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砂田喜昭 2010年2月9日更新  
上水道審議会 砂田市議が主張
こうすればできる
水道料金の引き下げは


 上水道審議会が1月29日開かれ、小矢部市の水道事業経営状況、水道料金引き下げの方策などについて論議しました。砂田喜昭市議も委員として参加しました。

(1)高料金対策補助金をルールどおりに


 小矢部市の人口減や節水により、上水道の需要がここ数年、減り続けています。2005年度に297万7千トンあまりだった年間総配水量が、2008年度には273万4千トンへと8%減少しました。この間の上水道料金の値下げ(2回の値下げで10トンあたり150円)もあり、2009年度の給水収益見込み(上水道の料金収入)は2005年度に比べて16%、約8千5百万円の減となります。その結果、2009年度の収益的収支は約2660万円の赤字の見込みだとの報告がありました。
 これに関して砂田市議は、「小矢部市がこれまで独自につくっていた高料金対策補助金のルールを守ってこなかったことが赤字の最大の要因だ」と指摘し、「上水道審議会として市当局に、ルールどおりの繰入を守るように意見を言うべきだ」と強調しました。
 上下水道課長は「担当課としてもルールどおりの繰入を求めており、2010年度からの見通しでは100%入るものとして計画している」と答えました。上水道審議会会長も閉会あいさつでルールを守るように述べました。

解説 「高料金対策」

 水道料金が全国的にも大変高い地域に公費で補助する制度があります(高料金対策)。ところが1990年代半ばになって国はこの補助金(高料金対策繰出金)を大幅に削減しました。その結果、小矢部市は1995年に水道料金の値上げを余儀なくされました。このとき、国が削った高料金対策繰出金を市が独自に補填するルールをつくりました。それにもとづいて、2006年度まで毎年約1億円前後を水道会計へ繰り入れてきました。ところが市は2007年度から3年間、ルール分の3分の2しか繰り入れせず、水道事業会計を圧迫しました。

県内で2番目に高い
   小矢部市の水道料


 家庭用水道料金は月10トンあたり、小矢部市が2016円で、氷見市の2299円に次いで、県下2番目に高くなっています。砺波市は1522円、南砺市は1627円です。
 県下で一番安い黒部市は504円ですが、水道会計へ1億5614万円の繰入をしています。繰入額は小矢部市の2・7倍です(2007年度)。

(2)自己水源の活用を

 いかにしてコストを削減するか、費用の44%を占める県水受水費(子撫川ダムを水源とする県企業局からの県水購入費)の削減がカギです。
 市も今後の水道ビジョンの中で自己水源の活用が重要だとして、@新規地下水源の開発、A県水受水量を低減し、地下水を有効活用できるよう、富山県と協議を行うことを明記しました。
 上水道審議会では、新しい井戸を掘ることに賛成の意見が出されました。

県との値下げ交渉が大切

 砂田市議も「新規水源の開発は将来的にはたいへん良いことだ。さらに、当面の課題としては2010年度中に富山県との交渉で県水の受水量・受水単価の値下げを実現することが大切だ」と強調しました。

自己水源の揚水試験
十分な量を確保できる


 小矢部市の自己水源(市内金屋本江にある井戸)の汲み上げ能力がどの程度あるのか、12月21日に行った試験の結果も報告されました。4時間連続して毎分4661リットルをくみ上げても(日量6700トンに相当)、井戸の水位は6・7メートル下がって一定の水位を安定して保ち、ポンプを停止したらわずか1分で元の水位に戻りました。砂も上がらず、濁りも異常ありませんでした。
市 の自己水源は井戸の深さ80メートル、揚水管直径20センチです。地下水位はマイナス約22メートルで、最大に汲み上げてもそこから約6・7メートル下がって安定しました。十分な汲み上げ能力があり、周辺地域への地下水枯渇の心配もないことがわかりました。
 今後の課題として井戸が1本しかないので、予備の井戸を持つことも将来的には必要になるでしょう。

(3)漏水対策も重要

 小矢部市の水道では漏水対策も重要です。2008年度で年間総配水量のうち料金収入を得られた水量は76・11%(有収率)で、国が目標とする90%に遠く及びません。市内で約236キロメートルに及ぶ配水管からの漏水が多いためです。配水管の老朽化と、山間部での簡易水道の漏水に気付きにくいことなどが理由として考えられます。
 今後老朽化した施設や配水管の更新を計画的に進めていく財源確保が課題となります。これらは収益に結びつかない投資であり、公共性を考えるとある程度の税金投入が必要ではないでしょうか。市では2010年度中に小矢部市北部簡易水道と上水道を統合し、国の補助を得て2012年度から5カ年計画で老朽化施設の改善を予定しています。
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