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砂田喜昭 2010年6月20日更新  
県下初の議会基本条例
「情報公開と市民参加」なるか

 小矢部市議会は6月議会において、議会の活性化と充実、市政の情報公開と市民参加をめざして、議会基本条例を制定しようとしています。


栗山町が全国初
4年半の議論を経て


 議会基本条例は北海道栗山町が4年半にわたる議論を経て2006年5月に制定したのが全国で最初です。栗山町では町民からの意見も聞いて制定しました。県内では小矢部市が初めてとなる見込みですが、市民の意見を聞くことはしませんでした。

小矢部市も
市民主権を基礎に


 こんど制定しようとする条例案には、「議会は、市民主権を基礎とする市民の代表機関」「市民の開かれた議会及び市民参加を普段に推進する議会をめざす」としています。そのために「議会の活動に関する情報公開」「市民に対する説明責任」を強調しています。
 そして議員及び市民が自由に情報及び意見交換する議会報告会を開きます。また、常任委員会、特別委員会の運営にあたり、「参考人制度及び公聴会制度を十分に活用して、市民の専門的または政策的識見等を議会の討議に反映させる」とします。栗山町では「請願・陳情を町民からの政策提起と位置づける」としています。
 小矢部市でもこの立場から、委員会審査で請願者・陳情者から直接意見聴取するかどうかが問われます。


市長と議会は
持続的な緊張の保持を



 市長と議会の関係については、同じく市民から選挙で選ばれた二つの代表機関であり、「競い合い、協力し合いながら」「市長等の行政機関との持続的な緊張の保持」をうたっています。そして本会議において市政上の「論点、争点を明確にするため、一問一答方式」も選択できることとします。

議会の透明性確保
政務調査費の証拠書類の公開をうたう


 透明性の確保に関して、政務調査費の証拠書類を公開することにより透明性を確保するとしています。

「佛作って魂入らず」か?
政務調査費 いまだ領収書公開せず


 砂田市議は、全体としてこの基本条例には賛成できるが、問題は「佛作って魂入らず」にならないようにと注文を付け、「この条例制定前でも政務調査費の領収書を公開すべき」と議長に念を押しました。しかし、これについては、これまでどおり概略のみの公開で、領収書の公開はしないとの態度でした。

議会公開させてきた市民と共産党の運動

 条例の文章がどれだけ立派でも、実質を伴うものとできるかどうかは、ひとえに市民の運動と監視が重要になります。
 23年前まで小矢部市議会では、一部議案に反対討論があっても、提出議案すべてを一括して採決するという県内でもまれな慣習が続いていました。それをあらためさせたのは日本共産党・砂田市議のたたかいと、世論の盛り上がりでした。当時、北日本新聞は「『一括採決』少数意見を封じる」「共産党の機関紙で指摘」と7段記事で大きく報道し(1987年8月20日付)、ついに改善させました。
 市民が常任委員会を傍聴することも、初めから認められていたのではありません。市議会では砂田市議や美谷市議(当時)が求め(「北日本新聞」95年3月19日付)、萩沢邦夫氏が97年3月議会と6月議会に委員会傍聴を、体を張って求めたことが実を結んだのです。昔は常任委員会所属以外の議員が委員会を傍聴することすら認めない閉鎖的な体質がありましたが、砂田市議が地方自治法を楯に傍聴を強行したたたかいによって、今では当たり前に行われるようになりました。
 議会基本条例に魂を入れるのも、市民の運動と盛り上がりです。 
 新聞記事はビラの保管庫にあります。砂田喜昭のホームページ→ビラの保管庫 →2010年6月20日付

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