増えた要因だが、これは優先させる必要があるので、他のハコモノ建設は抑制しなければならないと考えるが、どうか。
 いろんな施設について、要るのか、要らないのか、効果が見込めるのかどうかをしっかり判断することが大事でないか。

財政規律は守る

 
企画室長 財政規律を無視した総合計画はない。いまおっしゃったことを考慮して無駄のない計画にしていきたい。
 
砂田市議 市長にはやりたいことがいっぱいあると思うが、財政規律をしっかり守ってやっていくという決意で取り組んで欲しい。
 
桜井市長 財政規律、中長期的な財政計画に基づいてすすめていく。


解説
市債
  借金の原因、ハコモノ建設


 市が金融機関から借りた借金を市債といいます。
 2011年度末で市債残高が126億円と見込んでいますが、これはハコモノ建設によってつくってきた借金で、子ども医療費助成や子ども手当、保育所や学校の運営費、生活保護、公務員の給与支給などでつくったものではありません。

  借金返済額
  保育所運営費を上回る

 

 2010年度決算(一般会計)では、借金返済に元金で11億円、利息だけでも1・8億円、合計12・8億円を、税金で払いました。借金返済だけで、一年間の保育所運営費9億円を上回っています。保育所運営費のうち税金で払っているのは5・5億円、後は保育料と国の補助金です。
 2011年度末市債残高126億円のうち39億円が地方交付税の代わりとして国が押しつけた借金、臨時財政対策債です。市の責任でした借金は87億円です。
 臨時財政対策債は、国があとから地方交付税で、返済する元金と利子を全額見てくれるという市債だとはいえ、国の地方交付税の算定は、そのときどきの政治状況、国の財政事情で左右されるが、小矢部市は金融機関に返済すべき元金と利子は契約に基づいて支払わねばなりません。
  国が借金返済のときに後ほど地方交付税で面倒を見てくれるといっても、安易な借金が許されないのはこのためです。


第六次総合計画

 小矢部市で学校耐震化が残っているのは、大谷小学校の校舎と体育館、東部小学校の校舎です。保育所では石動東部保育所の耐震化が必要です。九月議会で砂田市議が、学校耐震化完了目標年次を2015年までとするよう求めたのに対し、桜井市長は後期計画の中で最優先に検討させて頂くと答えました。

「学校耐震化は後期計画で
 最優先に検討」


 小矢部市は2010年度までの第五次総合計画にもとづいてまちづくりをしてきましたが、桜井市政の誕生により2008年度に新しく第六次総合計画を作り直しました。この計画期間は2009年度から2018年度までの十年間で、現在は2013年度までの前期五カ年計画を実施しているところです。
 前期五カ年計画のなかで石動小学校の耐震化について、全面改築で対応することとし、計画の見直しをしました。十二月議会には石動小学校の校舎改築に2014年度までに19億6千万円を使う予算を計上しました。体育館は2010年度予算で6億円を計上しており、石動小学校全面改築には26億円を使います。

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