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砂田喜昭 2008年8月14日更新  
このままでは雇用促進住宅が無くなる!
 小矢部宿舎(埴生)は、2011年度までに

 全国14万戸、35万人が住んでいる 雇用促進住宅を、2021(H33)年度までに全廃して居住者の入居契約を打ち切り、追い出すというとんでもないことが具体化されようとしています。
 全廃までの間、2011(H23)年度までに全国で約半数を廃止します。市内では埴生の小矢部宿舎(80戸中約50戸入居)が対象になっています。 【新西の津沢宿舎は2021年度までに廃止の計画】

許せない 弱いものを切り捨て
        改修した建物も捨てる

入居者に広がる不安


 日本共産党小矢部西部支部と砂田市議はこのほど、埴生の小矢部宿舎を訪ね、5月、一方的に「廃止決定」の通知が届いた入居者のみなさんに、実情と思いや願いを聞きました。

わしら、どうすりゃいいが?

会えた入居者は、どなたも「見通しもなく、困っている」と言われます。
 管轄する独立行政法人「雇用・能力開発機構」は、すでに今年4月から入居募集を停止し、2年間かけて入居者を追い出していこうとしています。まだ説明がほとんどされていないため「2年先だから」と少し楽に思っている人もありました。
 しかし、2003年10月以前の入居者は契約更新日6カ月前に契約更新拒絶書が届けられます。また、2003年11月以降の入居者は2年間の契約期限がきたら無条件で退去させられる仕組みです。小矢部宿舎では、早くも今年12月に追い出される人がいます。

   働く人の声

◆「ここは駅が近くて勤めに行くのに都合がいい。近くにスーパーもあって、低家賃でありがたい。他に探しようがない」  (男性)

◆「市営住宅は家賃が高いし、なかなか空かないらしく、困っている。アパートはもっと高い」 (青年男性)

◆「安いこの住宅にできるだけ長く居て、将来家を建てる準備をしたい。今すぐ、ローンを組めるはずがない。民間アパートに移るにも先だつものがない。全廃のH33年のぎりぎりまであってほしい」  (夫婦)

◆「維持管理に赤字続きで、市が買い取るか、民間が買い取るか、最後は更地にするか、という話だ。若い者は何とでもなると思うが、年配の方は困るだろう」  (青年男性)

◆「市営住宅は、私のような単身者は入れない。ようやく自治会が発展してきてみんなで力を合わせた活動が始まったのに、残念。2年前に外装をやり直し、流し台など新しく取り替えてもらったのに無駄になってしまう。津沢へ変われるとの勧めもあるが、そこも2年先までの保証で先々は不明という」  (女性)
 
   高齢者の声

◆「ここ出ていけ言われて、どこ行きゃいいがか、行くとこない」 (男性)

◆(力なく)「言わっしゃるようにするしかない」  (男性)

  対策を求める声 

◆「住むところがなければ、人は生きられない。国は憲法25条にいう国民の生存権を守ってほしい」  (青年男性)

◆「とっても困っている。ある方と『署名でもするか』と話したほど。
 トップの人の考えがわからない。ちゃんと税金払っているのに、役人の天下りがけしからんという声に押されて(雇用・能力開発)機構を問題にするけど、住宅の廃止は入居者を無視した弱いものいじめであり底辺の者のことを少しも分っていない。
 ポツポツと出ていくのではなく最後に一緒に出ていく方法はないものか。最後に一人残った人は、気持ち悪くておれない。住む者がだんだん減り、自治会が崩壊し、環境破壊につながり地域崩壊になる心配がある」  (女性)

◆「入居者みんな弱っている。通知書が届いたあと、住民から詳しく聞かせてくれと申し込んだが管理人を通してしか聞けなかった。2回目の説明会を開くと聞いている。それを聞いてでなければどうするとも言えない。2年ほど前に1・2階の耐震工事や水道管補修など金をかけたばかり。無駄なことをやっている」 
(男性)

共産党、市へ要請
「入居者の実情・要望つかめ」


  日本共産党小矢部西部支部と砂田市議は4日午前、市商工観光課を訪ね、居住者に支障のないよう市としてできる限りの対応を検討するために、雇用促進住宅小矢部宿舎の入居者の実情や要望を聞き取るように要請しました。

 解説

  雇用促進住宅は雇用保険の保険料で整備され、運営は独立採算制です。独立行政法人の雇用・能力開発機構が所有。
 政府は2021年度までに、すべての雇用促進住宅を自治体や民間に譲渡、または更地にして売却する「廃止」を進めます。取り壊して売り払うことが廃止の最大の目的とみられます。
  雇用促進住宅は1961年に運営が開始されました。エネルギー政策の転換で炭鉱が閉鎖され離職者の雇用と住居を確保することが目的でした。その後、移転就職者がハローワークの紹介で入居できるように。自治体の誘致も多く、公共住宅として低所得者の住居を保障しています。国の「住宅政策5カ年計画」にも位置付けられ公営・公団住宅と同様に国の公的住宅政策の一つの柱でした。
  国は1990年代、「行政改革」によって雇用促進住宅を廃止する方向を打ち出しました。さらに小泉「改革」のもとで具体化が加速。福田内閣は昨年12月の閣議で計画を前倒しして、売却業務を民間委託するなど廃止を促進しています。「官から民へ」という特殊法人改革のなかで住宅の建設、管理から撤退、全廃し取り壊し、民間企業にたたき売りする方針が一方的に決められたのです。
 ワーキングプアの増大などを背景に雇用促進住宅の役割はますます重要になっています。


日本共産党の取り組み
 
  日本共産党は、居住権を奪う不当な雇用促進住宅の全廃をやめさせるために、全国各地での大規模な署名運動を背景に、国会議員とともに国と交渉を重ねています。


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