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    砂田喜昭 2011年8月23日更新  
    ビラを配るって 犯罪ですか?
      小矢部市で戸別訪問署名 

      こんな事件でした
     
     2004年3月、社会保険庁の職員であった堀越明男さんが政党のビラを配布したことは、勤務時間外の日曜日であったとしても、国家公務員だということが誰にも分からなかったとしても、政治活動を禁止した国公法102条に違反するとして、ビデオカメラを持った延べ数十人の警官の監視の後、逮捕されました。翌05年9月にも同様の理由で宇治橋真一さんが逮捕起訴されました。

    高裁で
     判断が分かれました


     1審はどちらも罰金10万円の有罪で、堀越さんには2年の執行猶予がつきました。ところが2審の東京高裁では、堀越さんについては「逆転無罪」、宇治橋さんについては「控訴棄却」(有罪、10万円の罰金)となり、判断が分かれました。どちらも上告し、いま2つの裁判は最高裁第2小法廷に係属されています。

    被告側の主張

     被告および支援者側の主張の要点は3点です。@国家公務員の政治活動を、時間外も「一律全面的に禁止」しているのは、憲法違反である。A「公務の円滑な遂行と中立性の確保」は必要であるが、職務や職権に無関係の公務外の行為までを禁止することは法律の拡大適用であり、不適当。B「一律全面禁止」と「公務の中立性の確保」を最大限に拡大解釈した36年前の猿払最高裁判決を見直すべきだ。

    市民も被告・救援会に好意的

     高裁判決が出されたとき、朝日新聞が「理は無罪判決にあり」と書いたように、@表現の自由は民主主義国家の政治的基盤を支えるものであり、公務員もその権利を有する。A被告の行為によって行政の中立的運営とそれに対する国民の信頼がそこなわれる危険性はない、という、堀越さんへの無罪判決を世論の大勢は支持しました。
     署名にまわった救援会員に市民から、「あんたらの主張に全面的に賛成だ」と20分近く話し込んだ元公務員や「ビラをまいたら犯罪だなんて」と憤る主婦の声が寄せられ、事件と裁判の骨格がわかってもらえ、非常に好意的に受け止められました。

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