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砂田喜昭 2008年5月5日更新  
 映画 「日本の青空」上映会、盛会
「憲法のこと もっと勉強してみたい」

 日本国憲法誕生の真相を、在野の憲法学者鈴木安蔵を中心にして描いた劇映画「日本の青空」の小矢部上映会が、4月27日の日曜日、クロスランドおやべメインホールで午前・午後・夜の3回行なわれました。農作業の忙しい時期にさしかかっておりましたが、市の内外から約720名が参加し、当時の日本国民・関係者の平和と民主主義に対する熱い思いを追体験しました。後援は市教委・市芸文連。

  主催した「日本の青空を小矢部で観る会」の立川昭乗代表は、3回とも上映前の挨拶に立ち、多忙の中参加された皆さんに感謝と敬意を表され、「観る会」の平和憲法に対する姿勢を伝えました。
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上映前に挨拶される立川昭乗代表 「観る会」では、憲法を大切にする皆様に次のように呼びかけ、自主上映運動に取り組みました。
 「戦後の混乱の中で『日本国憲法』を生み出していった当時の日本が大切にしたものは何であったか、広く各界の方々と確かめ合ってみたいと思っています。『憲法改正』に賛成か反対かを議論する以前に、見落としてはならぬ日本の歴史の一コマとして、多くの市民の方々に鑑賞していただきたいのです。」(試写会招待状から)
 “小矢部で1000人に観てもらおう。そのために2000人の方と憲法と「日本の青空」のことを対話し、語り合おう。” これが「観る会」世話人会の運動を進める立場でした。
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 「観る会」事務局によると、当日上映後、245通の「感想・アンケート」が寄せられました。
 印象に残ったシーンとして、鈴木夫妻のご苦労とともにGHQと幣原内閣(松本烝治国務大臣)とのやり取りを挙げた人が多く「憲法制定当時の雰囲気が分かった」「当時の関係者の努力に頭が下がった」という感想が頷けるとのことでした。
 また「GHQが女性の権利について考えてくれたことに感銘を受けた」「戦争放棄と男女平等は車の両輪だ」など女性の人権問題にも目が向けられており、さらに「憲法のことをもっと勉強してみたいと思った」が34もあり、「分かりやすい。もっと多くの人に見てもらいたい」など、今後の活動につながる感想も多くあったということです。
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 今回の成功を支えた、宗教者、教育者、婦人団体、文化団体、平和団体などの「和やかでしなやかな」協力共同が引き続き発展することが期待されます。

私の感想
 「日本の青空」を観て 
―映画から 自分の学びへ―

 「へーえ、そうだったの。」映画を見ながら心の中でつぶやいていました。敗戦後、自由にものが言える世の中になってほしい、戦争はもうこりごりという気持ちを新しい憲法に託そうとした人達がたくさんいた。その中で鈴木安蔵を中心としたグループが考えた憲法草案がGHQに取り入れられ、日本国憲法が誕生したことがよく分かりました。中学でも高校でも憲法の学習はしたけれど、このような過程でできたことを学ぶ機会はありませんでした。
 真実を知ることは、さらなる学びの意欲を喚起するものなのですね。試写会の後、もっと詳しく知りたいと学習会がありました。1回目は、国立国会図書館にある「日本国憲法の誕生」の資料から新憲法がうまれてくるプロセスを詳しくたどり、また、明治憲法の天皇制の絶対的権力を条文から読みました。2回目は、元富大教授の篠原巌先生(鈴木安蔵の教え子であったという)の話を聞いて考えました。篠原先生から、鈴木安蔵は国民の憲法制定運動のなかで国民投票によって憲法をつくりたいと考えていたことを伺いました。彼の考えた憲法制定運動が展開されていたら、今の憲法押しつけ論は生まれなかったでしょう。
 学者でも研究者でもないわれわれ庶民は、現在の出来事でも十分に真相を知らない、知らされてないことが多いのでなかろうか。劇場上映ではなく手作りの自主上映を選んだ「日本の青空」は、平和な日本のために九条を守ろうという強い意志とともに、もっと学び、知る権利や表現の自由は自分の力で強めていきなさいと訴えているように思いました。    
          (E・T)

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