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砂田喜昭の地球温暖化対策・視察記
エネルギーの地産地消
木質ペレットを使って
二酸化炭素37%削減
視察1 高山グリーンホテル
2月8日に高山グリーンホテルで、ボイラーに木質ペレットを使っているのを視察してきました。間伐材などをチップ化し、乾燥、圧縮して、固形燃料としたものが木質ペレット燃料です。ホテルでは「エネルギーの地産地消 木質ペレット ECO先進地飛騨高山ツアー」を企画しています。ホテルは25万キロカロリー(時間あたり発熱量)のボイラー2基を設置し、1日約2トンのペレットを消費します。灯油1リットルに相当する熱量を出すには、ペレットが2sいるそうです。灯油は今1リットル70円ほどですが、大口用のペレットは1キロ30円、灯油より10円安くすみます。ペレットはこの4月からさらに25円に値下げとなるようです。
灯油と違い、木材は二酸化炭素を吸収して成長するので、燃やしても温室効果ガスをふやさず(カーボンニュートラルという)、地球温暖化対策にもよいのです。石油は主に中東から輸入しており、日本のエネルギー自給率は4%しかないが、間伐材を使えば、自給率を上げることも可能です。ホテルではペレットを車で20分ほどのところにあるペレット工場から搬入しています。輸送エネルギーも中東から原油を運ぶのに比べてうんと少なくてすみます。
ホテルでは、2004年度から取り組んだ第1期事業で、冷房の廃熱で水温をあげて、お湯を沸かす燃料を節約することなどに取り組み、二酸化炭素排出を年間1560トン削減したそうです(2008年度実績)。今取り組んでいる第2期事業ではペレットボイラーを導入し、2010年度には二酸化炭素排出を2239トン削減する目標(2007年度比)を掲げています。これは2004年に比べると3540トン、37%の削減になります。
ペレットの燃焼灰は20リットルの缶に3,4個で、手入れ灰出しに1時間ほどかかるそうです。灰は畑の肥料にします。
ダム建設より森林の手入れで
エネルギー自給率も 雇用も増大
視察2 木質ペレット製造工場
高山市でペレットをつくる工場、木質燃料株式会社も視察しました。岐阜県で初めての大型ペレット製造プラントだそうで、高岡にあった十條製紙の機械を貰い受けて、年間2千トンのペレットをつくっているそうです。製造したペレットの8割はホテルなどのボイラーに使われています。
その社長が言うには、ダム建設に何百億円もかけるより、森林の手入れに毎年三億円でもお金をかければ、自然環境を守りながらエネルギー自給率も上げ、地球温暖化対策にもなるというのです。竹林が広がっていますが、竹もペレットにできるそうです。草のペレット化にも挑戦したいと社長は意欲を見せていました。間伐材の手入れやペレット製造で雇用を増やし、地域産業の振興にもなります。
小矢部市も
バイオマスタウンに挑戦を
小矢部市でペレットの活用を図るには、需要を確保することがカギです。タワーの湯や、ケアハウス、クロスランドホテルのボイラー交換時に石油からペレットボイラーに取り替えることも検討してはどうでしょうか。需要があれば、市内でペレット製造に取り組んでも採算が取れるようになり、里山、森林の有効活用もはかれます。
市がバイオマスタウン構想をまとめるには、未利用のバイオマス資源がどれだけあるか、利用方法がどの程度あるかを調べる必要があります。2月5日に開かれた民生文教常任委員会で私は、この問題を取り扱う市の窓口はどこか、明確にするように求めました。副市長は農林課を窓口に、生活環境課とワーキンググループをつくって共同で対応すると答えました。市の産業振興には、企業誘致にとどまらず、地域資源を生かし、循環型社会をめざしたまちづくりが望まれます。
日本共産党の志位委員長が全国森林組合大会でのあいさつで紹介しましたが、ドイツは森林面積が日本の4割にすぎないにもかかわらず、木材自給率は100%を超え、林業が130万人の雇用を生み出しています。これは、自動車産業の75万人をしのぎ、2倍に近い雇用を生みだしています。ドイツにはいわゆる「限界集落」は存在しないそうです。このような国づくりをめざしたいものです。
解説 バイオマスタウン構想とは
家畜排せつ物や生ゴミ、木くずなどの動植物から生まれた再生可能な有機性資源のことをバイオマスといいます。域内において、広く地域の関係者の連携の下、バイオマスの発生から利用まで効率的なプロセスで結ばれた総合的利活用システムが構築され、安定的かつ適正なバイオマス利活用が行われることを目指し、市町村等が作成する構想を「バイオマスタウン構想」といいます。
市町村等から提出を受けたバイオマスタウン構想案は、関係する1府6省(内閣府、総務省、文部科学省、農林水産省[事務局]、経済産業省、国土交通省、環境省)で構成されるバイオマス・ニッポン総合戦略推進会議が構想としての基準に合致しているか検討した後、事務局より当該市町村等をバイオマスタウンとして公表することとしています。近くでは高岡市、射水市などがバイオマスタウンとして公表されています。県内では他に富山市、立山町、黒部市、朝日町があります(2009年4月現在)。
市役所1階の照明
蛍光灯をLEDに取り替え
市役所1階の照明がこのほど、蛍光灯から最新のLED照明に取り替えられました。
LED照明は発光ダイオードによる照明で、電気使用量が少なく、寿命が長いことにくわえ、最近技術開発が進み、価格も安くなってきています。市役所1階の照明をLED化することは、2009年度9月補正予算において1100万円が盛り込まれました。財源は全額が国県の補助金で、地球温暖化対策の一環です。
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