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ドキメンタリー映画「I彬 こころの軌跡」上 映
反戦川柳作家の生き方に勇気をもらう
ドキュメンタリー映画「鶴彬 こころの軌跡」の上映会が9月5日、総合会館大ホールで行われました。
小矢部上映実行委員会は次のようなコメントを寄せました。
この映画、絵にたとえれば、スケッチにわずかな
水彩を施したような、淡く粗削りのもの。
しかしそこに見えてくるものは ――
瑞々しい感性を持った、さびしがりやの少年、喜多一二。
マッチの棒の 燃焼にも似た いのち
暴風と 海との恋を 見ましたか
職なく、食にこと欠き、居場所もなく、そして、現実のあるがままに目覚め、虐げられた人々にあたたかい眼を注ぎ、出兵反対へと突き進む鶴彬。
都会から 帰る女工と 見れば病む
軍神の 像の真下の 失業者
出征の あとに食えない 老夫婦
毅然として嵐に向かって立つ若者と、それを必死の思いで支える川柳の師匠や仲間。
枯れ芝よ! 団結をして 春を待つ
暁を 抱いて闇に いる蕾み
―― それらが観る者に、勇気を与え、人々の思いを人権と平和の憲法に結晶させた歴史の流れを、思いつかせてくれました。
感 想 (アンケートより)
☆ 「淡々とした展開の中に、鶴彬の心の動きが良く表わされていた。川柳がトテモ印象に残り、心を打たれた。鶴彬を演じた池上リョヲマが良かった。」 (50代男性)
☆ 「高松あたりの海が好きで、海の映像がトテモよいと思った。最近仕事を休んでしまうことがあるので、仕事があることを感謝し、自分に厳しくしたいと改めて思いました。」
(30代女性)
☆ 「文化活動も命がけの時代があって、今の自由な時代があることを感慨深く思った。」 (50代女性)
☆ 「青年が生きにくい世の中が、伝わってきた。現代にも似ているところあり。当たり前に(考えて)思いついたことを言うことが、罪になるような世の中にしてはいけない。」
(50代女性)
☆ 「若い人の多くに観てもらいたい映画だ。今日の時代に、多くの国民に考える機会を与える名作だとおもう。」 (60代男性)
I彬とは
I彬(つる・あきら)は石川県高松町生まれの川柳作家で、本名を喜多一二(きた・かつじ)といいます。昭和初期、日本の中国侵略戦争が開始された頃、反戦の川柳をたくさん作って、特高警察につかまり、牢獄で赤痢にかかり、29歳で死亡しています(1938年9月14日)。
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