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砂田喜昭 2009年2月23日更新  
吹き飛ぶ「安全宣言」 汚染米続出
  農民連第21回大会に参加して   
           農民連小矢部班長 辻 慶輝
   
 農民運動富山県連合会第21回大会が2月15日に富山市で開かれ、農民連小矢部班から私と二人の組合員が参加しました。大会では農民連中央常任委員の森谷氏、今井氏の基調講演と全国の情勢報告を聞きました。大きな問題になっている事故米にしぼって報告します。

最強のカビ毒
 アフラトキシンも


 政府が昨年10月31日、「事故米を二度と流通させません」と「安全宣言」。しかし、その後最強のカビ毒『アフラトキシン』汚染米の発見により、対策のいい加減さがわかりました。
 ミニマムアクセス輸入米は、1トン容器を解体し、目視でカビ汚染米をより分けて取り除き、新しい容器に詰め替えて出荷していることが12月26日に行われた農民連と政府の交渉でわかりました。

「目撃証言」
何十万トンも目視検査?


 休憩時間中に新潟県出身の今井さんより次のような話を聞きました。
 日通倉庫で、コンベアで送られてくる輸入米からカビの固まりの除去作業をしているのを、偶然発見したそうです。
 作業員に聞くと、ここに積み込まれている輸入米の袋(容器)を全部ばらして検査しているが、手作業なのでとても加工業者の希望数量を確保できない。この倉庫に搬入される輸入米も10月に入る計画数量が来ていないとのこと。
 加工業者は、「あてにできない輸入米より、少し高くても国産米に切り替えないと作業計画が立たない」と悲鳴を上げているそうです。
 目視で何十万トンもの検査です、カビなどの汚染を見逃す恐れはないのか、たいへん気になるところです。

道理と国民との共同で
政府を動かしています



 国際的な食糧危機のなか、ミニマムアクセス輸入米、生産資材の高騰で農政の混迷が際立っています。中国では大干ばつが予想されています。 
 主食である良質の米を大量に作るだけの地力と技術を持っているのに、なぜ食べると危険な米を高い経費をかけて輸入するのか。
 08年11月に発表された内閣府の世論調査でも、「外国産の方が安い、食料は輸入を」という意見は1987年の20%から3%にまで減っています。
 農民連小矢部班も、昨年2度にわたり市議会に「ミニマムアクセス米の輸入中止」「生産費に見合う米価を」と請願してきました。
 全国的にも農民運動全国連合会と全国農業協同組合中央会との懇談や共同が始まっています。昨年砺波市で開かれたシンポジウムもその一端です。
 これらの世論と運動によって「自給率の向上」「減反政策の見直し」などを言い出さざるを得ないところまで、政府を追い詰めています。
 早く選挙で決着を付けたいものです。

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