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砂田喜昭 2007年10月21日更新  
水道料金値下げ
可能性と根拠を探る

 桜井市長は9月議会で政友会の代表質問に、「水道料の値下げは困難だ」として、次のような言い訳をしました。それが果たして値下げ困難の理由となるのか、検討します。

 桜井市長の言い分はこうです。

 @ 小矢部市の水道経営が成り立っていたのは、一般会計から繰入1億円があったからだ。
 A 平成7年(1995年)に水道料金を値上げしたが、その時には県からの受水単価80円、一日当たり受水量5400トン、受水費1億5768万円。この経費では経営が困難として値上げした。今はどうか。受水単価85円、受水量6300トンで受水費1億9545万7千円であり、当時の値上げの理由が解消されたわけではない。
 また売上げも給水人口は平成7年に21、963人、有収水量(水道料で回収できた配水量)202万4千トン、18年度末では給水人口21、431人、有収水量213万7千トンと、ほとんど変わらない。
 B 小矢部市の水道料金が他自治体に比べて高くなるのは地形的自然条件も要因だ。小矢部市の配水管の配水量は8.7トン/mで、十市平均14.1トンに比べて少ない。それだけ設備投資が余計に必要ということだ。
 また、小矢部市の有収水量(平成17年)が総配水量の73.76%で、十市平均83.2%より少ないのは、老朽管が多く、漏水がひどいからで、今後漏水管対策の費用が大きくかかる。
 C 昨年値下げしたことにより収支バランスは漸くギリギリで、値下げは困難な状況だ。
 D しかしながら、水道料金算定の要因である受水単価の値下げについて、現在、県企業局と協議を続けているところである。

一般会計一億円繰入は

自然的条件による
高い水道料緩和のため


 水道事業を公共事業として経営しているのは、「清浄にして豊富、低廉な水の供給」(水道法第1条)のためです。市長がBで述べた地形的自然的要因で水道料が高くなるのを緩和するためにこそ、一般会計から繰入をしているのです。国は平成7年(1995年)に財源不足を理由にこの高料金対策を後退させましたが、小矢部市は肩代わりして実行してきました。
 したがって、@で述べている1億円の繰入は当然のことです。

ところが
一般会計からの繰入
         を削減


 問題は、値下げで収支バランスが漸くギリギリだといいながら、今年度、一般会計からの繰入を3分の1削減したことです。水道原価に占めるウェイトが大きい受水費が12年前に比べて3800万円も増えているのに(A)、繰入を3千万円削減したのです。水道経営困難の直接の原因は、それを支えてきたつっかえ棒を外した政治の責任です。

漏水管対策は
      着実に実施


 市長はBで、市の漏水が多い(有収水量が少ない)から漏水管対策が必要と言いますが、それはすでに着実に実行しています。2005年(平成17年)に、73.76%であった有収水量が、翌年には74.99%に改善しました。これには漏水を発見したら、翌日回しにせず深夜でも飛んでいって復旧させるという市職員の努力が反映しています。
 町村合併や子撫川ダム開発に伴い耐圧性の低い配水管を抱えこんだ歴史的経緯を考えるなら、老朽管対策に一般会計から応分の繰入をすることも、必要ではありませんか。

水道料金値下げには

県水の受水費削減
        がカナメ


桜井市長が、県企業局と水道料金算定の要因である受水費の値下げ交渉をしている(D)と答えたことは、水道料金値下げには、今「水道料金の値下げを求める会」がすすめている署名活動の重要性を示すものです。


「水道料金の値下げを求める会」がすすめる
 県への署名こそ重要




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