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砂田喜昭 2008年9月4日更新  
笠井あきら、馳浩ふるさとトークショー
 興法寺地区が主催して2008年8月15日、市立南部公民館で笠井あきら、馳浩ふるさとトークショーが開かれ、100名以上の聴衆が楽しみました。
その模様をここで再現します。文責は砂田です。
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砂田喜昭のブログ、ふるさとトークショーin興法寺2008


共産党後援会員の

二人の討論 論点はっきり


 さすが地元ゆかりの一流人物どうしのトークとあって、互いに敬い合う紳士的な運びで、テレビでよく見るバトルでなくほっとした。
 笠井氏が到着されるまでの間、馳氏が語ったのはいわゆる政界裏話だった。馳氏はこの場所で毎夏国政報告会をされているとのことからすると、一人舞台のときは、概ね裏話で聴衆を引きつけていく手法なのかなと推測される。後日聞いた話だが、馳氏の裏話に嫌気がさして退場された方があったとか。
 もう一つ印象に残るのは、笠井氏の国民目線の主張に対し、馳氏は一部認めつつも「やむを得ない」論や言い訳で締めくくった点だ。聴衆にはどう受け止められたことか。
 ともかく、ユニークな催しを企画された興法寺地区の世話方に拍手。 (TT)


 馳さん笠井さんとも、相手をほめながらの位取り合戦で、面白かった。財源の問題では、馳さんは消費税増税の本音が言える情勢ではないので、ちらりちらりとほのめかす程度に抑え、相続税の課税ベースを広げるなどと目先を変えてしのいだ。トークのテクニッシャンだ。
 笠井さんは、大企業減税や防衛予算、「思いやり」予算などの中に多くのムダがあると指摘して押しまくったが、マスコミが自民党寄りの報道をしている中では、聴衆には、大企業の収益や、平和や外交に関する情報量にばらつきがあることにもう少し配慮が必要だったかも。初めて聞いた人には、難しいと感じた人もあったのではないか。            (KH)


 初めて企画されたこの種のトークショーは、どのような形になるのか、始まる前から何となく興味がそそられた。たぶんお互いが、一方的に主張を述べ合うのかなあという思いもあった。
 興法寺に帰省されたお二人の衆院議員は、与党と野党・自民党と共産党、日本の政党としては両対極にある。お二人の経歴で共通点もあり、エールの交換の後、討論が始まった。
 注目したのは経済政策、馳氏は消費者をどう守るか、消費者庁も大事と述べる。笠井氏は、農家、漁業者、中小企業に対する直接支援が大切、投機マネーの規制についても言及。大企業支援から個人消費への切り替えが必要と述べる。
 もう一つの注目点は、笠井氏が馳氏のパンフに社会保障費2200億円は限界、見直すべきだと書いてあるが、削減するなと言えないのか、と追及。
この二つの政策課題は、福田内閣の「骨太の方針」で許容された方針であるから、馳氏は主張できたと思われる。この二つの課題は、これまでの「改革」が間違っていたことを意味している。
 また、馳氏の主張からは、どこをどう直せば変えることができるのか一向に見えてこない。
 財源問題では、笠井氏は軍事費の削減と大企業の応分の負担、この二つの聖域を見直すべきと主張。馳氏は特別会計と公務員の人件費抑制に財源を求めたいと述べ、軍事費削減と大企業への応分の負担を求めることはタブーだとしているように聞こえた。
 両対極の討論に、論点がはっきりし、国民の判断材料にもなる、大変良い企画であったと思う。   (Y生)

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桜井市長挨拶
 地方再生が国の活性化になる。東京だけが栄えればよいと言うのをやめて欲しい。
多田市議会議長挨拶
 国の方でフラフラすると困る。
柴田県議挨拶
共産党と自民党のポスターが違和感なく並んでいる。もしかしたら、自共連立もあるのか、興法寺党として。


 臨時国会の課題は何だと考えているか。
笠井
 このままでは、世界も日本も興法寺ももたないというのが、みんなの気持ちではないか。
 後期高齢者医療制度の廃止は、いよいよ衆院で議論し、成立させなければならない。
 若者の雇用対策についても、派遣労働をあらため、労働者保護法にする必要がある。
 農政を変えることも重要。原油高騰・経済対策はもちろんだ。
 インド洋での活動をやめる。米軍にタダでガソリンを上げることをやめる。
 政治の中身をどう変えるかだ。どうしたら日本が良くなるか、大いに議論したい。
 与党として、臨時国会の日程は?

 9月5日の予定。テロ特措法を再議決する60日ルールを前提の日程は組まない。
 テロとの戦いをどうするか、インド洋での活動は優先順位が2番目になった。
 1番目の課題は経済(景気)対策で、今月中に棚卸しをして補正予算を組む。
 税制改正の論議も10月11月にやる。消費税の論議も避けられない。
 2011年までに財政のプライマリーバランスを守る。その財源に埋蔵金を充てる。
 消費者をどうまもるか、消費者庁も大事だ。悪徳業者が続いているし、中国ギョウザの事件もある。クレジット被害も。自殺者が3万2千人にもなる。
笠井
 景気対策では、農家、漁業者、中小企業に対する直接支援が大切だ。加えて、投機マネーの規制にも踏み込むべきだ。
 経済対策では大企業支援では国民生活は良くならない。国民の懐をどうあたためるか、個人消費をどうするか、この切り替えをやる必要がある。
 アフガニスタンやイラクで戦争をやってテロはなくなったか。かえって悪循環に陥っている。
 テロは犯罪なのだから、犯罪者を法の裁きにかけること、背景にある貧困をなくすことに力を入れることだ。
 ところで馳さんのパンフには社会保障費2200億円は限界、見直すべきだと書いてあるが、それならもっとハッキリ削減するなといえないのか。パンフには消費税等の増税論議は間違っていると書いてあるが、財源はどうするのか。

 小泉内閣以来、聖域なしで歳出を見直すと言うことで、福祉、教育も見直してきた。2200億円というのは毎年1兆円増える社会福祉費をそれだけでも抑えようとするものだった。しかし、介護や救急医療の現場をみると人件費が安すぎる。この政策は現場を萎縮させている。あらためるべきだ。
 他に財源があるのではないか。霞ヶ関に手を入れるべき。特別会計に使える財源があるのでないか。国家公務員や地方公務員の人件費を抑えることも必要。
 今は低福祉、中負担だが、今後日本は中福祉中負担をめざすべきと考える。長期的な財源としては、消費税にシフトしていくことが必要ではないか。
 医療費にはコスト意識を持たせることが必要だ。長野県と福岡県の医療費の違いは何か。医療費に関するコスト意識の差が一人当たりの医療費で、長野県27万円、福岡県52万円という差になった。長野ではクアハウス、かかりつけ医で医療費を抑制している。尊厳死の問題もあるが終末期医療を見直すことも必要ではないか。日本の健康保険制度はいい制度で、持続すべきだ。破綻しない財源論を議論してほしい。消費税も研究してほしい。
笠井
 命にかかわることはコストなどといって切り捨ててはダメだ。社会保障費2200億円削減というタガを外すべきだ。
 軍事費4兆8千億円を聖域扱いしているではないか。ここを見直すべきだ。
 トヨタ1社で2兆円もの利益を上げているのに、1900億円も減税している。大企業をつぶせというのではなく、応分の負担をすべき。ここも見直すべきだ。

 防衛費については、守屋次官の問題でみられるように装備費がブラックボックス化している。ここに切り込むことは必要だ。
 しかしこれが恒久的な財源になるか。
 激しい国際競争の中で生きている大企業に、国際化のなかでどこまで税負担を求めるか。ここが問題だ。日本はアジアに比べ人件費が高い、せめて税制で支援をしないと。高齢者に金持ちが多い。相続税の課税ベースをひろげることも必要ではないか。また、中小企業をこどもに引き継いでゆけるようにすることも大切だ。
 思いやり予算は、たしかにアメリカ言いなりになっているが、ばっさりとも行かない。
笠井
 だったら、この二つの聖域にメスを入れると、思い切って決断できないのか。

 そういわれると、ウッと詰まるところだが、トヨタはどうして利益を出しているか、かんばん方式、在庫を持たないなど合理化をして競争力を高めている。
 防衛費については、いろいろ難しい。微妙なバランスで平和が保たれている。グルジアとロシアの問題もある。これはグルジアが先に仕掛けたので悪いが、ロシアも過剰反応だ。軍事力で解決しようという流れに絶対やってはならない。しかし、専守防衛は必要だ。
 日本の役割は大きい。被爆国だから、核廃絶をめざそう。もっと核廃絶の声を上げるべきだ。
笠井
 軍事力に頼らない、核兵器廃絶では同じだ。そのための日本の役割は大きい。
 世界ではTACが広がって、話し合いで解決しようという条約に加盟している国の人々が世界人口の57%にもなる。
 その意味では日本の憲法9条は大事だ。戦争放棄について、憲法制定当時、幣原首相は20年、30年後には世界がついてくるだろうと展望を語っていた。今、そういう世界になって来つつある。

 外交と防衛費は切り離せない。
 話題を変えるが、蟹工船が話題となり、ワーキングプアの問題で共産党が評判になっている。小泉構造改革のツケでもあるが、それによって失業率は下がった。
 私は20代、30代は正規雇用で、定年制の見直しも必要だと思う。
 最賃も700円台に見直しをする必要があると思う。
笠井
 いや、1000円に。

 (会場からの質問に答えて)今後の課題として外国人の雇用問題に取り組む必要があると思う。
 もう200万人とも230万人とも言われている外国人労働者を法的に護る制度を作るべきだ。外国人労働者の子供の教育をきちんと受けさせることも大切。研修という名目で安く使っているが、使わざるを得ないところもある。
笠井
 外国人労働者の権利擁護は大事だが、国内の雇用や賃金への影響がある。とりわけ医療、介護については、加えてコミュニケーションの問題もあり、わが党は看護師・介護士研修の受け入れに反対した。慎重に検討すべき問題だ。

 障害者虐待防止法や難病問題にも取り組みたい。
笠井
 障害者への虐待防止をいうなら、応益負担を強いる障害者自立支援法こそ最大の虐待だ。根本的見直しが必要だ。
 自民党と共産党の代議士がトークショーをやるのは全国初の取り組みでないか。
 
儲け第一の資本主義でいいのか問われる時代。共産党は、初めは孤立しているようでも、掲げてきた旗が、政治を動かしだした。「共産党はよいことを言うがイメージが悪い」という人がいる。ソ連、中国のようなものと誤解している。興法寺の義父は、私の妻が若い頃「アカにだけはなるな」と言っていたそうだが、最後には理解してくれた。大企業のサラリーマンだった私の父も、党名を変えたらとしきりにいっていたが、いろいろ話をしてきて、最後は「なぜこの名前を名乗っているのか、みんなに知ってもらうことだ。いまさら赤旗を白旗にしてもね」といい、これが遺言になった。「しんぶん赤旗」を読んで本当の姿を知って欲しいし、ヨシわかったという人には共産党にも入ってもらい、党の議席を増やして、ともに力をあわせて暮らしよい世の中にしていきたい。ぜひ、こういう取り組みをまたやりたい。 

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