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「農民連」の要求と行動
政府を動かす
農民運動富山県連合会第20回定期大会に参加して
辻 慶 輝
農民運動富山県連合会の第二十回定期大会が2月10日開かれ、農民連米対策部事務局長の横山昭三さんより基調講演がありました。まず、その要旨をご紹介します。
「これでは
農業が続けられない」
小泉内閣で進められてきた構造改革路線(もうけのためなら何でもありの規制緩和を進めた弊害)の見直しが緊急に求められています。その害は全分野に広がり、深刻な格差社会の形成となり、日本の将来にも悪影響が懸念されています。
農業分野で見たとき、国のやり方は、世界的な食糧危機に突入したといわれる情勢とあまりにもかけ離れています。あり余るほどの生産力と技術を持った日本の主食である米。国内には4割の減反を押し付け、しかも米を輸入し続けることは、地球的な食糧危機と両立しません。
例のない食糧施策の結果、全国の家族経営農家、集落営農、大規模農家から、「これでは農業が続けられない」と悲鳴と怒りの声が上がりました。昨年は農民連が中心となり、農協を含む国民的な「米政策の抜本的見直し」要求の行動が強められて、政府に一定の「緊急対策」をとらせました。
中国製冷凍餃子中毒事件の教訓
…消費者に意識の変化
もはや、金を出せば食糧は何でも買える時代ではなくなっています。冷凍餃子の中毒事件は量の問題とともに質の点でも日本国民に問題を突きつけました。食の安全を確保するための体制の遅れ、地産地消の推進、家庭で調理が出来るような労働条件への緩和、少し高くても国内産を選びたいなど、消費者の意識に大きな変化が生まれてきました。
地球温暖化と農漁林との
かかわりを見直そう
オーストラリアでは米生産の昨年の作況指数はわずか1%、小麦についても、かっての大輸出国から輸入国へ転落しました。アメリカ大穀倉地帯でも異常気象による干ばつや水害により深刻な被害が出ています。CO2 を消化してくれるアマゾン等大森林では、エタノールに替えるためのトーモロコシの栽培のため、大伐採が進んでいます。
人口増、生活水準向上で生じた穀物不足に、地球規模の温暖化現象が拍車をかけています。ここで、農漁林業等が環境保全に大きな役割を果たしていることをもう一度認識してほしい。
品目横断的経営安定対策は
初年度で破綻
政府の「緊急対策」は、市町村特認で面積要件の緩和、認定農業者の年齢制限の緩和、集落営農組織の法人化の弾力化、ナラシ対策(米)の上乗せなどの処置が行なわれています。これらは、現場の激しい矛盾を反映はしています。政府は「品目横断の基本は変えない」としていますが、発足1年目での見直しは制度の根本的な欠陥の証しであり、「中止」以外に道はありません。
小矢部でも農民連の班を
…横山先生の話を聞きながら
決意したこと
私はJAにも大変お世話になり、なくてはならない組合だとは思います。しかし最近の農協は、政府の「口は出すが金は出さない」の「口」の代弁者のように思えてなりません。今まで苦労をして施策に協力してきた農家が、作れば大きな負担となる、しかし、先祖代々の土地を荒らすわけにもいかない、と苦しんでいます。また集落営農の体制を作ってもその内容は極めて厳しいのが現状です。
私たちは、さらに農業環境を良くする努力をしないわけにはいきません。そのため小矢部市にも農民連の「班」を作り、小さな組織からのスタートではあっても活動を強化しなければと思いました。
そこで、生産者だけでなく消費者を含む集まりを2月25日に開くことにしています。
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http://06996341.at.webry.info/200802/article_8.html
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