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点在する5つの博物館施設
有効活用の検討を
市内には博物館としての機能を持つ施設が5つ、各地に点在しています。この見直しについて検討した結果が2月5日に開かれた市議会民生文教常任委員会に報告されました。
市内唯一の登録博物館(博物館法に基づき県教育委員会に登録)として「小矢部ふるさと博物館」が正得地区(水落)にあります。桜町遺跡関係では、「小矢部ふるさと歴史館」、「桜町遺跡遺物整理棟」(埴生地区)、「桜町JOMONパーク」(子撫地区桜町)、「桜町遺跡出土木製品管理センター」(松沢地区)があります。砂田市議は2008年9月議会でこれら5施設の有効活用する工夫を求め、教育次長が「具体的に検討したい」と答えていました。
桜町遺跡の展示は埴生の
「ふるさと歴史館」に
検討委員会の見直し案
検討委員会は、委員長に米原寛氏(富山県 立山博物館館長)、副委員長に西井龍儀氏(市文化財保護審査委員会会長)ほか5名の委員で構成され、昨年7月より4回の委員会を開き、見直し案をとりまとめました。
桜町遺跡出土品の国重要文化財指定を見据えて、「小矢部ふるさと歴史館」(埴生地区)に桜町遺跡の常設展示室を整備します。桜町遺跡の出土品の展示・保管を埴生地区の2施設に集約(桜町遺跡出土木製品を、松沢地区の「木製品管理センター」から埴生地区の「遺物整理棟」へ移す)することになります。「ふるさと歴史館」の名称が「ふるさと博物館」と紛らわしいので名称の変更を検討するが、当面「ふるさと歴史館(考古資料館)」とし、埋蔵文化財センターとしての役割を強調します。
桜町遺跡体験学習は子撫の
「JOMONパーク」に
「桜町JOMONパーク」を桜町遺跡体験学習などの拠点としてトイレを含め計画的に整備します。
「桜町遺跡出土木製品管理センター」(松沢地区)が空いてくるので、民俗資料の保管とともに、屋内ゲートボールコートなど多目的な利用を検討します。
「ふるさと博物館」には
歴史資料も展示
「小矢部ふるさと博物館」(正得地区)には、民俗資料だけでなく歴史資料等を含めた展示内容の充実を図り、隣接する大谷家住宅との連携も検討します。将来的には新たな場所での建設も視野に入れた整備計画を検討するとのことです。
「ふるさと歴史館」
有料化の可能性検討
=入館者減が心配
このほか、すべての施設の開館時間を午前9時から午後4時30分に合わせます。問題なのは「小矢部ふるさと歴史館(考古資料館)」の有料化の可能性を検討するとしていることです。展示内容の充実により入館料を100円〜200円程度とし、学生は減免するとのことですが、入館者減が心配です。市はこれまでも縄文遺跡をあちこちで展示してきましたが、どこでも入場者が殺到するような状況ではありませんでした。東西本願寺の国宝級の展示品があるなら別ですが、有料化することによって入館者が減ることは確実です。
砂田市議の問題提起
博物館本来の活動こそ
充実を
民生文教常任委員会で砂田市議は次の二つの問題を提起しました。
(1) 「小矢部ふるさと博物館」の見直しにあたっては、展示だけでなく、調査研究の活動の拠点としての役割を果たせるように、郷土史会など市民グループとの連携をはかることを検討すべきではないか(砂田市議は2000年3月議会一般質問でも同じ趣旨を提案)。
(2) 市が保有する古文書などの資料を、全国の関心ある人がインターネットで検索でき、活用できるようにするために、図書館との連携も大事ではないか。
将来の博物館施設等の見直しにあたっては、新しい施設の建設ばかりに目を奪われることなく、博物館本来の活動にしっかり取り組み、社会的にも評価されるようにすることが求められます。そのためにも、この問題提起をぜひ検討してもらいたいものです。
解説 博物館本来の活動とは
博物館法より抜粋して紹介します。
(博物館の事業)
第3条 博物館は、(中略)おおむね左に掲げる事業を行う。(一部略)
> 実物、標本、模写、模型、文献、図 表、写真、フィルム、レコード等の博物館資料を豊富に収集し、保管し、及び展示すること。
> 一般公衆に対して、博物館資料の利用に関し必要な説明、助言、指導等を行い、又は研究室、実験室、工作室、図書室等を設置してこれを利用させること。
> 博物館資料に関する専門的、技術的な調査研究を行うこと。
> 博物館資料に関する案内書、解説書、目録、図録、年報、調査研究の報告書等を作成し、及び領布すること。
> 博物館資料に関する講演会、講習会、映写会、研究会等を主催し、及びその開催を援助すること。
> 学校、図書館、研究所、公民館等の教育、学術又は文化に関する諸施設と協力し、その活動を援助すること。
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