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砂田喜昭 2008年6月1日更新  
国民健康保険  低所得者に窓口負担の減免制度を

 国民健康保険運営協議会が5月26日に開かれ、砂田喜昭委員は病院窓口で支払う一部負担金を国民健康保険法第44条にもとづいて減免する制度の実現を求めました。お金が無くて医者にかかることができないことのないようにするためです。ところがこれまで、法律の上では制度はあるのに、全く利用されていませんでした。当局は「県とも相談し、検討したい」と答えました。

国民健康保険法が決めている 窓口負担減免の制度


 国民健康保険法第44条は第1項で「特別の理由がある被保険者で、一部負担金を支払うことが困難であると認められるものに対し、一部負担金の減額、支払いの免除、徴収の猶予ができる」こととされています。特別な理由として国が例示したものは、次の4項目です。

(1) 震災、風水害、火災その他これらに類する災害により死亡し、心身障害者となり又は資産に重大な損害を受けたとき。
(2) 事業又は業務の休廃止又は失業等により、収入が著しく減少したとき。
(3) 干ばつ、冷害、凍霜害等による農作物の不作、不漁その他これらに類する理由により収入が著しく減少したとき。
(4) 前各号に準ずる理由により、収入が著しく減少したとき。

県内で制度利用はゼロ

県当局「減免はそれぞれの保険者の判断」
   「県は低所得者に減免するなという指導はしたことがない」


 富山県内でもこの制度を利用した事例は皆無です。
 5月23日に行われた日本共産党と富山県当局との交渉でもこの問題が取り上げられました。
県当局と交渉する党交渉団(中央、砂田市議) 県当局は、「法第44条に該当するかどうかはそれぞれの国保の保険者(市町村)が判断することである。低所得者に一部負担金の減免をするなという指導をしたことはない。市町村にこの趣旨を周知するように図りたい」と答えました。
 さらに「減免の事情に該当するかどうかは個々の事例で判断するものではあるが、要綱を定めて行った方がよい」と述べました。

全国には既に先進例がある

 全国には既に取り扱い要綱を定めて一部負担金の減免を行っているところがあります。

神奈川県横須賀市

生活保護基準の115%以下の低所得者には免除
130%未満には減額制度


 神奈川県横須賀市は昭和47年に既にこの要綱をつくっています。
 世帯の実収入月額合計が生活保護の生活基準費の115%以上130%未満の場合または資産に30%を超える損害を受けた場合に一部負担金を減額するとしています。免除するのは生活基準費の115%以下または家屋及び家財道具等の資産に70%以上の損害を受けたときです。

愛知県蒲郡市

生活保護基準の130%未満の低所得者に減額制度


 愛知県蒲郡市も平成19年4月1日から次のような減免基準を設けています。
    …………
 
蒲郡市国民健康保険一部負担金の免除、減額及び徴収猶予に関する規則

第4条 一部負担金の免除等に関する基準は、次に掲げるとおりとする。

 ⑴ 当該世帯の実収月額が基準生活費の115%以下の世帯については、一部負担金を免除する。
 ⑵ 当該世帯の実収月額が基準生活費の115%を超え120%以下の世帯については、一部負担金の10分の8を減額する。この場合において、減額されない一部負担金については、保険医療機関等に対する支払に代えて、市が一部負担金を直接徴収することとし、その徴収を猶予することができる。
 ⑶ 当該世帯の実収月額が基準生活費の120%を超え130%以下の世帯については、一部負担金の2分の1を減額する。この場合において、減額されない一部負担金については、保険医療機関等に対する支払に代えて、市が一部負担金を直接徴収することとし、その徴収を猶予することができる。
 ⑷ 当該世帯の実収月額が基準生活費の130%を超え140%以下の世帯については、保険医療機関等に対する支払に代えて、市が一部負担金を直接徴収することとし、その徴収を猶予することができる。
2  前項第2号から第4号までの規定による徴収猶予は、猶予する期間内に市が当該一部負担金を確実に徴収できる見込みがあるときに限り、行うことができる。

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